営業人材の育成の方針と戦略的アプローチの具体的な方法
目次
こんにちは。島谷です。
本記事では、営業担当者の育成方法や目標設定の仕方を詳しく解説します。企業の成長に必要な売上向上のために、営業人材の育成は欠かせません。
ただ、一言で「営業の育成」といっても、どのように育成していけば良いのか、育成目標の方針策定やアプローチの方法について悩むことも多いでしょう。
今回の記事を読めば、営業人材の育成における方針策定のやり方や育成期間中の注意点について深い理解を得られます。営業チームのマネジメント方法に悩んでいるリーダーは、ぜひ参考にしてください。
営業人材の育成における方針と戦略の立て方
営業人材の育成においては、次の3つのポイントを軸に育成方針を決定すると良いでしょう。
【営業人材の育成の方針策定3つのポイント】
- 長期的ビジョンを設定する
- 営業担当者の強みや弱みを活かして育成方針をカスタマイズする
- 効果測定可能な定量目標の設定とフィードバックサイクルの構築
ポイント1:長期的ビジョンを設定する
営業人材を育成する場合は、「長期的なビジョン」を設定するようにしましょう。「営業の育成」というと、目先の売上向上など、短期的なビジョンを設定しがちです。
継続した営業成績を出し、営業社員のモチベーションを維持するには、一人ひとりが共感できる長期的なビジョンの設定が必要不可欠です。
具体的には、市場の動向や会社の将来像などを踏まえ、どのような営業力が必要なのかを洗い出し、その実現に向けた育成プログラムを策定するようにしましょう。
また、変化の激しい市場環境に合わせ、営業育成プログラムを臨機応変に変更していく柔軟性も必要です。
ポイント2:営業担当者の強みや弱みを活かして育成方針をカスタマイズする
個々の営業担当者は、異なる強みや弱みを持っています。画一的な育成方針では、個々のポテンシャルを十分に引き出すことは難しく、全体的なボトムアップの実現は困難です。
個々の営業担当者の強みを最大限に活かし、弱みを補うためのアプローチを考え、それぞれの成長スピードに合わせた育成プログラムを構築するようにしましょう。
柔軟な育成プログラムにより、チーム全体のバランスが整い、全員が互いの強みを活かして成果を上げられるようになります。
ポイント3:効果測定可能な定量目標の設定とフィードバックサイクルの構築
営業人材の育成で成果を出し続けるには、定量的な目標設定が必要です。
日々の営業目標値とは異なり「育成目標」となると、能力や行動目標など定性的な目標を設定することも多いでしょう。
しかし、定性的な目標が多くなると効果測定が難しくなり、評価者の主観も入るため納得感が薄れます。
営業人材を育成する際は効果測定しやすいKPI目標を設定し、本人だけではなく営業部全体の納得感が得られる目標が理想です。
目標が明確になったら、定期的にフィードバックできる仕組みも構築しておきましょう。
営業担当者は日々の業務が忙しく、上司からのフィードバックがおろそかになりがちです。年間の評価面談の回数や時期を明確にしておき、評価の仕方を学ぶ評価者研修の実施も検討するといいでしょう。
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営業改革お役立ち資料の資料ダウンロードはこちら新人や若手の営業育成方法3つのポイント
営業人材の育成では、中堅層よりも「新人」や「若手層」への指導がポイントとなります。
新人や若手の営業人材の育成は、経験豊富なメンバーの育成とは異なるアプローチが必要です。
基礎的な営業スキルはもちろん、企業文化や会社全体が目指すべき目標をブレイクダウンし、より実践的なトレーニングを実施しましょう。
ポイント1:商品や営業基礎のオリエンテーションとロールプレイング
新人や若手の営業人材の育成の初期段階では、商品知識や業界知識の習得が必須です。
オリエンテーションを通じて、企業のビジョンや製品・サービスの特徴を理解させましょう。
また、ロールプレイングを取り入れることで、実際の営業シーンを想定したコミュニケーションスキルや対応力を養うことも必要です。
ロールプレイングは「トーク練習」だけが目的になりがちですが、メンバースキルやお客様の状況に合わせた目標を明確にしておくといいでしょう。
さらに、ロープレは「毎朝の歯磨き」のように習慣的に行うのが理想です。目的を明確にしたロールプレイングに真剣に取り組むことにより、現場で即戦力として活躍できる基盤を築けます。
ポイント2:メンターの設定とコーチング
新人や若手の営業人材を育成する場合は、身近な先輩社員をメンターとして設定し、コーチングにより能動的に育てると良いでしょう。
メンターを明確にしておくことで相談しやすい環境が作れますし、メンター自身の育成スキルも向上します。場合によってはメンターの業績目標に、新人育成の項目を設定すると効果的かもしれません。
また、メンターをマッチングする際には、互いの信頼関係が構築できる組み合わせが重要です。常に相談できるように同じチームの先輩社員がベストでしょう。
メンターとは定期的なミーティングを設け、進捗の確認や課題の共有を行うことでスムーズな成長が期待できます。
ポイント3:現場での実践トレーニング
営業の育成は、必ず現場での実践トレーニングを取り入れるようにしましょう。
座学での商品研修も重要ですが、即戦力として活躍してもらうには、現場での実践経験が重要です。
新人や若手の営業人材を実際の営業現場に参加させ、先輩社員と協力して業務を進めることで、現場の空気感が理解でき、組織のコミュニケーションも向上します。
現場でのトレーニングは、メンター社員の負担が増えます。メンターは個人目標の達成と新人育成を両立しなければならないため、上司は目標修正やサポートなどについても配慮するようにしましょう。
営業人材の育成の3つの重要性と背景
営業人材の育成が企業において重視される背景には、次のような背景があります。
- 重要性その1:市場環境の激しい変化とDX時代における営業の役割の変革に対応するため
- 重要性その2:人材不足の深刻化により営業力の向上が急務
- 重要性その3:組織成長のためには営業チーム全体の成長が不可欠
重要性その1:市場環境の激しい変化とDX時代における営業の役割の変革に対応するため
昨今、営業現場を取り巻く環境は激しく変化しており、営業の在り方も時代の変化に応じ柔軟に変えていく必要があります。
また、営業DX化も進む時代においては、SFAやCRMを使った営業など、営業担当者自身がITスキルを備えておくことが必要です。
コロナ渦以降、BtoBやBtoCを問わず、営業の現場では非対面のコミュニケーションが増えてきました。なかにはプレゼンから契約まで、すべてオンラインで完結する商材も少なくありません。
営業担当者自身にも、オンラインツールを使いこなしたり、非対面でも訴求できる資料作成スキルを上げたりと、さまざまなスキル向上が求められます。
その過程においては、SFAを使って自身の営業プロセスを分析し、改善すべきポイントを自ら理解する能力も必要となるかもしれません。10年前の営業とは違い、現在の営業担当者は「常に進化し続けること」が求められているのです。
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オンライン商談のコツの資料ダウンロードはこちら重要性その2:人材不足の深刻化により営業力の向上が急務
労働人口の減少により、営業の現場での人材不足は深刻です。そのため営業には、限られた人数のなかで生産性をあげ、営業担当者ひとり一人のパフォーマンス向上が求められています。
営業人材の育成においても「スキル向上」「タイムマネジメント」などの教育が不可欠です。営業に属するスタッフ全員が定期的にトレーニングやeラーニングを受けるなど、継続した教育プログラムが必要となります。
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営業研修ラインナップの資料ダウンロードはこちら重要性その3:組織成長のためには営業チーム全体の成長が不可欠
企業が収益を上げ成長していくには、営業チーム全体の成長が不可欠です。古参の営業担当者だけが優秀な実績を上げる組織は、いつか限界を迎えます。
営業担当者一人ひとりが成長しボトムアップを図るには、組織全体での育成体制が大切です。教育プログラムや育成体制を考えるときは、チーム全体での学び合いや協力ができる工夫があると良いでしょう。
知識や情報を共有する文化を築くことで、チーム全体のシナジーを生み出し、企業全体の競争力が高まります。
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営業育成のゴールとは?育成期間の設定と理想的な評価のサイクル
営業育成においては「いつまで育成すればいいのか?」「どのように評価すれば育成の効果が出るのか?」など、さまざまな疑問もあるでしょう。
営業育成において、明確なゴールの設定や理想的な評価サイクルの構築は必要不可欠な要素です。これらの要素をどのように設定し、管理していくかについて詳しく解説します。
目標達成に向けた現実的な育成期間を設定する
育成期間の設定は、現実的な目標達成が見える範囲で行うことが重要です。例えば「ベテランメンバーのように常に100%達成をゴールとする」など過度な期待をしてしまうと、メンバーのモチベーション維持も難しくなります。
段階的に目標を上げ「及第点になれば育成プログラムを変更する」など、臨機応変に対応するといいでしょう。
進捗の定期的なモニタリングと目標修正
育成期間中の進捗確認やモニタリングは欠かせません。適切な評価期間を設定し、定期的なフィードバックを通じて、メンバーのコミットメントを高めましょう。
育成担当者からフィードバックするときは、高圧的な指導は避け、できるだけ能動的に答えを引き出すようなコーチングが理想です。
具体的には、目標達成している部分を称え、改善すべきところはどのようにすればうまくいくのか?という目線でメッセージすることが重要になるでしょう。
まとめ
営業人材の育成は、組織全体の成長を目指すために重要な取り組みです。
明確な方針を策定し定期的なフィードバックを継続していけば、きっと組織全体の営業成績も向上するでしょう。
営業人材の育成は、柔軟性も求められます。特に、新人や若手層は人により目指すべきビジョンも違えば環境も異なります。「昔はこうだった」といった古い考えは捨てて、個々の個性やスキルにあった育成プログラムを組むようにしましょう。
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島谷 大輔
通信系の営業を専門として、BtoBおよびBtoCの両方を経験。
プレイヤーのみならずマネジメント経験も豊富。
自身の営業経験をもっと多くの人に届けたいという想いが強い。