魅力的なプレゼン資料を作りたい!伝わる資料作りのコツとは?
目次
革新的なアイデアについて周囲に説明したり、魅力的な商品やサービスをお客様にアピールしたりする際にはプレゼン資料を作ることが一般的です。
しかし、いざプレゼンテーション(以下、プレゼン)をしてみると「思ったよりも反応が良くなかった」「ろくに目も通されずに没になってしまった」という苦い経験をするパターンも少なからずあるでしょう。
そもそもアイデアや商品自体が相手にとって興味のない場合もありますが、それらの魅力をしっかり伝えきれなかったことに原因がある可能性も大いにあります。時間を割いて作成したプレゼン資料が効果を成さないのは、非常にもったいないことですよね。
そこで今回は、伝えたいメッセージが適格に伝わる資料の作り方のコツを踏まえて、魅力的なプレゼン資料に仕上げるために意識すべきことを紹介していきます。
伝わるプレゼン資料とは?
そもそも伝わるプレゼン資料とはどのようなものを指すのでしょうか。ここで簡単に2つの特徴を述べたいと思います。
その1:ストーリーが分かりやすい
まず1つ目の特徴は、ストーリーが分かりやすい資料であることです。
ストーリーと言っても物語のような起承転結よりも、最近のビジネスシーンでは、結論を先に簡潔に述べて根拠や事例を補足的に述べていく形式が好まれます。
人間は一気に多くの情報をインプットすることはできず、また一度聞いた話もどんどん忘れていってしまうため、伝えたい情報を無造作に並べていっても相手の印象には残りません。
例えば、自社の新サービスについて新規顧客にプレゼンをする場合、以下のように流れを意識して資料の構成を作るとよいでしょう。
【プレゼンの構成(例)】
- 新サービスの概要(どのような商品か理解してもらう)
- 新サービスリリースの背景(なぜ今回のサービス開発に至ったのかを述べる)
- 新サービスと旧サービスの違い(従来のサービスから何がどれだけ進化しているのかを紹介する)
- 新サービスを使ってできること(お客様にとってどんなメリットがあるのかを強調する)
上記の例では、1.が結論、2~4.はお客様に新サービスへの理解を深めてもらいより興味を惹くための補足部分となります。
商品が魅力的であることや、補足説明がお客様を十分に納得させる内容であることはもちろんですが、お客様にとって違和感のない順で話を進めることも質の高いプレゼンには不可欠なのです。
プレゼンの構成についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
>お客様から共感を得られるプレゼンの構成とは?経営層に向けたプレゼンの型をご紹介!
その2:聴き手のニーズに沿った内容になっている
効果的なプレゼン資料の2つ目の特徴は、聴き手のニーズに沿った内容になっているということです。
時と場合によって聴き手は変わりますが、それぞれの相手の状況は十人十色です。したがってプレゼンによって相手に行動させたいと考えるならば、まず相手のニーズを徹底的に考え抜かなければなりません。
例えば、上期の営業活動について部長にプレゼンする場合、以下のような内容を考慮すべきと考えられます。
【プレゼン作成時に考慮すべきこと(例)】
- 部長は多くの部下を抱えており一人ひとりについてよく覚えていない→簡単な自己紹介から行おう
- 部長は中途入社のため自社での営業経験がない→営業活動の内容について具体的に説明しよう
- 部長は毎日15分刻みのタイトなスケジュールで動いている→プレゼンの時間は15分以内に収めよう
- 部長は社内のペーパーレス化推進を行っている→資料は印刷せず投影のみにしよう
このように聴き手の立場や状況、性格などをできる限り事前に知って配慮しておくと、相手はストレスを感じずに集中してプレゼンを聞くことができるでしょう。
お客様に自社商品やサービスについてプレゼンする際も、相手がすでに知っていることは適度に省略する、反対に理解していないことについてはかみ砕いて説明するなどの工夫が重要となります。
ビジョナリープレゼン研修の資料ダウンロードはこちら伝わるプレゼン資料作成のコツ
ここからは、伝わるプレゼン資料を作成する際のコツを全部で4つ紹介していきます。資料作成の手順がよく分からないという方はぜひ参考にしてください。
その1:ゴールを意識して導線を作る
伝わるプレゼン資料作成に重要なのは、まずゴールを意識して導線を作ることです。
どんなプレゼンにも必ずゴール(目的)があります。例えば、お客様に商品を買ってもらいたい、サービスの契約を更新してほしいといったものです。
資料作りに集中していると途中でゴールを見失いがちです。そのような資料の場合、相手から「結局何が言いたかったの?」と思われかねません。
まず見出しを作る段階で、ゴールに向かってどう相手を誘導していくと有効かを考え抜きましょう。
お客様に商品購入の決断を促すことが目的であれば、商品についての説明や良さだけではなく購入方法や購入期限なども明確に示し、お客様の決断を後押しするような誘導をすることが大切です。
その2:1スライド1メッセージを徹底する
プレゼン資料を作成する際は、1スライド1メッセージを徹底することも意識しましょう。
プレゼン資料は、必要な情報を簡潔にわかりやすく伝えるためのツールです。したがって情報を詰め込み過ぎて何が言いたいのかわからない、という資料は失敗と言えます。
情報の不足があってはあとから相手から責められはしないか、と心配になるかもしれません。
しかしプレゼンの場においては、メインの情報だけを資料に盛り込み、その他の情報については口頭でよいものは口頭で、文字に起こしたいものは補足資料としてプレゼン資料の最後に添付することがベターです。
プレゼン資料はいわば自分のメッセージの「要約書」であり、「ガイドブック」ではありません。最も相手の心に響かせたい内容を厳選して盛り込むようにしましょう。
その3:聴き手の視点に立って内容を組み立てる
伝わるプレゼン資料の特徴でも触れましたが、聴き手の視点に立って内容を組み立てることが「伝える」ためには必要です。
聴き手の立場や所属、自分との関係性、性格などさまざまな要素を考慮したうえで、プレゼン資料に入れ込む内容やその濃度などを決定する必要があります。
お客様にプレゼンをするとき、聴き手の中に購買決定権のある人物がいるかどうかで、プレゼンの仕方は変わりますよね。購買決定権がない人しかいないプレゼンの場で、「今すぐ買ってもらえたら半額です!」というプロモーションは行えないはずです。
相手が担当者レベルであれば、上司への決裁に○日程度はかかるだろう、などと予測して余裕を持ったスケジュールで案内をすべきでしょう。
万が一事前に相手の情報がつかめない場合は、いくつかの資料のパターンを用意し、直前に適切なものを使用するという方法もあります。
その4:聴き手を惹きつける見せ方を意識する
最後に紹介する伝わるプレゼン資料づくりのコツは、聴き手を惹きつける見せ方を意識することです。
多くのビジネスパーソンは、日常からプレゼンを聞く機会にあふれており、正直なところ平凡なプレゼンには飽き飽きしているはずです。
そのような中で自分のプレゼンをワクワクした気持ちで聞いてもらうためには、聴き手の期待を良い意味で裏切るような要素を入れ込むとよいでしょう。例えば以下を意識して取り入れてみてください。
- インパクトのある言葉に言い換える(例:これまでにない斬新なカメラ→プロ写真家○○がうなったカメラ)
- プレゼンの中に動画や音楽を入れて注意を引く
- 紹介したい商品やサービスを実演する
あまりにこれらの要素を取り入れすぎると稚拙な印象を与えてしまうため、適切な量・頻度で入れ込むことが重要です。
相手を惹きつけるためのテクニックは、日ごろから街にあふれる広告やキャッチコピーを意識してインプットしたり、話上手な人のプレゼンを観察したりして盗んでおくとよいでしょう。
ビジョナリープレゼン研修の資料ダウンロードはこちらプレゼン資料作りでよくある失敗
ここまで、伝わるプレゼン資料とは何か、そして作成する際のコツなどを解説してきました。
最後にプレゼン資料づくりでよくある失敗を3つ紹介し、効果的な対策についてお伝えします。
その1:最も伝えたいことが不明瞭
プレゼン資料作りの大失敗ともいえるのが、最も伝えたいメッセージが何かわからないことです。
資料を作成している自分自身はプレゼン内容について熟知しているため、聴き手に指摘されるまで気づけずに起こってしまうミスだと言えます。
こうした失敗を防ぐためには、本番の相手に見せる前に何人か第三者にプレゼン資料を見てもらい、感想や指摘をもらうことが効果的です。可能であれば、プレゼン内容について全く知見のない人を選ぶとよいでしょう。
その2:資料を見返したときに内容が思い出せない
プレゼン資料はできる限りシンプルであれというのが大原則ですが、相手がその資料を見返した時に内容が思い出せない場合は良い資料とは言えないでしょう。
もちろんメインのプレゼン資料中に情報を入れ込み過ぎることはNGですが、話の理解に必要な情報や記憶しづらい細かい情報については、別途補足資料を用意するとベストです。
ただしあえて詳細を記載せずに連絡先だけを明示しておき、相手からのコンタクトを促すというのもテクニックの1つなので、上手に活用しましょう。
その3:内容以外の箇所で相手の注意を奪う
最後によくある失敗として、プレゼンの内容以外のところで相手の注意を奪ってしまうことがあげられます。
例えばスライドごとにタイトルの位置がずれている、1つのスライドに何種類ものフォントが使われていて気が散る、といったパターンです。すばらしいプレゼン内容であるのに、こうしたデザインや体裁の乱れによって相手の集中力を奪ってしまっては非常にもったいないと言えます。
見た目にこだわりすぎて中身なしでは元も子もありませんが、体裁やデザインといった細かなところも注意深くチェックするようにしましょう。
まとめ
今回は、伝わるプレゼン資料を作るためのコツについて解説してきました。
プレゼンをする相手は十人十色のため、全員に効果的なプレゼンをするための魔法のテクニックは存在しません。しかし、一般的にビジネスパーソンが期待することやストレスに感じることについて事前に理解しておくことは大変重要です。
相手の心に響かせて行動させるようなプレゼンをしたい!という方は、ぜひお伝えしたコツを参考にして明日からの資料作りにお役立てください。
また、お役様の心を掴むビジョナリープレゼンテーションの記事もご参考にしてください。
>プレゼンのやり方を16個のポイントに分け詳しく解説!ビジョナリーなプレゼンで、お客様の経営層を巻き込もう!
参考サイト:これを読めばマスターできる!プレゼン資料の作り方とコツ | Null Japan株式会社
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Nakamura Yuko
国立大学経済学部卒業後、上場メーカーにて4年間営業企画に携わる。
その後、ライターへ転身し、営業に役立つ記事を含め幅広く執筆中。
お気に入りのカフェでの一人時間を大切にする20代女性ライター