マネジメント
2023.01.28

マネジメントを5つの内容に分けると?必要な能力や成功させるポイントも解説!

こんにちは、宮本です。

本日は、マネジメントの具体的な内容について解説します。

現代ビジネスにおいて、組織の発展に不可欠なことがマネジメントと言われる一方で、「マネジメント能力を高めたい」と悩んでいる、マネージャー職の方々も多いのではないでしょうか?

マネジメント能力を高めるためには、まずマネジメントについて正しく理解しなければいけません。今回は、マネジメントの具体的な内容や必要なスキル、マネジメントを成功させるためにポイントについて詳しく解説していきます。

マネジメントとは

マネジメント(managementは直訳すると、「経営」や「なんとか~する」という意味です。現代のビジネスにおいて、組織の持続的発展には不可欠と言えるでしょう。

はじめに、マネジメントの目的やマネージャーの役割について見ていきます。

マネジメントの目的とは

マネジメントの目的は、「ビジネスで成果を出すこと」です。間違えてはいけないのが、「成果」とは利益を最大化させることだけではなく、お客様を満足させることになります。そして、大切なことは、お客様を満足させることで結果的に利益が上がるという仕組みです。

マネジメントにおける重要項目は、以下の3つになります。

  1. 事業の「定義」を決める:私たちの事業は何かをお客様や市場の視点で決める(お客様は誰かを明確にする)
  2. 「目標」を設定する:組織の目標に沿った個人目標を、セルフマネジメントのために設定する
  3. 自分の「強み」を知る:問題をフォーカスするのではなく、チャンスに目を向ける(強みを洗い出し、強みを伸ばす環境を整える)

マネージャーの役割とは

マネージャーの役割とは、「より少ないインプットからより多くのアウトプットを引き出すこと」です。つまり、チームの生産性を高めることです。

決して、管理することだけが役割ではありません。先ほど確認したように、マネジメントの和訳は「なんとか~する」であり、管理ではありませんControlの訳が「~を管理する」です。

例えば、営業担当者の人数を倍に増やせば売上が倍になる可能性はあるでしょう。特に、労働集約型のビジネスではこの相関関係が顕著に表れます。大切なことは、そこにマネージャーとしての介在価値、付加価値があるかどうか?という視点です。

言い換えると、メンバー一人ひとりの能力を引き出し、チームとしての生産性をどうやって上げてくかを考え、そして実行することが、本当の意味でのマネージャーの役割なのです。
では、生産性を上げるためには何が必要なのでしょうか?

それは、お客様が本質的に望んでいることや自分たちが提供したい価値と、組織のボトルネックを突き合わせながらより良い方向へと進めていくことです。まさに、マネジメント業務の本質だと言えるでしょう。

マネジメント:5つの内容

マネジメントは、主に5つに分類されます。それぞれについて、見ていきます。

その1:目標管理マネジメント

目標管理マネジメントとは、チームとメンバーのそれぞれの目標をリンクさせ、その達成を目指すマネジメントのことです。その際のポイントは、以下2つが挙げられます。

  • ポイント1:メンバー自らが目標を自分事化する
  • ポイント2:メンバー自らが目標の進捗を確認し、軌道修正をする

目標設定や進捗管理の主人公は、マネージャーではなく営業担当者です。この気持ちを、メンバー一人ひとりが保持することが大切です。

結果として、「やらされている感」が生じず、チームの目標達成に貢献しようとする参画意識は当然のように芽生えます。目標管理を設定する際は、以下の点を意識するといいでしょう。

  • 誰が見てもわかりやすく具体的な目標を設定する
  • 目標達成に向けた具体的なアクションプランを描く
  • 目標達成までの期間を明確にする
  • 高すぎず、低すぎないレベルの目標にする

その2:業務進捗管理マネジメント

業務進捗管理マネジメントとは、プロジェクトの計画と実績を比較することに重点を置きます。単に進捗状況を把握するだけではなく、問題や課題の把握や対策、実行が重要になります。

適切に業務を進捗管理することで、チームに以下の効果があらわれます。

  • 生産性や業績が向上する(メンバーの業務負荷が平準化され、結果生産性が高まる)
  • 納期の遵守(進捗管理をメンバーが共有することで、スケジュールを意識して全員が業務に取り組める)
  • 問題の早期発見(工程ごとの進捗確認を定期的に行うため、プロジェクトの遅れを招く問題や課題が早期に発見でき、適切な対策が打てる)

その3:チームマネジメント

チームマネジメントとは、各メンバーの役割を明確にしてチームを目標達成に導くことです。時間や人員が不足しがちな組織においては、役割分担の仕組みは欠かせません。具体的には、メンバーが動きやすいように調整したり仕組みを作ったりして、一人ひとりが最大限力を発揮できる環境を整えます。

そのためには、以下の視点で業務の棚卸しから始めるのが効果的です。

  • その業務は本当に必要か
  • どの業務に一番時間をかけているか
  • 仕事は平均して振り分けているか
  • メンバーの能力を有効に活用しているか

業務の棚卸しをした上で、メンバーの得意な部分を組み合わせて補完的な関係ができあがれば、組織全体のレベルアップが図れるでしょう。

その4:人材育成マネジメント

人材育成マネジメントでは、他社と差別化して競争優位性を高めるために、一番必要なことは人材の成長であると考えます。人材育成がきちんと行うことができれば、メンバー一人ひとりの仕事の量と質が向上します。また、結果的に、従業員満足度の向上にもつながります。

しかし、人材育成はすぐに結果が出るわけではありません。中長期で取り組む必要があります。「このような人材になりたい」というメンバーのイメージを引き出し、それを共に目指すマネジメントが必要になります。

人材育成マネジメントの大切さは、マネジメントの父と呼ばれているピーター・F・ドラッカーも述べています。ドラッカーの人材育成マネジメントについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

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その5:メンタルヘルスのマネジメント

メンタルヘルスマネジメントとは、メンバーの精神面における健康をケアすることです。職場環境の改善やストレス緩和など、心の健康面のサポートを重視します。

メンタルヘルスマネジメントを実施すると、マネージャーとして以下のメリットが得られます。

  • メンバーに対して正しい認識でサポートできる(メンタルヘルスの正しい知識や対処法を身に付けることで、メンバーに対して適切にアドバイスできる)
  • キャリアアップに役立つ(メンバーの心の不調を未然に防ぎ、活気ある組織に変える人材になる)
  • 自らの心をケアできるようになる(自分自身のストレス状態や悩みに気づき正確に把握できる)

職場で強いストレスを感じている人は、年々増加しています。令和3年度に厚生労働省が実施した調査では、「現在の仕事や職場生活に関して強いストレスを感じている」人の割合は、全体の53.3%を占めています。
参考:厚生労働省:令和3年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況(PDF)

このことからも、企業にとってメンタルヘルスマネジメントは、今後ますます重要になるでしょう。

マネジメントに必要な5つの能力

マネジメントを適切におこなうためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?ここでは、必要な5つの能力について見ていきます。

その1:目標設定能力

1つめは目標設定能力です。

チームが目指す方向を決め、メンバーが適切に業務に取り組める環境を整えます。目標が適切でないとメンバーは不安に感じ、パフォーマンスの低下につながりかねないでしょう。

成果につながる目標を設定し運用するためには、経営方針や事業計画に紐づけることが重要です。

メンバーが自身の目標を達成することが、上位目標(経営方針や事業計画、部門目標など)の達成に貢献していると感じるマネジメントが必要になります。これは、仕事への動機付けにもなります。

その2:進捗管理能力

2つめは進捗管理能力です。

実際に定めた目標に、正しく向かっているかを確認します。目標達成のための計画と実際の進捗状況のずれを確認し、修正することがマネジメントでは欠かせません。進捗管理を適切に行うポイントは、以下の通りです。

  • ポイント1KPIKey Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定する(目標達成におけるプロセスごとの達成度合いを計測するために、定量的な指標を設定する)
  • ポイント2:進捗会議を定例で実施する(メンバーの誤解や勝手な思い込みを是正し、チーム全体で計画に沿ってどの程度活動できているかを確認する。できていない場合は何がボトルネックなのかを共有する)

その3:コミュニケーション能力

3つめはコミュニケーション能力です。

特に、メンバーとの良好な関係を築くことがマネジメントにおいて欠かせません。仮に問題があったとしても、メンバーの状況がしっかりと把握できていれば、サポートやフォローが容易になるためです。

チーム内で普段から話しやすい雰囲気を作るよう心掛け、メンバーの話は最後まできちんと聞き受け入れる姿勢を示しましょう。

その4:業務遂行能力

4つめは業務遂行能力です。

業務を実施するための知識や技術を含む、複合的な能力全般を指します。メンバーだけでは手に負えないトラブルが発生した場合、マネージャー自らが対応しなければならないケースがあるためです。

業務遂行能力は、一般的には以下の方法で高められます。

  • 自分なりの課題を意識する(自分に足りない能力や、伸ばす必要のある能力を明確にする)
  • セミナーや研修に参加する(専門家が作成したカリキュラムで学べるため、自分に足りないスキルが効率的に学べる)
  • 振り返りの時間を持つ(毎日少しの時間をもうけ、良かった点や改善点を言語化することで、日々の成長が可視化されモチベーション維持につながる)

その5:意思決定能力

5つめは意思決定能力です。

利用可能なすべての情報を理解し、その状況に関する適任者と話すことで正しい意思決定が下せるようになります。

意思決定能力には、客観的に考える力と目標達成に向けて物事を考える力を両立させなければいけません。リーダーシップが問われ、組織をより良くするための選択ができるかどうかの鍵となるのです。

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マネジメントを成功させる6つのポイント

組織によって、課題や働く人の価値観はさまざまです。それぞれの組織に応じて、適切にマネジメントする必要があります。昨今のダイバーシティ&インクルージョンの世界的な動きを見ても想像がつきます。これらを勘案した上で、マネジメントを成功させるための6つのポイントについて見ていきます。

ポイント1:環境の変化を受け入れる

1つめのポイントは、環境の変化を受け入れて、変化に対応する力を身に付けることです。今回の新型コロナウィルス感染症は、ビジネス環境を激変させました。

「破壊」を「創造」の機会ととらえ、今までの「当たりまえ」から脱却することが、組織と個人それぞれに今後求められるでしょう。環境変化を受け入れ、変化する能力を身に付けるためには、以下の項目が重要です。

  • 項目1:異質を認める(性別・人種・国籍・年齢・学歴・職歴などを超えた多様性をいかす)
  • 項目2:組織の方向性を定める(目の前の変化に対して手段だけで乗り越えようとせず、組織が進むべき方向を指し示す)
  • 項目3:組織に頼らないキャリア形成をうながす(長期的に知識やスキルを磨き続け向上心を持ち、ビジネスで自己実現を図り組織貢献できる人材を育成する)

予想もつかないような環境の変化をものともせず、状況に応じた対応力を発揮することが、今後のマネジメント業務で求められるのです。

ポイント2:課題と解決策をチームで共有する

2つめのポイントは、業務上の課題と対策をチーム全体で共有すること。情報共有が不足しているチームでは、以下のような問題が発生するためです。

  • 問題1:業務の属人化(この業務はこの人しかできない)
  • 問題2:業務効率・生産性の低下(メンバーが個々で問題解決に取り組まなければいけない)
  • 問題3:チームワークの悪化(どのメンバーが何をやっているかがわからないため孤立を生み、モチベーション低下や不満を招く)

課題と解決策をチーム全体で共有するためには、情報共有不足を解消しなければいけません。もっとも効果的なのは、ITツールの活用です。

チームのITリテラシーに合った使いやすいもので、且つセキュリティに十分配慮したツールを選ぶと良いでしょう。

ポイント3:メンバーに寄り添い適切に評価する

3つめのポイントは、メンバーに対して普段から寄り添う姿勢で接し、適切に評価することです。

人材の多様化や価値観の変化、プレイングマネージャーの増加などが理由で、人材育成に課題を抱えている企業は少なくありません。このような課題を解消する手段としては、適切にフィードバックすることが有効です。

適切にフィードバックすることで、メンバーは自分の課題に対して向き合えます。

評価の際には、前回フィードバックした課題に対して改善できたか、改善するために努力したかを重視しましょう。結果、「適切に評価された」という納得感につながります。

ポイント4:ITを有効活用する

4つめのポイントは、ITツールの活用です。マネージャーの役割は生産性を高めることだとすると、もはや欠かせない存在だと言えるでしょう。

ITツールの活用は、今後企業の以下課題を解決します。

  • 営業・販売力の向上:SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)
  • 人材の強化、育成:Eラーニング
  • 業務効率化:RPA(定期的業務のオートメーション化)

ポイント5:次期マネージャーを育成する

5つめのポイントは、次期マネージャーを育成することです。マネージャーの視点を持つメンバーの存在は、チームのレベルをより高めるでしょう。

「ジュニアボード」をご存じでしょうか?ジュニアボードはアメリカでは主流で、若手リーダーになりえるメンバーを任命し経営計画立案に参加させる制度のことです。

任命したメンバーに、中期経営計画に関するテーマについて経営陣と同じように検討させることで、次世代リーダーを育成します。スキル、考え方、意欲などそれぞれの側面で進化をうながし、後継体制の構築に高い効果を発揮するでしょう。

マネジメントの父と呼ばれたピーター・F・ドラッカーも、人材育成を重要視しています。ドラッカーのマネジメントをベースにした育成について、さらに知りたい方はこちらから資料ダウンロード頂けます。

ポイント6:メンバーが働きやすい環境をつくる

6つめのポイントは、メンバーが働きやすい環境を作ることです。必要以上にストレスを感じる職場は「働きにくい職場」と感じさせ、離職増加につながる恐れがあります。

では、「働きやすい職場」とはどのような職場なのでしょうか?特徴をまとめると、以下の通りです。

  • 特徴1:人間関係が円滑
  • 特徴2:情報共有がスムーズ
  • 特徴3:業務体制にムダがない

メンバーが働きやすい環境を整えると、離職防止のみでなく生産性を高めたり企業ブランドを向上させたりします。マネジメント業務を成功させるための、大きな要素になるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

マネジメントの具体的な内容や必要なスキル、成功させるためのポイントについて解説しました。変化が激しい現代のビジネスシーンにおいて、企業が成長発展し続けるためにはマネジメント力が不可欠です。

設定した目標を実現しようとする意志力、チームを率いるための決断力や行動力、コミュニケーション力を発揮することで、マネジメント力は向上させられます。

ぜひご自身のマネジメントにおいて、当記事を参考にして役立ててください。

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