営業
2022.08.03

もう古い?ソリューション営業の次に来る「インサイト営業」の進め方を徹底解説!

こんにちは、松下です。

本日は、インサイト営業の進め方について概要をお伝えします。

ソリューション営業を行っているが、これまでのように上手くいかないという声をよく耳にします。

お客様の課題を丁寧にヒアリングし、お客様の課題を確実に解決できる提案をしたのにもかかわらず、競合との「条件競争」「価格競争」に巻き込まれて、結果敗退…、こんなケースが続いている営業担当者様も少なくないのではないでしょうか。

そんな皆様に向けて、本日はこれからの時代の営業スタイル「インサイト営業」についてご紹介していきます。明日からの営業現場で活かせる内容となっていますので、是非、ご一読ください。

本コラムを読む前に、まずは「インサイト営業」のコンセプトを知りたい!という方は、こちらから資料ダウンロードいただけますのでご覧ください。

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それでは具体的な中身を見ていきましょう。

インサイト営業とは?

はじめに、インサイト営業とは何か?についてお話します。

「インサイド営業」と響きは似ていますが、全く別物です。「インサイド営業」は、社内から電話やメールを活用してお客様に営業をかける手法のことです。

お客様のアポイントを獲得するまでが「インサイド営業」で、お客様と商談を行うところからは「フィールド営業」というように部隊を分けて営業することが多くあります。

では、インサイト営業とはどういった営業のことでしょうか?

インサイトとは?

この「インサイト」という言葉ですが、どのような意味かご存じでしょうか?直訳は「洞察」や「直感」という意味です。

インサイト営業とは?

上述した「インサイト」という言葉の意味を考えると分かりやすいのですが、インサイト営業とは「お客様の深い根っこにある考え方を捉える営業のことです。

表層的な目に見えやすい課題を捉えるのではなく、見えにくい考え方、価値観を見るのです。それは、創業者や経営者が持つ理念やビジョンという言葉であらわされます。

つまり、インサイト営業とは、「理念やビジョンを経営層から直接聞き出し、その実現に向けての施策を提案し、実現するまで共に伴走する営業」を指します。

インサイト営業の起源は?

インサイト営業とは、どこで生まれたのでしょうか?

実は、この「インサイト営業」、日本で生まれた営業手法ではありません。米国で生まれ、ビジネス誌「ハーバードビジネス」によって紹介されたことがきっかけで、日本でも普及するようになりました。
>ソリューション営業は終わった 調査が明かす新たな営業アプローチ

日本で普及し始めたインサイト営業の第一人者と言えば、株式会社アルヴァスデザインの代表取締役CVO高橋研氏です。2018年には、プレジデント社より「実践!インサイトセールス」を出版し、大手書店でランキング1位を獲得しました。

高橋氏は、経営者でありながらも、年間200日間は営業活動をしており、まさにインサイト営業を自身で実践してきた人物であると言えます。詳しい高橋研氏のインサイト営業の考えを知りたい方は、こちらをご覧ください。
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インサイト営業とソリューション営業の違いは?

では、インサイト営業は何が凄いのでしょうか?ソリューション営業との比較をしながら考えてみたいと思います。

違い1:捉える次元が異なる

ソリューション営業は「今ある課題」「これから解決したい課題」にフォーカスします。そのため、どちらかというと、短期的な視点となり、業務レベルの話に落ち着く事が多いです。

しかし、インサイト営業は、「実現したい未来」「叶えたいビジョン」にフォーカスします。中長期的な未来を捉えて会話します。話す次元も、「理念・ビジョン」といった上位次元を捉えることになります。

これがソリューション営業との大きな違いです。

違い2:ロジカルVS クリエイティブ

ソリューション営業は「課題」を解決するために提案をします。

「御社の○○という課題を解決するためには○○という製品がぴったりです。なぜなら・・」というロジックになります。理屈重視のため、どの企業も同じような提案になるのが特長です。そのため、「条件競争」「価格競争」に巻き込まれやすいのです。

一方で、インサイト営業は「理念・ビジョン」の実現支援をするという提案の流れになります。

「御社の○○というビジョンを実現するためには、まず○○という施策をお勧めします。」というような形で、未来実現に向けたオリジナルな施策を提案することが多いのです。

理屈での展開というよりも、クリエイティブな提案になります。そのため、競合他社とは異なる提案ができるため勝率も高くなります。

インサイト営業の進め方

インサイト営業は、お客様の理念やビジョンを実現するための営業です。

では、実際にインサイト営業はどのように進めていけばよいのでしょうか。営業フェーズごとに大切なポイントを交えて説明していきます。

1:ターゲット企業の選定

まず、インサイト営業を進める上で行うべきことは「ターゲット企業の選定」です。これは、インサイト営業を成功させるための第一歩とも言えます。

ターゲティングを行う上で、大切にしていただきたい観点は3つです。

一つずつご紹介していきます。

ポイント①:理念やビジョンの重要度

インサイト営業は、「お客様の理念やビジョン」の実現を支援します。そのため、お客様およびお客様企業自身が「理念やビジョンの実現」を最優先に考えていることが大切です。

まずは、理念やビジョンがどの程度重要視されているかを見極めてターゲティングしていきましょう。

ポイント②:情熱的な管理職者の有無

インサイト営業は、「お客様の価値観」を深く掘り下げていきます。そのため、企業の変革や未来に対して、情熱を持って仕事をされている管理職の方がいるかどうかは、大切なポイントです。

このようなマインドをもった管理職者・マネージャー層には、価値観を深堀するインサイト営業がヒットするでしょう。

ポイント③:企業のポテンシャル

インサイト営業は、短期的な目線ではなく、理念やビジョンの実現のために中長期的な目線が必要です。

そのため、お客様も「明日の飯」だけではなく、「数年後の理念やビジョンの実現」を優先的に考えることができるだけのポテンシャルが必要になります。インサイト営業を行う上では、企業のポテンシャルは確認しましょう。

2:アポイントメントの取得

ターゲティングが終わったら、実際にアポイントメントを取得していきます。インサイト営業を実践する場合には、お客様の経営層からアポイントメントを取得することになります。

しかし、これは一筋縄ではいきません。そのため、アポイントメントを取得する前に、準備をしっかり行いましょう。

本章では、アポイントメントの取得をする際に、ここだけは押さえたいという2つのポイントをご紹介します。

2-1:「ご挨拶」を目的にしない

まず、アポイントメントを取得する際には、「ご挨拶」を目的にしないということを意識しましょう。

良くありがちなアポイント取得のフレーズとして「ぜひ、一度御社の経営層の方にもご挨拶させてください。」というものがあります。しかし、このフレーズでは、アポイントメントの取得率はあがらないことが多いです。

挨拶を目的とした場合には、「ご挨拶程度であれば、お互い忙しいと思いますので、結構ですよ。」と断られてしまうでしょう。なぜなら、お客様の経営層は忙しいことに加え、昨今のコロナの影響もあり挨拶は割愛する傾向にあるからです。

2-2:アポイントメントの目的を端的に伝える

アポイントメントを取得する際の目的は、「ご挨拶」以外の目的を設定しましょう。

例えば、

「御社へのご提案をさせていただく前に、経営層の方から経営の理念やビジョン、方針などを直接お伺いさせてください。その方が、提案の方向性もブレがなく、御社内でも実施しやすい施策を考えることができます。」

といったような内容が該当します。お客様にとっての価値を明確にし、目的を端的に言語化して伝えましょう。

3:ヒアリングの実施

お客様とのアポイントの取得に成功したら、次はヒアリングを実施します。

インサイト営業を実践する上で、最も重要といっても過言ではないのが「ヒアリング実施」です。

本章では、ヒアリングの内容についてご紹介するとともに、現場で実際に使える具体的なフレーズまで紹介します。ポイントを押さえてヒアリングを実施しましょう。

3-1:ヒアリング内容

まずは、ヒアリングの具体的な内容です。インサイト営業を実践する際に、お客様の経営層から重点的にヒアリングしたい内容は3つです。

具体的には、「経営理念」「ビジョン」「戦略」です。

一つずつ見ていきましょう。

3-1―1:経営理念

まず、経営者にヒアリングしたいことが「経営理念」です。経営者に経営理念を問うことは、経営者の「価値観」を聞き出すことに他なりません。

「これまでの人生で大切にしてきたことは何か」「経営をする至った背景や原体験」または「経営をする上で、何を大切にしているのか」など、「価値観」に触れる質問をすることがポイントです。

具体的フレーズをご紹介します。

ヒアリング例①:「従業員に、常々伝えていることはありますか?」
ヒアリング例②:「日々大切にしている行動指針はございますか?」
ヒアリング例③:「創業時から大切にしているこだわり、文化はございますか?」

3-1-2:ビジョン

次に、経営者が目指す「ビジョン」についてもヒアリングをしましょう。ビジョンとは、「経営者が目指す将来」です。ビジョンについて引き出したい場合の具体的なフレーズを3つご紹介します。

ヒアリング例④:「この事業で実現したいことは何ですか?」
ヒアリング例⑤:「今後、事業の先に見据えているものはありますか?」
ヒアリング例⑥:「お客様に何と言って喜ばれたいですか?」

3-1-3:戦略

最後に、ヒアリングしたいことは「戦略」です。戦略とは、ビジョンを実現するために考えていることです。戦略というと難しく考えがちですが、誰でも上手にヒアリングできる観点が4つあります。

具体的には、「どの領域で?」「どんな強みを?」「誰に?」「どんな価値を?」を聞きます。

ヒアリング例⑦:「どんな分野でお客様を増やしたいですか?」(どの領域で?)
ヒアリング例⑧:「他社と差別化できる強みは何だとお考えですか?」(どんな強みを?)
ヒアリング例⑨:「これから重要視していくターゲット層は、どこですか?」(誰に?)
ヒアリング例⑩:「お客様は御社の何に価値を感じていますか」(どんな価値を?)

3-2:自社の上司や経営層からの協力

インサイト営業におけるヒアリング実施においてもう一つ大切にしたいポイントがあります。それは、自社の上司や経営層から協力を得ることです。

なぜならば、お客様の経営層が商談に出席される際には、自社も階層を合わせ、上司や経営層を同席させると信頼関係構築がスムーズに進むからです。

3-1の経営層へのヒアリング実施の観点を纏めた資料が欲しい方は以下からダウンロード頂けます。

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4:施策の検討

お客様の経営層から「経営理念」「ビジョン」「戦略」を十分にヒアリングした後は、「提案内容」を考えます。

提案内容を作る際に、大切にすべきことは数多くありますが、インサイト営業の実践の際に特に大切にしたい2つのポイントをご紹介します。

4-1.ビジョン実現に向けた施策アイデアを練る

1つ目は、ビジョンを実現する提案内容をクリエイティブに考えることです。ヒアリングでお客様から聞き出したビジョンを実現するために、自社ではどんな支援ができそうか、どんな施策が有効か、という事を徹底的に考えます。

このフェーズでは、新しくアイデアを発想しながら進めていくことも多く、だからこそ、他社とは異なる自社ならではの提案が出来上がります。

4-2.価値観が表出する言葉を提案書に入れ込む

2つ目は、お客様の経営者が発した価値観に触れる言葉を、そのまま提案書に入れ込むことです。表現を変えるのではなく、一語一句そのまま提案書に入れ込むようにしましょう。

提案書内には、「~価値観が表出する言葉~(MMDDA社長インタビューより)」というように表現すると分かりやすいです。経営者が直接発した言葉は、お客様の社内でも影響力が高いため、競合勝率も高まります。

5:プレゼンテーションの実施

提案内容が固まったら、プレゼンテーションを実施します。インサイト営業のプレゼンテーションの特徴は、お客様から聞き出した理念やビジョンの実現を軸に、プレゼンターが語ることです。詳しいプレゼンテーションについては、こちらの記事をご覧ください。

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プレゼンテーションを実施するにあたって、特に気を付けたいポイントを2つご紹介します。

5-1.背景よりもビジョンを先に伝える

インサイト営業におけるプレゼンテーションの冒頭は、お客様から引き出した「ビジョン」を語ります。

多くのプレゼンの場合、冒頭に「提案の背景」を説明することが多いですが、インサイト営業では、それをしません。この冒頭のビジョンの実現に向けての想いを、しっかり表現することを大切にしましょう。

5-2.プレゼンターの経験と重ねる

プレゼンテーションの冒頭でビジョンを語る際に、意識してほしいポイントがあります。

それは、「なぜそのビジョンを実現したいのか?」ということを、プレゼンターの個人的な経験と重ねて話すことです。そのほうが、プレゼンターがいかにビジョンを実現したいのか、という想いがお客様に伝わりやすいからです。

以上、ターゲティング~プレゼンテーションの実施までインサイト営業の進め方を流れに沿ってみていきました。是非、これからの営業にお役立てください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、インサイト営業の進め方についてお伝えしました。

インサイト営業は、これまでのソリューション営業とは異なる営業手法です。理屈だけで構築することができない分、実践することがとても難しい営業手法ではあります。

しかし、不確実性の高まる時代において、インサイト営業は営業の引き出しの一つとして身に付けておくべき営業手法です。お客様の理念・ビジョンの実現を伴走支援する営業をあなたも明日から実践してみませんか?

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