営業
2021.08.04

営業には必須の「質問力」!基本的なフレーズから応用まで!

こんにちは、石井です。

本記事では、「質問力」について考えていきます。

営業にとって、お客様のことを深く理解することは大切です。なぜならば、お客様のことを深く知らないと、本当の意味で役に立つ提案ができないためです。

では、どのようにしてお客様の理解を深めればよいでしょうか。

お客様の理解を深めるための方法として、まず頭に思い浮かぶのはお客様が公開しているホームページ情報やIR情報などをチェックすることです。確かにお客様の理解の第一歩としてはとても大切な行動です。

しかし、お客様の深い部分まで理解するには、お客様に直接質問をするという方法が一番です。

それは、世に公開されていないような情報を営業が手にするには、お客様に直接ヒアリングする他に道はないためです。

では、私たち営業はどのようにして「質問力」を高めれば良いのでしょうか。

本記事では、質問力の基本的な概念から、実践ですぐに使える営業トークのスクリプトも交えて、わかりやすく解説していきます。

質問力の概論

はじめに、質問力の基本概念について考えていきましょう。これらは、新人研修で履修する内容ですが、まずは基本から確認していきましょう。

質問力とは何か?

質問力とは、「質問」と「力」に分解できます。意味としては、「疑問や不明な点を問うスキル」のことを指します。

では、質問力が高い営業はどういった質問をするのでしょうか。

お客様にとって、営業から質問を受けて答える場合、質問は大きく2種類に分けられます。

それは、「すでに答えが決まっている質問」と、「決まっていない質問」です。

営業として、前者であるすでに答えが決まっている質問をすることも大切ですが、後者の答えが決まっていない質問をすることも大切です。

なぜならば、答えが決まっていない質問を受けた場合は、お客様にとっても物事を深く考えるきっかけになる可能性があるためです。

質問力を高めるメリットは?

では、質問力を高めると、営業活動においてどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は3つのメリットをご紹介します。

メリット1:お客様と円滑なコミュニケーションが可能になる

お客様との対話は、「聞く」と「話す」に分けることができます。多くの営業担当者は、日ごろから自社紹介や自社の商品説明をしているため、「話す」ことには慣れています。

しかし、「聞く」ということは簡単そうに見えて、トレーニングを受けていないとなかなか上達しません。

「話す」とセットで、「聞く」力も身につけることで、お客様とのコミュニケーションは格段に円滑化します。

メリット2:お客様からの深い情報を聞き出せる

お客様は、営業からの質問によって気付きを得たり、新しい考えを持ったりすることがあります。

営業は、質問によってお客様が考えたこともなかったような事柄を問いかけ、そこから深い情報を得る必要があるのです。

なぜならば、これらの深い情報はどの他社営業も入手できていない可能性が高く、競合優位性につながるからです。

メリット3:お客様の問題解決スピードがアップする

お客様は、営業からの質問によって思考を整理することが可能です。例えば、営業からの質問によってやるべきことが明確になったり、次に行う事柄の優先順位がつけられたりします。

このようにお客様の思考を整理する役割が営業にはあり、質問によってお客様の問題解決スピードをアップさせることができるのです。

以上、3つのメリットをご紹介しました。

それでは、具体的に質問にはどのような種類があるのでしょうか?次章で見ていきます。

質問の種類は?

質問には、2つの種類があります。それは、「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」です。

クローズドクエスチョンとは?

クローズドクエスチョンとは、「はい」か「いいえ」で答えることができる質問のことです。営業がお客様にクローズドクエスチョンをすると、お客様は「はい」か「いいえ」で答えられます。

そのため、お客様にとっては回答しやすいという良さがあります。

一方で、「はい」か「いいえ」でしかお客様から回答が返ってこないため、具体的な内容まで発展しない可能性があります。

オープンクエスチョンとは?

オープンクエスチョンとは、「はい」か「いいえ」で答えることができない質問のことです。営業が、お客様にオープンクエスチョンをすると、具体的な内容について聞き出すことが可能です。

一方で、お客様にとってみるとクローズドクエスチョンよりも答える手間がかかるため、飛び込み営業や時間がない対話のシーンでは敬遠される可能性があります。

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ダメな質問方法はこれ!~ありがちなNGパターン5選~

では、ここからは事例を交えて具体的に質問を考えていきましょう。まずは、ダメな質問を考えてみます。

その1:オープンクエスチョンを使いすぎる

お客様のことを具体的に理解したいという想いは大切ですが、この想いが強いからといってオープンクエスチョンばかり使うのは避けるべきです。

なぜならば、オープンクエスチョンはクローズドクエスチョンと比較して、お客様にとって回答する手間がかかるからです。

その2:目的がわからない質問をする

お客様にとって、目的が不明確な質問には回答しにくいものです。営業が何のためにその質問をしたのか、ということをお客様にわかりやすいかたちで伝えましょう。

例えば、お客様にいきなり「来期の予算はいくらですか?」と質問をすると、お客様は何のための質問か目的がわかりません。

予算の話をするのではれば、「弊社から○○をご提案させていただくにあたり、御社の来期予算の概算を認識しておくと、互いにとって予算内で話を進めやすいと思います。ご予算はお決まりですか?」と聞くと良いでしょう。

このような伝え方にすると、お客様にとって目的が認識しやすいです。

その3:話題を頻繁に変えて質問する

お客様との商談前に、質問したい項目をリストアップしておく営業担当者は多いと思います。

しかし、質問リストをすべて聞きたいという想いから、話題を頻繁に変えて質問をすることはおすすめできません。あくまでも、話の流れにそったかたちで質問をしましょう。

その4:質問攻めにする

お客様に質問をして回答をいただいたら、すぐに次の質問に移るのではなく、回答に共感をしたり自身の意見を述べたりしましょう。

お客様にとって、回答をしたらまたすぐ次の質問がくるという繰り返しは、対話というよりも質問攻めをされている感覚になります。

適宜、対話の要素である共感や自身の意見を述べることなどをしましょう。

その5:尋問をする

尋問とは口頭で問いただすことをさします。特に、「なぜ」と理由を問う質問を繰り返すことは尋問に近いスタイルです。

営業にとって、お客様の「なぜ?」を聞きたい気持ちがあることは良いことです。事象の背景にある理由を理解することで、営業からの提案の質にも影響するでしょう。

しかし、「なぜ?」というフレーズを多用すると、お客様はまるで問い詰められている(尋問されている)感覚になることがあります。

そんなときには、「なぜ」という言葉を用いず、「きっかけは何ですか?」というような表現を用いましょう。

良い質問のための3つのポイント

では、お客様にとってどのような質問をすると良いのでしょうか。本記事では、良い質問をするための3つのポイントをご紹介します。

ポイント1:傾聴の姿勢を身につける

「営業担当者は、お客様の話をよく聞くべきだ!」ということを、よく耳にしますが、皆さんにとって「傾聴」とはどういった定義でしょうか。

弊社では、「傾聴」を4つの要素に分類して考えています。

態度を意識すること

態度とは、身振りや手振りなどのボディランゲージに加え、アイコンタクトも指します。営業担当者は、お客様にとって話しやすい態度で商談を実施すべきです。

話を最後まで聞くこと

お客様が話をしているときに、途中で質問をしたり遮ったりしたくなることがあると思います。しかし、お客様の話が一旦区切りを迎えるまでは、最後まで聞く意識をしましょう。

共感すること

お客様の発言の意図を読み、どのような気持ちでお話をしているのかという感情に目を向けましょう。そして、お客様の話に共感する姿勢を持ちましょう。

観察すること

営業担当者は、お客様の話を聞くことはもちろんですが、「声のトーン」「スピード」「息継ぎ」「表情や姿勢」「場の空気」を観察することで、お客様の発言の意図をくみ取るようにしましょう。

言葉だけではわからない情報までも、五感を駆使し、営業担当者が理解することで、お客様から取得できる情報の量は多くなります。

ポイント2:ゴール・現状・ギャップを問う

お客様にとっての「ゴール」「現状」「ギャップ」が明確にわかるように、いつくか典型的な質問を用意しておくと良いでしょう。

ゴール

質問例)「本施策がうまくいったら、どういった姿になっていると想像されますか?」

現状

質問例)「現時点で、どういったところに課題があるとお考えですか?」

ギャップ

質問例)「ゴール達成のためには、何を変える必要があると思いますか?」

ポイント3:お客様の役職にあわせた質問をする

役職が変わると、関心領域は変わります。

例えば、従業員数が数万人の企業の社長が、社内で利用しているホワイトボードやランケーブルの配線などに一番の関心があるケースは稀です。

恐らく、このような話題を持ち出したとしても、「本件は、担当者に任せていますので。」と経営者から言葉をいただくことでしょう。

そのため、私たち営業担当者はお客様の役職にあわせた質問を用意しておく必要があるのです。

経営層向け

経営層は、「会社の理念やビジョン」に関心がある場合が多いです。そのため、会社の将来のことや創業時の想いなどをヒアリングの観点として用意すると良いです。

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管理職層向け

管理職層は、「戦略」に関心がある場合が多いです。イメージとしては、経営層が考えた理念やビジョンを実現するために、どういう戦略をとるべきかを考えるのが、管理職層ということです。

担当者層向け

担当者層は、現場で実行していく部隊です。そのため、「効率的なツールや業務」に関心があります。

具体的な質問テクニック

本章では、どの営業シーンでも活用できる質問テクニックをご紹介します。

具体的には、「確認する」「掘り下げる」「広げる」の3パターンの質問です。

テクニック1:確認する

「確認する」ことの目的は、お客様の発言と営業側の理解に違いがないかを確かめるためです。お客様と営業の双方に認識の齟齬がないように、適宜確認する質問をしましょう。

復唱する・言い換える

営業トーク例:「~とお考えですね。」

営業トーク例:「つまり、~ですね。」

テクニック2:掘り下げる

「掘り下げる」ことの目的は、お客様の発言の背景にある具体的なことを理解するためです。具体的な内容や理由を問うてみることで、お客様の発言の真意を読み取りましょう。

具体化する・理由を問う

営業トーク例:「例えば、どういったことですか?」

営業トーク例:「その理由は何ですか?」

テクニック3:広げる

「広げる」こと目的は、お客様の考えの全体像を把握することです。他に視点がないか、優先順位は何かを確認するようにしましょう。

他のことを問う・優先順位を問う

営業トーク例:「他にはありますか?」

営業トーク例:「優先順位はお決まりですか?」

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質問力を高める研修

質問力を高める方法は、多岐にわたりますが「営業研修会社が推薦する!質問力研修の選定ポイントとおすすめ研修7選(オンライン対応可の研修あり)」の記事では、研修を導入する際に気をつけるべきポイントについて解説し、さらに、オススメの質問力を鍛える研修も7つ紹介しています。

新人営業担当者から中堅営業担当者まで、幅広く対応している研修をご紹介しているので必見です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、「質問力」について考えてみました。

質問力という言葉は、営業現場でよく耳にする言葉ですが、実際に「どういった質問が良くて」「どういった質問がダメなのか」ということは議論されません。

また、質問力を鍛えるための手法についても、マネージャーによってばらつきがあり、画一的な教育がなされていないこともあります。

しかし、営業にとって質問力とは、最も大切なスキルといっても過言ではありません。

営業メンバー一人ひとりの質問力を向上させることで、お客様から取得できる情報が格段に増え、提案の受注率もアップするはずです。

ぜひ、これを機に質問力を鍛えるということに目を向けてみてはいかがでしょうか。

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