【トーク例掲載】インサイト営業の具体的な進め方を徹底解説!競合勝率9割超の営業手法とは?
目次
こんにちは、石井です。
本日は、インサイト営業の進め方を解説します。
皆さんは、インサイト営業をご存じでしょうか?
インサイト営業は、米国で生まれたとされています。それが、2012年にハーバードビジネスレビューに掲載されることで日本にやってきました。
日本におけるインサイト営業の第一人者は、株式会社アルヴァスデザインの代表取締役CVOの高橋研氏です。高橋氏の著作である「実践!インサイト営業(2018年 プレジデント社)」は多くの営業担当者から注目を集めました。
また、高橋氏が社長を務める株式会社アルヴァスデザインは多くのインサイト営業の研修を実施しています。加えて、大手企業の営業改革を同行営業や支店での戦略会議なども交えて実施しています。インサイト営業を身に付けたい方は、チェック必須の会社です。
>株式会社アルヴァスデザイン
今回は、インサイト営業の具体的な進め方を、徹底的に解説していきます。
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インサイト営業の基本を確認していきましょう。
インサイト営業とは、「お客様の潜在的なニーズを引き出し、先回りの提案をする営業」のことです。インサイトは、英語でInsightであり、「洞察」や「直感」を意味します。
言い換えると、インサイト営業とはお客様の潜在的なニーズや価値観を引き出す営業であり、目指すは理念やビジョンの創造なのです。
そのため、インサイト営業はとてもクリエイティブであり、AIに駆逐されない営業手法の1つとして注目されています。
インサイト営業が持つ3つの意義
インサイト営業を実践する3つの意義を考えてみましょう。
意義1:環境変化への対応
現在のビジネスシーンは大きな変化の最中にいます。例えば、世界各地で起きている紛争や戦争、または金融問題やエネルギー問題など、さまざまな要因がビジネスにも影響しています。
加えて、現代はAI時代と言われるほどテクノロジーが急速に変化している時代です。営業職はAIに代替される職種であると言われることも少なくありません。
このような激しい環境変化の中で、私たち営業担当者は「人間ならではの価値」を発揮し、社会に貢献し続けなければなりません。「人間ならでは」とはどのようなものでしょうか。その1つが、創作性や創造性などのクリエイティビティと言われているものです。
インサイト営業は、お客様の理念やビジョンの実現施策をクリエイティブに創り、伴走支援する営業です。言い換えると、インサイト営業はAI時代には強い営業スタイルと言えるでしょう。
反対に、従来型のソリューション営業はAI時代に淘汰される可能性がある営業と言えます。なぜならば、ソリューション営業は、ロジカルをベースにした課題設定と提案を実施するためです。これらの論理的な思考は、まさにAIが得意とする領域です。
意義2:パートナー発掘
インサイト営業は、お客様の経営層に対する営業と言っても過言ではありません。言い換えると、お客様と会社ぐるみで関係が構築される営業が、インサイト営業なのです。
このような状態になれば、お客様はパートナーとなります。厳しいビジネス環境下で、互いを支えあるパートナー企業ができることは、インサイト営業を実践する1つの大きな意義と言えます。
意義3:営業としてのキャリアアップ
営業担当者にフォーカスすると、インサイト営業を実践することで、営業担当者のキャリアアップが期待されると言えます。
なぜならば、インサイト営業は前述した通りお客様の経営層に営業をするため、これを繰り返し実践することで、営業担当者の視座が高まり、キャリアの選択肢も広がるからです。
インサイト営業を組織で実践できれば、企業として営業担当者のキャリア育成を同時に進めていることにもなります。これは、インサイト営業を実践する意義の1つになるでしょう。
進め方① ターゲット企業の選定方法
インサイト営業の第一歩は、ターゲット企業の選定です。インサイト営業は、難易度も高く営業活動に多くの時間も要します。
そのため、ターゲット企業の選定は非常に大切になるのです。本コラムでは、3つの観点をご紹介します。
観点①:理念やビジョンの優先度
インサイト営業は、理念やビジョンを実現する営業と言えます。そのため、お客様が理念やビジョンを優先させるスタンスを持っていないと、インサイト営業を進めてもうまくいかない可能性があります。
具体的には、地域密着型企業や創業者が経営しているような企業は、理念やビジョンの優先度が高い傾向にあります。そのためインサイト営業のターゲットにしても良いでしょう。
一方で、明らかな営利追求を目指している企業や、経営者の任期が予め決まっているグループ企業などには、インサイト営業の効果は発揮されないかもしれません。そのため、ターゲット企業として相応しいか吟味する必要があります。
観点②:管理職や経営層のパッション
インサイト営業は、理念やビジョンの実現を支援する未来志向の営業です。そのため、お客様がまだ見ぬ未来に対して熱量高く仕事をしている場合、インサイト営業での支援が効果的である可能性が高いです。
具体的には、理念やビジョンの実現に燃える経営層がいる企業はもちろんですが、仕事に情熱的で変革心のある管理職層がいる企業もターゲットになり得るでしょう。
観点③:企業のポテンシャル
企業は、理念やビジョンを中長期的な視点で実現していくことを目指しています。この前提には、短期的な目標に追われることなく、中長期的なプランを考えられるだけの企業としてのポテンシャルの存在があります。
そのため、インサイト営業のターゲット企業の選定の1つの基準は、お客様のビジネスが成長していて、今後も発展していく可能性が高いことがあげられるでしょう。
インサイト営業のターゲットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>インサイト営業のターゲット選定方法とは?インサイト営業の基本も合わせて解説!
進め方② アポイントメントの取得
インサイト営業を実践する上での壁の1つは、お客様の経営層からアポイントメントを取得することです。
インサイト営業は、お客様の経営層から理念やビジョンをインタビューし、その価値観を深堀していきます。
そのため、営業担当者はこのインタビューを前にお客様の経営層からアポイントメントを取得しなければならなりません。その際に注意しなければならない点をご紹介します。
ポイント1:目的の明示
お客様の経営層からアポイントメントを獲得するためには、アポイントメントの目的を正確に伝えるようにしましょう。
具体的には、「御社の理念やビジョンにそった提案をしたいと考えております。そこで、ぜひ経営理念やビジョンをお伺いできませんか?」といったフレーズが良いでしょう。
ポイント2:ご挨拶を目的にしない
アポイントメントを取得する際に、「ご挨拶」を目的にすることは極力避けるようにしましょう。その理由は単純で、「ご挨拶」を目的にしたアポイントメントを依頼された場合は断りやすいからです。
まとめると、お客様の経営層からアポイントメントを取得する際には、ご挨拶を目的にせずに提案と紐づけた目的をストレートに伝えるようにしましょう。
インサイト営業のアポイントアポイントメント取得について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>インサイト営業のアポイントメント取得方法!いかにして経営層から商談機会を得るのか?
進め方③ インタビューの実施
お客様の経営層に直接インタビューを実施するインサイト営業ですが、多くの営業担当者はこの経験がありません。実際に、営業担当者からは「経営者と話をした経験がない」「経営者と何を話して良いかわからない」といった声があがっています。
そこで今回は、具体的なトーク例をセットに、お客様の経営層との対話の観点をお伝えします。
観点1:理念
ヒアリング例①:「創業以来持ち続けている大切な想いや価値観は、どのようなものですか?」
ヒアリング例②:「創業以来、社員の方々に常々伝えていることはありますか?」
ヒアリング例③:「長期的な視点においても、変化させたくないことはありますか?」
観点2:ビジョン
ヒアリング例④:「将来の事業を、どのように構想されていますか?」
ヒアリング例⑤:「事業の先に見据えているものは何ですか?」
ヒアリング例⑥:「お客様に何と言われて喜ばれたいですか?」
観点3:戦略
戦略の質問は、「どの領域で?」「どんな強みを?」「誰に?」「どんな価値を?」という4つの視点で質問しましょう。
ヒアリング例⑦:「どの領域で、お客様を獲得したいですか?」(どの領域で?)
ヒアリング例⑧:「ならではの強みは何でしょうか?」(どんな強みを?)
ヒアリング例⑨:「どのようなお客様に買っていただきたいですか?」(誰に?)
ヒアリング例⑩:「お客様は何に一番価値を感じていますか?」(どんな価値を?)
インサイト営業のヒアリングについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>「インサイト営業」成功のカギは経営層からのヒアリング!具体的な対話例も掲載!
経営者との対話の観点をまとめた資料はこちらからダウンロード頂けます。
経営者との対話の観点の資料ダウンロードはこちら進め方④ プレゼンテーションの実施
インサイト営業の最後のステップはプレゼンテーションです。
今回は、一般的なプレゼンテーションと比較しながら、インサイト営業のプレゼンテーションを考えていきます。
理念&ビジョンを先に
一般的なプレゼンテーションでは、冒頭に「現状」「背景」などの説明を実施します。一方、インサイト営業のプレゼンテーションでは、お客様の理念やビジョン語ります。
ここでは、進め方③で実施したインタビューにおいてお客様の経営層から聞き出した理念やビジョンをベースに、営業担当者が熱い気持ちを表現します。
体験談で共感を
理念やビジョンを熱く語ることに加えて、プレゼンターである営業担当者自身の体験談を語ることも重要です。なぜならば、体験談を語ることは、お客様の経営層から共感を引き出す可能性を高めるからです。
これらのプレゼンテーションは、株式会社アルヴァスデザインが商標登録をしているビジョナリープレゼンテーション🄬の一部です。気になる方は、ぜひこちらをダウンロードしてみてください。
ビジョナリープレゼン研修の資料ダウンロードはこちらインサイト営業プレゼンについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>インサイト営業のプレゼンとは?経営層の心をつかむ共感性の高いプレゼンのコツ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事は、インサイト営業の基本や意義に加えて、進め方を解説しました。インサイト営業のプロセスにそって解説しましたので、ぜひ1つ1つ確認し、実践につなげてみてください。
また、インサイト営業は、従来の営業の限界を感じたり、ソリューション営業に行きづまりを覚えたりしている方にとって、新しい引き出しになるでしょう。
現在、営業シーンにおいて、価格競争や条件競争に陥っている営業担当者の方がいらっしゃれば、ぜひインサイト営業を実践してみてください。
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。