【例文付き】使えるプレゼンのフレームワーク5選!構成づくりが上手く&早くなる方法を解説!
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プレゼン資料を作るのに時間がかかる、話の組み立て方にいつも手間取る…といった悩みを持つビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか。
特にプレゼンを行う機会が多い方は、毎回プレゼンの準備に手間や時間がかかっていると、他の業務にも影響が出てしまいますよね。
そんな方にぜひ活用してほしいものが、プレゼンの「フレームワーク」です。
プレゼンの目的や内容は毎回異なっていても、「聴き手に効果的に伝えるための構成の作り方」はある程度共通しています。
さらなる肉付けやアレンジは必要ですが、フレームワークを用いることでプレゼンのベースの骨格を簡単に、かつ早く作り上げることができるので、プレゼン準備にかかる時間は格段に短縮されるでしょう。
そこで今回は、ビジネスに使えるプレゼンのフレームワーク5選をご紹介します。プレゼンの構成作りに苦戦している方はぜひ参考にしてくださいね。
プレゼンのフレームワークとは
まずはプレゼンのフレームワークとは何かについて簡単に説明します。
プレゼンの基本構成
一般的なプレゼンは主に以下の3部構成で成り立っています。
- イントロ
- ボディ
- クロージング
プレゼンのテーマや目的など基本的な事柄を説明して聴き手の注意を惹きつけるためのイントロ、プレゼンの内容を細かく説明するボディ、そして内容のまとめや聴き手の今後の行動を促すパートであるクロージングの3つです。
この構成は基本的にどんなプレゼンでも変わりません。これらを踏まえたうえで話の流れを組み立てるための型となるものがフレームワークとなります。
プレゼンのフレームワークの役割
プレゼンのフレームワークにはいくつもの種類が存在しますが、基本的なものをまずは覚えておけばよいでしょう。
ただし、一つのフレームワークを機械的に使いまわせばよいというわけではありません。内容に適していないフレームワークを使ってしまうと、効果を発揮するどころか何を伝えたいかすら分からないプレゼンになってしまう可能性があります。
上司への報告資料、お客様への営業提案資料、セミナー資料など目的やシチュエーションに合わせて使い分けることで、分かりやすく聴き手にも響くプレゼンの構成を作り上げることができるのです。
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ここからは、さまざまなシチュエーションで活かせるプレゼンのフレームワーク5選を厳選して紹介します。
その1:SDS法(汎用プレゼン向け)
SDS(エスディーエス)法とは、「Summary(要点)・Details(詳細)・Summary(要点)」の3つの文字の頭文字をとってつけられたフレームワークの名前です。
その名のとおり、まず要点を簡潔に述べたあとに補足的に詳細について説明し、最後に改めて冒頭でも触れた要点についてまとめる方法です。
SDS法を用いるメリットとしては、最初にプレゼンの目的やテーマを明確に理解してもらったうえで内容についてインプットし、最後に再度概要を説明することで聴き手の記憶に残しやすくなる点でしょう。
シンプルな技法のため、短時間で分かりやすい説明が求められる自己紹介や簡単なスピーチなどに用いられることが一般的です。
【例】簡単な会社紹介
(S:要点)弊社は、あらゆる業種のお客様のオフィス環境を清潔に保つことで、お客様の事業拡大に貢献しています。
(D:詳細)弊社は主な事業として中小企業様向けオフィス清掃を行っています。1日単位の単発のご依頼から週5回などの定期的なご依頼まで、お客様のご要望に応じたサービスを提供可能です。不要な書類処理やロッカー清掃など、今まで従業員の方が業務のかたわらで行っている細かな作業も承ります。
(S:要点)従業員の皆様が本来の業務に集中して取り組めるような職場環境を作りたいという方は、ぜひ弊社のサービスをご利用ください。
その2:PREP法(企画・報告プレゼン向け)
PREP(プレップ)法とは、「Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)」の4つの要素からなるフレームワークで、最も有名なフレームワークと言っても過言ではないでしょう。
ビジネスの場では特に「結論ファースト」とよく言われるように、プレゼンをするにあたって「何が言いたいかを早く明確に示す」ことはとても重要です。
まずは最も伝えたいことを簡潔に述べた後に、どうしてそう言えるかの根拠を述べます。さらに、聴き手により具体的なイメージを持たせるための例を出したうえで、改めて結論をまとめて聴き手の記憶に残すのがPREP法です。
例えば社内でオリジナルの企画についてプレゼンする場合や、調査内容の報告を行う場面で有効なフレームワークと言えるでしょう。口頭で簡単な発表を行う際にも、PREPの順を意識するとだらだらと話が長くなったり逸れたりするリスクも軽減できます。
【例】社内での営業活動報告
(P:結論)今期のエリアAにおける新規契約獲得件数は12件で、契約金額は1,200万円です。前期比120%となっています。
(R:理由)前期から大きく伸びた最も大きな理由の一つとして、先月の展示会への出展があげられます。
(E:具体例)展示会へは今回初出展となりましたが、あらかじめ来場しそうなお客様の業種を絞り込んでそれぞれの業種向けのパンフレットを作成し、その場で簡単に見積もり提案や商談が行える個別ブースをセッティングしました。また社内の技術者も展示会に参加してもらい、営業と技術者が揃ってお客様対応する環境を整えました。
(P:結論)結果として、ブースに立ち寄った約8割の方があらかじめターゲットとしていた業種のお客様となりました。展示会の場でなんと7件の商談が発生、うち3件が契約につながっています。
その3:DESC法(営業提案プレゼン向け)
DESC(デスク)法は、「Describe(描写する)・Explain(説明する)・Specify(提案する)・Choose(選択する)」の頭文字からなるフレームワークです。
聴き手の状況をあえて描写し理解したうえで自らの考えや気持ちを述べます。その後、相手に次の行動を選択させるという流れになっているため、相手に納得感を持ってもらいながら話を進めることができます。
一般のお客様に対して営業提案をする際、お客様が自身では課題に気づけない・可視化できないことも少なくありません。
そのような時に活用したいフレームワークがDESC法です。
お客様の置かれている状況について一緒に整理・理解したうえで解決策の提案を行うため、「こちらの状況をしっかり把握してくれている」というお客様の信頼も得ることができるでしょう。
【例】自社サービスの提案プレゼン
(D:描写する)先日、御社の現場にお邪魔した際、「職場に外国人の方が増えているが、コミュニケーションが取れないため困っている」という話を耳にいたしました。
(E:説明する)御社は研修・育成制度に定評があり、外国人労働者からの人気も高いです。御社が位置する●●市では、外国人労働者雇用推進の動きも高まっていますので、今後外国人労働者の割合が増えてくると考えられます。そのような中で、安全かつスムーズに仕事を行ってもらうためには、必要最低限の日本語能力を身に付けることが必要なのではないでしょうか。
(S:提案する)弊社では外国人労働者向けに、専門の日本人講師が仕事に必要な日本語を学ぶためのレッスンを行っております。
(C:選択する)こちらにパンフレットをご用意しましたので、よろしければ一度ご覧ください。もし興味を持っていただきましたら、現在最初の1か月間無料キャンペーンを行っておりますのでお早めにお申し込みください。
その4:AIDMA法(営業提案プレゼン向け)
AIDMA(アイドマ)法は、「Attention(注目)・Interest(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)」の5つの言葉の頭文字をとったフレームワークです。
元々は米国の著述家であるサミュエル・ローランド・ホールが、消費者の購買活動における心理プロセスに注目して提唱した概念で、その法則は営業提案のプレゼン構成づくりにおいても活用されています。
まずはキャッチ―な言葉などで聴き手の注目を集め、紹介したい商品やサービスについて興味を惹くような特徴を述べます。さらにメリットを伝え具体的な使用イメージを持ってもらうことで、相手の「欲しい!」「買いたい!」といった欲求を刺激するのです。
最後には重要なポイントを繰り返して伝えたり、印象に残るユーザーレビューを紹介したりすることで記憶に定着させ、聴き手の行動を促します。
論理的に物事を伝えたいというよりも、感覚や視覚的な効果も取り入れながら聴き手の欲求を刺激したいといった場面で有効なフレームワークと言えるでしょう。
【例】自社商品の提案プレゼン
(A:注目)「仕事中に眠くなる」「目や腰が疲れて仕事に集中できない」こんな悩みを抱えていませんか?
(I:興味)その症状、仕事で長時間使用する「椅子」を変えることで、スッキリ改善できるかもしれません。
(D:欲求)アンケートをとった500人のユーザーのうち、なんと約8.5割がこちらの椅子に変更したことで仕事の効率が以前よりも上がったと回答しています。
(M:記憶)最近ではその効果が広く認められており、大手IT企業のA社では本社オフィスに300個導入いただきました。
(A:行動)今月末までのご注文いただきますと、定価の30%引きでご購入いただけます。ぜひお早めにお申し込みください。
その5:TAPS法(行動を促すプレゼン向け)
TAPS(タップス)法は、「To be(あるべき姿)・As is(現状)・Problem(問題)・Solution(解決策)」の4つの要素からなるフレームワークです。
DESC法にやや似ている部分もありますが、聴き手に対して理想の姿と現状を示し、そのギャップ(=問題)について客観的に述べたうえで解決策を示す手法です。
聴き手が自分では気づきにくい課題などについて一緒に紐解く姿勢を持ちつつ、自身の推奨する商品やサービスを用いた提案を行えるため、提案営業の場面に向いています。
なお、このようなフレームワークを活用する際の注意点として、聴き手の状況などを説明するときはあくまで客観的な視点で説明することがあげられます。
自身の主張に合わせるために主観的に作り上げた説明をしてしまっては、聴き手の信頼を失ってしまうなど逆効果となる恐れもあります。
【例】自社サービスの紹介プレゼン
(T:あるべき姿)社員の仕事の効率を上げて残業時間を減らしたい、と考えていませんか?残業時間が減ることで、人件費の削減だけでなく、若い世代の離職防止などにもつながります。
(A:現状)しかし、「残業することで頑張っていると思われる」「上司が帰らないので自分も帰りづらい」といった心理が働き、だらだらと長く働いてしまう社員が多いことも事実です。
(P:問題)それは意識の低い社員たちが悪いのでしょうか?実は、こうした長時間労働を生み出す根本原因は「組織の体制」にあります。
(S:解決策)弊社ではそうした組織の問題を根本から解決するための人事責任者向けセミナーを実施しています。実際に導入いただいたA社様では、セミナー受講後の一年間で全社員の平均残業時間が2.5時間削減されたという実績もございます。働き方改革の推進をさらに進めていきたいとお考えの場合は、ぜひ一度弊社のセミナーをご検討ください。
なお、お客様の心を掴むプレゼン手法、ビジョナリープレゼンテーションについて知りたい方はこちらの記事を参照ください。
>お客様の経営層から共感を得られるプレゼンの流れを解説!ビジョナリープレゼンテーション🄬とは?
まとめ
今回は、ビジネスプレゼンに使えるフレームワーク5選をご紹介しました。
プレゼンによって伝えたい内容や聴き手の層などが異なるため、すべての場合にフレームワークを当てはめられるとは限りませんが、一般的なビジネスプレゼンの骨子づくりにおける多くの場面で役立つことは間違いありません。
資料のデザインや話し方も重要ですが、まずは聴き手がスムーズに理解できるような分かりやすい構成がベースになければ、効果的なプレゼンは行えないでしょう。
プレゼン資料作りが苦手、もっとスムーズにプレゼンの準備を進めたいという方は、ぜひご紹介したフレームワークを普段の業務に活用してみてください。
なお、 聴き手の心をひきつけるビジョナリープレンテーションについて知りたい方はこちらから資料ダウンロード頂けます。
参考サイト:
>PREP法とは?説得力を与える話し方の練習方法を例文つきで解説 | Chatwork
>SDS法とは?PREP法・DESC法との違いや例文、活用シーンを解説 | Chatwork
>図解で思考整理 | 富士フイルム株式会社
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Nakamura Yuko
国立大学経済学部卒業後、上場メーカーにて4年間営業企画に携わる。
その後、ライターへ転身し、営業に役立つ記事を含め幅広く執筆中。
お気に入りのカフェでの一人時間を大切にする20代女性ライター