営業
2021.04.20

営業教育会社が効果を実証!研修におけるロールプレイングのやり方〜基礎編〜

こんにちは、松下です。

本日は、教育研修会社を運営する株式会社アルヴァスデザインが効果を実証済みのロールプレイング(以降、ロープレ)のやり方についてお伝えしていきます。

株式会社アルヴァスデザインでは日々、多くの営業担当者へ研修を提供しています。なかでも多くの研修担当者様・受講頂いた営業担当者の皆様にご評価頂いているのが「ロープレ」です。

弊社では、効果を最大限にするためのロープレをトライ&エラーで作り上げてきました。そんなロープレのやり方の基礎を大公開します。応用編は別コラムで紹介予定です。

ロープレとは何か?

ロープレとは何でしょうか? ロールプレイングと辞書でひいてみると、いくつか定義が出てきます。日本大百科全書(ニッポニカ)によると「役割演技。役割を自発的・創造的に演ずることをロールプレイングとよぶ。」と書かれています。

また、DBM用語辞典を調べるともう少しビジネスよりの解説が書かれています。「作成したスクリプトをもとに、お客様との対話を想定し、マンツーマンで社内で実演すること。」とあります。

特に、営業におけるロープレとは、「営業役」と「お客様役」といった形で役割を分け、実際の商談場面などを演じることを指しています。

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ロープレを行うメリット~教育的観点から~

ロープレは営業現場だけではなく、テレアポインターの養成、学校教育の場などで幅広く用いられています。このロープレ、いったい教育的な観点からみてどのようなメリットがあるのでしょうか?

以下に3つのメリットを紹介します。

1.短時間でポイントを絞って習得できる

1つ目の大きなメリットは短時間でポイントを絞って習得が出来るということです。ロープレを行う際には、場面を区切って設定します。例えば、お客様との初めての商談という場面設定だとします。

「その商談の席につきました、会社紹介も終わりました、その続きの会話からやってみてください。スタート!」というように必要なシーンに区切って練習ができるのです。時間も抑えることができ、効率的ですね。

2.具体的な課題(克服すべき点)が明確になる

ロープレを行うと、自分自身の強みと弱みを認識できます。無意識に自身がおこなっている事も、お客様役(またはオブザーバー)がしっかりと観察し、フィードバックを行う事で明確になります。

また、録画をしていれば、自身でその録画の映像を見ながら、言動を振り返る事ができます。フィードバックをもらったり、録画した自分を外から見てみたりする事で初めて、自分の強みや弱みが分かるものです。

言葉遣いや言い回しに関しても、浮彫になりますから、どのように伝えればよりお客様役が価値を感じるのか? など克服すべき点が明確になるのです。

3.反復することで型を習得できる

反復することで型を習得できるというのも大きなメリットです。同じ設定で何度も繰り返しロールプレイングを行うことで、一定の型が身につきます。

最初は、たどたどしかった部分も型を習得した後は自然とふるまうことができるようになるのです。意識せずに自然と言葉が出てくる状態になるまで練習して、自身の型を作り上げてください。 

ロープレの種類

ロープレは、営業シーンごとに切り取って行うことが一般的です。ここでは、ロープレの典型的な種類を紹介します。

電話でのアポイント取得におけるロープレ

電話でのアポイント取得を向上させたい際に行いましょう。電話では、対面と違い声のトーンやスピードといった話術の他、電話を活用する場合のテクニックも求められます。
>電話でアポイントメントを獲得できる例文付き!新規開拓を極めよう!

飛び込み営業でのアプローチにおけるロープレ

飛び込み営業は、最初の数秒がカギを握ります。初対面のお客様に、興味を持ってもらう営業トークがとても大切になります。典型的なお客様を想定して、ぜひ実践しましょう。

ヒアリングの場面におけるロープレ

お客様から、BANT情報や課題を聞き出す際に有効です。また、お客様のどの階層からヒアリングするのかも意識する必要があります。お客様の階層に合わせて、ヒアリングを練習しましょう。

提案・プレゼンの場面におけるロープレ

自社の商品説明やお客様の課題解決の方法を具体的にお伝えするためには、しっかりとしたロープレが必要です。使用する資料の確認だけではなく、ボディランゲージも含めてどのように伝えるのかを確認しましょう。

クロージングの場面におけるロープレ

お客様の購買の意思決定を後押しするのが、クロージングです。クロージングには、キラーフレーズが存在します。しっかりとロープレをすることで、身につけましょう。

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効果的なロープレの進め方

それでは、どのようにロープレを進めて行けばよいのでしょうか? より効果的なロープレの進め方について紹介します。

Step1:準備

まずは、準備です。ロープレの準備に際しては、3つに分類されます。①設定②環境③目的の3つです。1つずつ見ていきましょう!

設定を作る

まずは、ロープレの設定を作りましょう。設定を作る際には次の順番で決めていくとスムーズです。

  1. シーンを決める
  2. 役割を決める
  3. 前提条件を決める
  4. 時間を決める

この4つの設定が整ったら、次に、進みましょう。

環境を作る

実際の場面の環境準備です。なるべくリアルな商談場面に近づくようにテーブルや椅子を配置し、ノート、ペン、かばんなども通常使用しているものを準備します。

目的を明確にする

意外と見落としがちなのが「目的」です。ロープレを行う前に大切なことは、「何を改善したいのか」を明確にすることです。

営業として目指したい像、憧れの先輩や上司と自分のギャップは何かを考え、改善点を見つけましょう。このロープレではここを改善する!とご自身の目的を明確にしておくと成長が実感しやすいです。

「設定」「環境」「目的」この3つの準備が整ったら、次のステップに「実践」に移りましょう。

Step2:実践

続いて、実践です。実践する際には、時間を図るためにストップウォッチやスマホのタイマーなどを使用して時間を計測します。お客様役または、自身のどちらかが会話をスタートし、あとは実際の場面設定に合わせて実演をします。

例えば、弊社ではロープレのスタートは、お客様役が「今日はお越しいただきありがとうございます」と口火を切った後、というような設定を仕込んでスムーズに実践できるようにしています。

また、設定した時間が終わったら、話の途中であっても区切り、そこで終了とします。

Step3:振り返り

無事に、実践が終わったら、振り返りです。すぐに振り返りを行う事がポイントです。今行ったロープレに対して、自分はどのように感じたか?について内省し、振り返ります。

そして、お客様役はどう感じたか?どうしたらより良くなるか?についてフィードバックを行います。

これだけは押さえておきたいロールプレイングのポイント3つ

ロープレには、効果をより高めるためのポイントがあります。何となくロープレを行うのとポイントを押さえたロープレとでは全く成果が変わります。

ぜひ、ここに紹介する3つのポイントを押さえてロープレに臨みましょう。

1.できるまでやる!

ロープレは出来るまでやることが大切です。よくあるロープレのNG例は、お客様役が「○○を改善したほうがいいよ。」と改善点を伝えて終わってしまうことです。

正しいロープレのやり方は、改善点を修正して再度ロープレをできるまでやり続けるということです。

中途半端にできないまま終わってしまうと、結局、大切な基本の型が身につかずに終わってしまい、改善点を残したまま本番を迎えてしまいます。

また何よりロープレで「できた!」という経験をすることが大切です。「できた!」という経験が実際の現場に出た際の自信となり生きてくるからです。

2.短時間で時間を区切る

短時間で時間を区切ることを徹底するとよいです。実際の商談も時間は永遠にある訳ではありません。弊社としては5分程度で区切ることをお勧めしています。あまりに長すぎると、要点を得なくなってしまいます。

また、できるまでやるために長時間を要してしまいます。ポイントを押さえて学ぶためにも短時間で区切って実施しましょう。

3.PDCAサイクルを繰り返し回す

ロープレは、繰り返し行いPDCAサイクルを回していきましょう。

Plan(計画)=ロープレ前に何を話すか営業トークの流れを書き起こす

Do(実行)=実際にロープレを行う

Check(評価)=自身の振り返りとお客様役からのフィードバックをもらう

Action(改善)=フィードバックの内容を反映し、営業トークを改善する

上記のようなサイクルを回していくことで習熟度があがっていきます。

ロールプレイングを行ううえでの注意点

本章では、ロープレを行ううえでの注意点について紹介します。やみくもにロープレを行っても、成果は半減します。

ロープレをより効果的に行うためには、押さえるべき注意点が3つあります。この注意点を押さえてロープレを実施しましょう。

設定はシンプルにする

ロープレの設定はなるべくシンプルにしましょう。

複雑な設定をしてしまうと、設定そのものを読み込むことに力を注いでしまい、本題であるロープレの実践を邪魔することになります。シンプルな設定で進めることがロープレの肝です。

なるべく実際に近い環境で行う

ロープレはなるべく実際に近い環境で行いましょう。普段の営業現場を再現し、リアリティある環境づくりが実践度を高めます。実際とかけ離れた環境で行うと、2つの弊害があります。

1つ目は、「これはあくまで練習だしな……」と何となく本人のロープレへのモチベーションが下がってしまうケースがあることです。

そして、2つ目は、実際に現場に出た際に「あれ、これは未経験だ、どうしよう……」ということで焦ってしまうケースがあることです。

ロープレと現場が近い環境であれば、実際に現場に出た際にも、ロープレした通りにやればいい、と自信をもって落ち着いて対応ができるものです。

振り返りを行う

ロープレを行ったら、すぐにその場で振り返りを行いましょう。振り返りを行わない、または振り返りを後日に行うといったことは典型的なNG例です。ロープレを予定するときには、振り返りの時間の枠も含めて時間を確保しましょう。

また、振り返りを行う際には、まず、ロープレを行った本人がどう思ったか? について自らの口で話すように促すとよいでしょう。

なぜなら、自分が感じた事を話すことで一体何を感じていたか、何が課題だったかを自分の頭にインプットし咀嚼することが出来るからです。

情報を整理するのに役立ちます。その後、ロープレを受けた側(お客様役)は、フィードバックを行うとよいでしょう。

フィードバックは端的に

フィードバックは端的に行いましょう。3つ程度にポイントを絞って行うと効果的です。フィードバックする側は良かれと思って、つい長々とフィードバックを行いがちです。

しかし、フィードバックを受ける側としては、長くなればなるほどほとんど耳に残らないものです。

エビングハウスの忘却曲線によると、20分後には人は言われたことの42%を忘れてしまうと言われています。

フィードバックは、ここは絶対に改善したほうが良いというポイントに絞って分かりやすく端的に伝えることを心がけましょう。

以下に良い例と悪い例を記載しますので参考にしてみてくださいね。

良い例)「Aさんの改善ポイントは3つです。①今より1テンポゆっくりしゃべる。②結論を先に述べる ③お客様の回答を待つ。この3つに気を付けて次回やってみてね。」

悪い例)「Aさん、最初のくだりはすごく良かったんだけど途中から話がとても速くなってしまったね。また、話も何が言いたいか整理がされていなくて、最後まで聞かないと結論が分からなかったよ。それと、私が返事をしようとおもったら、Aさんが話し始めてしまったので話すのをやめてしまったところがあったよ。」

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ロールプレイングを現場で実践してみよう!

ロープレを何度も行い、自分のものにしたら、いざ現場で実践です。ロープレを幾度もやってスキルアップした営業担当者は現場での心の余裕が違います。

お客様にこう言われたらこんなふうに話そうというシナリオが頭に入っていますので、どっしりと構えて商談が可能です。

すると、不思議な事に今までは見えなかったお客様の言葉の裏側や、思いなどを受け取ることもできるようになります。現場で実践しぜひ、ロープレの効果を体感してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ロープレのやり方・注意点・押さえておきたいポイントについて紹介しました。

ロープレは営業現場でより成果を上げるために、活用する価値のある手法です。営業でより成果を上げたい営業担当者は、ご自身の苦戦している営業シーンを切り取って、上司や同僚を相手にロープレをしてみてください。

また、部下に営業力を授けたい営業マネージャーも各商談のシーンを区切ってロープレを行うことで、部下が飛躍的に成果を上げるきっかけになるかもしれません。

ぜひ、それぞれの現場でお役立てください。

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