営業
2021.07.14

トップアプローチを成功させる戦術を大公開!すぐに使える営業トーク例付き!

こんにちは、石井です。

今回は、「トップアプローチ」について考えてみましょう。

トップアプローチというと、皆さんはどういったイメージをお持ちですか?

  • 経営者と話すのは緊張する
  • 経営者と何を話せばいいのかわからない
  • 経営者とそもそも話した経験がない

こういったマイナスのイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

確かに、お客様の経営層と商談をする「トップアプローチ」は、普段の営業とは一味違い難しいと感じますよね。

ただ、そんな方でも大丈夫!

本記事では、「トップアプローチ」についてどこよりも詳しく、丁寧に解説していきます。具体的な営業トーク例も付けましたので、ぜひご参考にしてください。

トップアプローチ概論

「トップアプローチ」の技法を確認する前に、トップアプローチの概論を解説していきます。

トップアプローチとは?

まずは、「トップアプローチ」の意味について確認しましょう。

トップアプローチとは、その名の通り「企業のトップ(=経営層)」に「アプローチ」をする営業手法です。経営層は、決裁権を持っているため、営業としてもアプローチしたい対象になるわけです。

トップアプローチが大切な理由

トップアプローチが大切な理由は複数ありますが、今回は「市場環境」と「営業スタイル」の2つの観点から考えてみましょう。2つの観点から、私たちが「なぜトップアプローチをするべきなのか」をご理解いただけるはずです。

観点1:市場環境

早速ですが、問題です。

「40インチの薄型テレビは、いくらで買うことができますか?(国内の大手メーカーの製品に限定)」

答えは、5万円以下です。

「あれ…、思ったより安いな…。」と思われた方は多いのではないでしょうか。実は、現在の市場環境は「売り手」よりも「買い手」が有利な時代と言われており、商品の価値を価格に反映するのが難しいと言われているのです。

私たち営業は、「売り手」です。営業活動をしていると、「買い手」であるお客様から値引きの交渉をされたり、条件の交渉をされたりと、なかなか思うように営業活動ができないということもあるはずです。

そのため、私たちは従来通りの営業を続けるだけではなかなか成果を出し続けることは難しく、新しい営業手法を身につける必要があるのです。

その営業手法こそ、トップアプローチなのです。

観点2:営業スタイル

実は、これまでの日本の社会においても、営業は変化を繰り返してきました。具体的な営業の変化を知ることで、私たちがなぜトップアプローチの技法を身につける必要があるのかを考えてみましょう。

物売り営業

戦後においての営業スタイルは、「物売り営業」が一般的でした。戦後は、多くの粗悪品が流通したため、「ホンモノ」を買いたいという消費者の意識が強かったためです。

個人力営業

バブル期においての営業スタイルは、「個人力営業」が主流でした。接待飲食やゴルフが頻繁に行われ、これらを通してお客様との関係性を築く営業が成果を残すことができたのです。

ソリューションセールス

バブル崩壊後は、「ソリューションセールス」を実践する営業が増えました。「ソリューションセールス」とは、お客様の課題を正確に聞き出して、その解決策を提案する営業手法のことです。しかし、昨今ではこの営業手法を活用しても、なかなか競合に勝つことができない状況が増えています。

インサイトセールス

「ソリューションセールス」に限界を感じた営業は、「インサイトセールス」という営業手法を身につけはじめています。この営業手法は、「トップアプローチ」を実践するものです。お客様の経営層から、直接、理念やビジョンを聞き、それを実現するための提案を行う営業手法になります。

インサイトセールスについてより具体的に知りたい方はこちら。
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トップアプローチができていない理由

では、これだけ「トップアプローチ」をすべきであるということは理解できたのに、なかなかトップアプローチがうまくできないという理由はどこにあるのでしょうか。

弊社は、20142月~20162月に169名の営業からアンケートを取得し、これらを徹底的に分析。

アンケート項目

項目1:顧客経営者と面談をするチャレンジをしているか?

  • 概ねしている
  • 多少している
  • あまりしていない
  • 全くしていない

項目2:顧客経営者へのアプローチを実践しているか?

  • 概ねしている
  • 多少している
  • あまりしていない
  • 全くしていない

項目3:顧客経営層へのアプローチで困っていることは?

  • 顧客経営層の紹介が得られない
  • 顧客経営層が多忙で会ってくれない
  • 顧客経営層と会話をした経験が乏しく不安
  • 顧客経営層と会話をする際の観点がわからない
  • 上司や周囲の協力が得られない
  • その他

アンケート結果

項目1:顧客経営者と面談をするチャレンジをしているか?

  • 『 あまりしていない 』 が 53 %でトップの回答
  • 『 全くしていない 』 と合わせて、 67%がチャレンジをしていない

項目2:顧客経営者へのアプローチを実践しているか?

  • 『 あまりしていない 』 が58 %でトップの回答
  • 『 多少している 』 が 25%
  • 『 あまりしていない 』 と 『 全くしていない 』 を合わせると72%

項目3:顧客経営層へのアプローチで困っていることは?

  • 6% が、 『 顧客経営者と会話をする際の観点が分からない 』 を選択

58.0% の方が 『 顧客経営者と会話をした経験が乏しく不安 』 を選択!結果からわかる推察

顧客経営層へのアプローチは、実際にチャレンジできていない現状があります。

その要因としては、

  • 顧客経営者との会話の観点がわからない
  • 顧客経営者との会話経験がない 

という営業担当者が持つ不安や自信のなさからきているようです。

そのため、顧客経営層との対話の観点やスキルを身につけることで、営業担当者は自信を持って、トップアプローチを実践できると言えます。

アンケート結果の全てをご覧になりたい方はお問合せ下さい。

アポイントメントの取得の心得

トップアプローチをする上での最初のステップは、お客様の経営層からアポイントメントを取得することです。

経営層からアポイントメントを取得することは難しいですが、しっかりと要点を押さえて実践することでアポイントメント取得率を高めることができます。

心得1:「ご挨拶」を理由にするな

お客様の経営層からアポイントメントを取得するためには、「ご挨拶」を理由にするのはやめましょう。確かに、経営層同士で関係を築くために「年末年始のご挨拶」や「表敬訪問」は大切です。

しかし、このようなご挨拶の訪問ができるのは、既にお客様とある程度の関係性が築けている前提です。

また、コロナウイルスのパンデミックによる影響も否定できません。「ご挨拶」を理由にアポイントメントを取得しようとすると、お客様から、「ご挨拶であれば、コロナのこともありますし、結構ですよ。」と断られてしまう可能性も高いです。

心得2:提案につながるアポイントメントを取得せよ!

アポイントメントを取得するためには、「ご挨拶」ではなく、他の理由が必要です。アポイントメントを取得できる画一的な正解はありませんが、お客様に提案をする前段階で経営層から直接話しを聞きたいという趣旨を伝えると、うまくいくことが多いです。

例えば、「御社の経営層のビジョンを直接お伺いした上で、ご提案をさせていただく方が、御社の方向性と提案の方向性がしっかりと一致したものになると思います。」と伝えると良いです。
>アポイントメントの取り方のコツを例文付きで徹底解説!営業研修会社が持つノウハウとは!?

心得3:断られても粘れ!

たとえ経営層からアポイントメントを取得するという場面でも、粘ることが大事です。今回は、お客様からの典型的な断り文句と、それに対する切り返しトークを考えます。

断り文句①:「社長に確認してみます。またご連絡しますよ。」

切り返しトーク例:「ありがとうございます。『ご提案に先立ち、御社のビジョンを直接お聞きしたい。』とお伝えください。また、本件はいつ頃ご連絡をいただけそうですか?」

断り文句②:「社長は忙しいので、なかなかスケジュール確保できないかと…。」

切り返しトーク例:「承知しました。お忙しいですよね。直接社長からビジョンをお伺いしたかったのですが、難しそうであれば、経営層のどなたかでビジョンについて語っていただけそうな方はいらっしゃる。」

断り文句③:「今回は、そこまでしなくても大丈夫ですよ…。」

切り返しトーク例:「今後の御社の方向性を確認した上で、弊社からご提案させていただいた方が、しっかりと御社の方向性にあった提案になると思います。

その他、切り返しトークを知りたい方はこちら。

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経営層へのヒアリング①基礎編(トーク例付き)

経営層へのアポイントメント取得ができたら、次は商談の中で「ヒアリング」を行います。

お客様の経営層に対して、上手にヒアリングをするために、まずは「基礎編」の内容を押さえましょう。こちらは、どの階層のお客様にも活用できるヒアリングになります。

いわば、ヒアリング力を向上させるための土台になりますので、しっかりと身につけましょう。

1.確認する

ヒアリングをする上で最も大切なことは、「お客様の発言をしっかり理解すること」です。この最も大切なことが、実はとても難しいです。営業担当者であれば、これまでに一度はお客様との間で何かしらの認識の齟齬(そご)を感じたことがあると思います。

お客様の発言を正確に理解するためにも、必ず「確認する」質問を投げかけましょう。

1-1:復唱

営業トーク例:「~とお考えなのですね。」

2-3:言い換え

営業トーク例:「つまり、~ということですか。」

2.掘り下げる

お客様の発言をより深く理解するためには、話をより具体化させたり、理由を聞いたりする必要があります。お客様が発言の真意を探ることで、お客様理解は格段に高まります。

2-1:具体化

営業トーク例:「~といいますと…?」

2-2:理由・背景の確認

営業トーク例:「きっかけは何でしょうか?」

3.広げる

お客様のご発言に優先順位をつけて、次にやるべきアクションを明確にしたり、質問によって話の内容を広げたりすることは大切です。

3-1:優先順位の確認

営業トーク例:「お話いただいた中で、最も優先順位の高いものは何でしょうか?」

3-2:その他・拡張

営業トーク例:「他には、何をご検討されていますか?」

経営層へのヒアリング方法②応用編(トーク例付き)

ここからは、いよいよ応用編です。普段の営業トークでは使用しないものも多いですが、しっかりと習得しましょう。

経営層からヒアリングする項目としては、「経営理念」「ビジョン」「戦略」があります。
では、一つずつ見ていきましょう。

1.経営理念

経営層から、理念を直接聞くことで、「会社が何を大切にしているのか」という価値観が見えてきます。これらは提案書を作成する際に、とても役に立ちます。

営業トーク例:「創業のときから、大切にしていることは何ですか?」

2.ビジョン

経営層から、事業の方向性や未来について聞くことで、提案に活かすことができます。

営業トーク例:「本事業の未来をどう描いておりますか?」

3.戦略

主に4つの観点「どの領域で?」「どんな強みを?」「誰に?」「どんな価値を?」で、戦略を聞きましょう。

営業トーク例:「どの分野で、お客様を獲得したいですか?」(どの領域で?)
営業トーク例:「他社に負けない強みは何だとお考えですか?」(どんな強みを?)
営業トーク例:「どのようなお客様に喜ばれたいですか?」(誰に?)
営業トーク例:「お客様何と言っていただきたいですか?」(どんな価値を?)

トップアプローチについてより具体的に知りたい方はこちら。
>トップアプローチを制するものは、営業を制す!具体的な技法を詳しく解説!

トップアプローチ力を高める研修3選!

前章まで、トップアプローチで欠かせない「アポイント取得の心得」、「ヒアリングの基本・応用」をご紹介しましたが、これらを体系的に学べる研修はあるのでしょうか。

本章では、トップアプローチのスキルを高める上でおすすめの研修を3つご紹介します。

第一位:トップアプローチ研修(株式会社アルヴァスデザイン)

「トップアプローチ研修と言えば、株式会社アルヴァスデザイン」と自信を持って推薦する2日間のプログラムです。「実践!インサイトセールス!(2018年 プレジデント社)」の著者である高橋研(株式会社アルヴァスデザイン 代表取締役CVO)が自ら実践してきたノウハウを詰め込んだ研修です。通常は2日版ですが、1日版も提供しています。

本研修では、トップアプローチに必要なスキルを身につけることができます。また、登壇する講師は全員トップセールスの受賞経験がある「営業のプロ」です。営業のプロから、トップアプローチのコツを直接学ぶことができる研修です。

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第二位:顧客の未来を見える化させるトップアプローチ実践(株式会社アイ・ラーニング)

1日間のプログラムです。ケーススタディを活用して学習します。座学とロールプレイングの両方を組み合わせながら、スキルを高めることができます。

>顧客の未来を見える化させるトップアプローチ実践研修はこちら
>株式会社アイ・ラーニング

第三位:トップアプローチ研修(アスクラボ株式会社)

2日間のプログラムです。経営層と対話する上での財務の知識を中心に学習します。

またこれらの知識を活かして、どのように提案書を書くのかも学ぶことができます。
>アスクラボ株式会社

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、「トップアプローチ」を解説しました。

トップアプローチは、とても難易度が高く、なかなか成功するものではありません。トップセールスであっても、うまくいかないことがある…、そのくらい難しい営業です。

しかし、しっかりと営業スキルを身につけることで、少しずつでもお客様の経営層と対話ができるようになっていくはずです。そうすれば、徐々に他社の営業担当者とも差別化できます。

本記事でご紹介させていただいた営業トーク例も活かしつつ、ぜひ現場でトップアプローチを実践してみてください。

合わせて経営者との対話の観点について知りたい方はこちら。

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