オンライン営業における【営業トークの実践力】営業シーン別28の例文付き!
目次
こんにちは、石井です。
本日は、「オンライン営業における営業トークの実践力をいかに高めるか」がテーマです。
新型コロナウイルスの影響で、多くの営業シーンで、オンライン営業が使われるようになりました。そこで、多くの企業でまず取り組まれたことがオンライン営業のツール導入です。
例えば、Web会議システムの購入や、外付けマイクやカメラの設置をいそぎました。いざ、オンライン営業が本格化すると、どうでしょうか。ツール面にいかに投資をしても、なかなか成果にはつながらないという声を多く聞きます。
対面営業ではうまくいっていたはずの営業トークが、まったくお客様に響かないのです。それはなぜか?
オンライン営業には、オンライン営業にマッチした営業トークが存在するからです。
>基本編を確認したい方は、こちらから
本記事では、オンライン営業の基本を振り返り、実践力の高め方を解説していきます。
オンライン営業の基本
オンライン営業の基本をおさらいします。
オンライン営業とは?
オンライン営業とは、ZOOMやSkypeなどのWeb会議システムを使って、オンライン上でお客様と商談を実施する営業活動のことです。
対面営業と比べて、オンライン営業にはコミュニケーションの制限があります。具体的には、「視覚」「聴覚」のみでお客様とやり取りをします。そのため、コミュニケーションに一定の制限が発生するのです。
オンライン営業が増加した背景は?
オンライン営業の急増は、新型コロナウイルスの影響であると言って間違いありません。実際に、データでも示されています。
オンライン営業システム「bellFace(ベルフェイス)」の開発・販売事業を行う、ベルフェイス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島 一明)が、全国の営業職の男女500名を対象におこなった「オンライン営業に関する調査」によると、新型コロナウイルスの影響で9割以上の方が「オンラインでの商談機会が増えた」と回答しています。
経営者との対話の観点の資料ダウンロードはこちら営業トークとは?
次に、営業トークの基本もおさらいしましょう。
営業トークとは?
営業トークとは、「あらゆる商談シーンにおいて、営業担当者がお客様に対して話す内容のこと」を指します。あらゆる商談シーンとは、「アプローチ⇒ヒアリング⇒プレゼン・提案⇒クロージング」といった一連の営業プロセス全体のことです。
営業トークを向上させるのは、なぜ?
オンライン営業で成果を創出するためには、営業トークの向上が欠かせません。理由は、対面営業の営業トークをそのまま使っても成果につながらないことが多く、アップデートが必要だからです。
例えば、アイスブレイクをイメージしてください。対面営業では、お客様のオフィスに展示されている商品やサービスをテーマに、お客様理解も深めつつ、互いの緊張をほぐす対話が可能でした。しかし、オンライン営業では、非対面かつ「視覚」「聴覚」に限定された環境下です。
つまり、アイスブレイクをするためには、営業が意図的にアイスブレイクのテーマを作らなければならないのです。このようにオンライン営業にはオンライン営業ならではの営業トークが存在します。次章で、具体的に見ていきましょう。
実践で使える営業トーク28
ここからが本番です。営業トークの実践力について解説していきます。今回は、オンライン営業において、特に重要になる4つのシーンでの営業トークを、例文も交えてお伝えします。
シーン1:アイスブレイク
オンライン営業では、お客様との心理的なハードルが存在しやすいと言われています。物理的な距離があることに加えて、「視覚」「聴覚」という限られたコミュニケーションの中で、人間関係の構築が大変難しいためです。
>オンライン営業の6つのデメリットと解消法!
そのため、アイスブレイクが対面営業の頃に比べもずっと重要になってくるわけです。今回は、3つの観点でアイスブレイクのテーマ作りと例文をご紹介します。
アイスブレイクの観点1:感謝
「ありがとうございます。」と言われることに対して、拒否反応を示すお客様はほとんどいません。そのため、初回訪問や初期段階の商談においては、フィットしやすいアイスブレイクの観点です。
例文①:「先日は、突然の電話にも関わらず、ご丁寧にお話を聞いてくださり、ありがとうございました。」
例文②:「リマインドメールにも、ご返信いただきありがとうございました。」
例文③:「お忙しいところ、本日は機会をいただき、ありがとうございます。」
アイスブレイクの観点2:発見
対面営業では、お客様のオフィスでさまざまな「発見」がありました。例えば、展示されている商品やサービスなどがあります。
しかし、オンライン営業ではこれらがのぞめないため、自ら「発見」の機会を作る必要があります。具体的には、Web会議システムで使用している背景画像やオンライン名刺があげられます。
例文④:「本日使用されている背景画像は、会社ご指定のものでしょうか。」
例文⑤:「背景画像の○○は、何でしょうか。」
例文⑥:「オンライン名刺に記載されている○○は、何でしょうか。」
アイスブレイクの観点3:理解
お客様のことを理解するという観点でも、アイスブレイクのテーマができあがります。
例文⑦:「本日は、どちらからご参加されていますか。」
例文⑧:「本日、お時間をいただけたというのは、何に価値を感じていただけたからですか。」
例文⑨:「本日、これだけは持ち帰りたいというものはございますか。」
シーン2:ヒアリング
オンライン営業においては、ヒアリングにも注意が必要です。対面営業と異なり、オンライン営業では画面越しという制限された中でコミュニケーションをします。
そのため、互いの理解に齟齬が生まれる可能性もあります。認識合わせを都度行う意識を持つと良いです。また、物理的な距離が存在するオンライン営業では、お客様の価値観や想いを理解することは大変難しいと言えます。
これらを聞き出すことは、お客様と営業が心理的に近づくために重要ですお客様と心理的にも近づき、信頼を勝ち取るためには、お客様の「価値観」と「ありたい姿」にフォーカスした質問をしましょう。
経営層から絶大な信頼を得るためには、インサイトセールス!が有効です。関連資料を以下からダウンロードできます。
ヒアリングの観点1:価値観
価値観とは、言い換えればお客様が大切にしている事柄であり、判断や意思決定の軸になるものです。
例文⑩:「仕事をする上で、大切にしているモットーはありますか。」
例文⑪:「ビジネス環境や職場環境が変わっても、これだけは貫きたいという想いはありますか。」
例文⑫:「仕事をする上で、一番燃えるときはどのようなときですか。」
ヒアリングの観点2:ありたい姿
ありたい姿とは、お客様が中長期的に達成したいゴールイメージです。
例文⑬:「この先数年間、何もかもうまくいったとしたら、どのような姿になっていることが理想ですか。」
例文⑭:「個人的にこうなりたい!というビジョンはお持ちですか。」
例文⑮:「理想の姿に向けて、現在何合目くらいでしょうか。」
シーン3:提案・プレゼン
前述した通り、オンライン営業ではお客様との間に認識の齟齬が生まれやすいと言えます。そのため、営業担当者は、お客様との認識合わせを意図的に行い、可能な限り互いの理解をすり合わせる必要があります。
具体的に、提案・プレゼンシーンでは、お客様から「本音」と「反論」を引き出し、それに対するベストな回答をしていくことが求められます。
ポイントとなることは、営業トークの手順です。お客様からいただいた言葉(本音や反論)に対して、まずは受容しましょう。そして、説明や切り返しトークをしていきましょう。
提案・プレゼンの観点1:本音や反論を聞き出す
まずは、お客様から本音や反論を引き出しましょう。このフェーズでは、とにかく聞いて受容することが大切です。
例文⑯:「現時点で、疑問や不安に感じることはありますか。」
例文⑰:「些細なことでも構いません、何かご不満なことはありますか。」
例文⑱:「仮に、本商品をご購入いただいた場合、現場からはどのような声があがりそうですか。」
提案・プレゼンの観点2:本音や反論に受容して、対応する
前述した通り、本音や反論に対しては、まず受容しましょう。それから、営業側の意見を伝えましょう。
例文⑲:「(受容)A様のおっしゃったことは、~という理解であっておりますか。(対応)しかし、~という点については、・・・という見方もできると思いますが、いかがでしょうか。」
例文⑳:「(受容)A様のご指摘は、理にかなっておりますね。(対応)こちらについて、もう少し具体的にお聞かせいただけませんか。」
例文㉑:「(受容)A様のご意見、よく理解できました。(対応)ただ、・・・ということもご検討いただけないでしょうか。」
シーン4:クロージング
クロージングは、営業担当者にとって一番緊張するシーンと言えます。なぜならば、ここで受注するか否かにより、営業の成績が決定するためです。
オンライン営業では、このクロージングがとりわけ難しいとされています。なぜならば、対面営業で、多くの営業担当者が、お客様に熱意を伝えて受注を勝ち取るということをしてきたためです。オンライン営業では、熱意を伝えることが難しく、それ故営業担当者は熱意ではなく、「納得」をお客様から引き出す必要があります。
また、有形商材を扱っている営業担当者にとって、商品やサービスのデモンストレーションが直接できないことは、クロージングをさらに難しいものとしています。今回は効果的なクロージングフレーズをいくつかお伝えします。
クロージングの観点1:if(もし~ならば)を使う
仮の話をすることは、クロージングにおいて常套手段の1つになります。ぜひ、使ってみましょう。
例文㉒:「もし、商品を購入するとしたら、良い面・悪い面、それぞれどのような声があがりそうですか。」
例文㉓:「仮に、今月中にご決済いただくとしたら、弊社がご支援できることはありますか。」
例文㉔:「現時点で、1社を選ぶとしたら、どの基準で、どの会社を選びますか。」
クロージングの観点2:個人的な感想を聞く
クロージングでは、公平性の観点から、お客様が必要最低限の情報しか公開しないことがあります。その場合は、お客様担当者の個人的な意見や感想を聞きましょう。これにより、得られる情報も多いはずです。
例文㉕:「個人的な感覚でかまいません。直球でお伺いしますが、弊社が受注できる可能性はどのくらいですか。」
例文㉖:「A様の個人的な意見としては、どの会社にしようかな~とお思いですか。」
クロージングの観点3:基準を聞く
お客様は意思決定に際して、基準を明確にしているはずです。そのため、基準を聞き、それに弊社の提案が満たしていることを伝えるということも大切です。
例文㉗:「ご決済にあたり、どのような評価基準を設けていますか。」
例文㉘:「コストを抜きにした場合、何にプライオリティを置いて意思決定しますか。」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、オンライン営業における営業トークの実践力を高めると題して、さまざまな例文を交えて実践的な営業トークをご紹介していきました。新型コロナウイルスの影響で、多くの営業担当者がオンラインで商談をしていますが、その難易度は対面営業よりも高いと言えます。
画面越しで、「視覚」「聴覚」のみでコミュニケーションをするオンライン営業では、熱意が伝わりにくいため、いかにして営業トークに磨きをかけて、成果を創出していくかがカギになります。
よくある勘違いは、対面営業の時に有効だった営業トークをそのままオンライン営業でもすべて活用できると思っていることにあります。
実際には、対面営業とオンライン営業は異質なものであるため、オンライン営業はそのための営業トークを準備しておかなければなりません。
オンライン営業の商談のポイントをさらに知りたい方はこちら。90項目のチェックリストに纏めています。
オンライン営業チェックリストの資料ダウンロードはこちら 資料をダウンロードする お問い合わせをする目次
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。