営業
2023.03.15

営業を楽しむために!インサイト営業の実践とノウハウ!

こんにちは、石井です。

今回は、インサイト営業の基本的な内容から具体的なノウハウまで解説します。

皆さんは、インサイト営業をご存じでしょうか?インサイト営業とは、ソリューション営業の次に来る営業手法として注目されており、「お客様に先回り提案をする未来志向の営業」のことです。

日本におけるインサイト営業の第一人者は、高橋研氏株式会社アルヴァスデザイン 代表取締役CVO)です。

著者である「実践!インサイトセールス(2018年 プレジデント社)」は、多くの営業担当者に読まれ、インサイト営業のパイオニアとして高橋氏は多くの講演や研修・セミナーも実施しています。

本記事では、インサイト営業を心から楽しんでいただくために、インサイト営業の基本から実践で使えるノウハウを解説します。

今、「営業が楽しくない」「営業に苦戦している」「新しい営業手法を知りたい」という方は、ぜひ読み進めてみてください。

インサイト営業とは?

インサイト営業をはじめて知ったという方のために、まずはインサイト営業の基本を確認していきましょう。

インサイト営業の基本

「インサイト」とは「洞察」や「直感」を意味します。

インサイト営業とは、お客様の深層心理までを考え提案活動をする営業のことです。インサイト営業は未来視点であり、お客様と未来を共に描き、その実現施策を支援していくプロデューススタイルの営業です。

特に、インサイト営業ではお客様の経営層との関わりを大切にしています。企業の未来を創る中心的な人物は経営層であるからです。経営層と一緒に未来を構想していく営業が、インサイト営業とも言えるのです。

ソリューション営業との違いとは?

ソリューション営業とは、お客様の課題に焦点を当てるのに対して、インサイト営業はお客様の未来のありたい姿の実現に焦点を当てます。

ソリューション営業は課題解決型であるのに対して、インサイト営業は未来創造型と言うことができるでしょう。

当然ですが、未来の姿とは誰にもわかりません。だからこそ、未来は私たちで構想しなければなりません。では、企業の未来を構想するのは誰か?それは紛れもなく経営層の仕事です。

インサイト営業は未来を創造する経営層に伴走支援する営業なのです。

インサイト営業は競合勝率が異常に高い!

インサイト営業を実践すると、競合勝率の高さに驚かされます。競合勝率が9割を超えることも珍しくありません。そこまで競合勝率が高い理由は、未来を構想する営業過程にあります。

ソリューション営業は、過去や現在の課題を整理するロジカルシンキングが求められます。この弱点は、競合他社と似たような提案内容になり、競合争いが激化することです。

一方、未来を構想するインサイト営業は競合他社の提案と被る可能性はゼロに近いと言えます。そのため、競合勝率が高いのです。

「納得」より「共感」をつかめ!

未来を構想する提案は、お客様に受け入れられるのか?という疑問を持った方もいるはずです。

結論としては、未来を構想するからこそ提案は受け入れられるのです。提案の良し悪しを決定するのは、現代では人間です。人間は、感情的に物事を考え、その後に論理的に物事の筋道を整理します。

名著であるダニエル・カーネルマン氏の「ファスト・&スロー(ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2014年)」で、人間は感情が先で論理が後ということが詳しく解説されています。

上記を前提にすると、インサイト営業の未来創造型の提案は「共感」を生み、「納得」を生むソリューション営業よりも、お客様に選ばれる可能性が高いと言えます。

ただし、インサイト営業の提案書も論理的であることは非常に重要です。なぜならば、人間は「共感」が先ですが、その後に「納得」を求めるからです。

AIにも駆逐されない

現代はAI時代と言われているほど、急加速に多くのテクノロジーが進化し、多くのビジネスシーンで活用されています。そのため、多くの営業がAIに代替えされはじめ、今後もその傾向が加速されると言われています。

このような状況下ですが、インサイト営業という未来創造型の営業は生き残る可能性が高いと言えるでしょう。なぜならば、お客様の経営層と一緒に未来を構想するからです。この過程は、紛れもなくクリエイティブな発想を求められます。

AIに駆逐されないためにも、インサイト営業を身に付ける価値は高いのです。

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インサイト営業の実践的ノウハウ!

インサイト営業を成功させるための実践的なノウハウを、営業プロセスにそって解説していきます。

プロセス1:ターゲット企業の選定

インサイト営業を成功させるために、まずはターゲット企業の選定が重要です。下記の3つの観点でターゲット企業を選定していきましょう。

観点1:理念やビジョンを重要視しているか?

インサイト営業は、お客様の理念やビジョンの実現を支援する営業手法です。そのため、お客様の経営層がどの程度「理念やビジョンの実現」重視しているのかを見極める必要があります。

観点2:情熱的な経営層やマネージャー層がいるか?

インサイト営業は、未来を構想します。未来は誰にもわからないため、「○○のような未来を創りたい」という想いが大切になります。

この未来創造に情熱を燃やしている方がどの程度いるかによって、インサイト営業が成功するかどうかも大きく決まります。

観点3:企業ポテンシャルはあるか?

インサイト営業は未来に視点を当てています。企業の体力がなければなかなかこの思考を継続することができません。

なぜならば、企業ポテンシャルが低ければ、未来よりも現在の収益をどのように改善するかに焦点が当たるからです。そのため未来に向けて充分なポテンシャルがあるかどうかは重要なポイントになります。

プロセス2:アポイントメントの取得

インサイト営業では、お客様の経営層からアポイントメントを取得します。これは簡単なことではありません。また、画一的な正解もないため、営業担当者が苦戦するプロセスの1つです。

ただ、下記の観点を意識することでお客様の経営層からアポイントメントを取得できる可能性が高まります。

観点1:「ご挨拶」を目的にしない

アポイントメントを取得する際に、大切なことの1つは「ご挨拶」を目的にしないということです。

なぜならば、お客様の経営層にとってご挨拶を目的にしたアポイントメントは断りやすいからです。表敬訪問や年末年始のご挨拶も含めて、アポイントメントの目的を再検討してみましょう。

観点2:アポイントメントの目的を端的に伝える

では、オススメのアポイントメントの目的とは何か?それは、「提案に先立って、お客様の経営層からお話を聞きたい」ということをストレートにお伝えすることです。

お客様内での提案が重要であればあるほど、お客様の担当者にとっても失敗が許されなくなります。提案をいただいた後に、社内の稟議でストップがかかってしまうことはお客様にとっても喜ばしいことではありません。

そのため、提案の前段階で経営層の意向を営業側が認識して、それを踏まえて提案していくことが大切です。この考えを端的に伝えてみると良いでしょう。

プロセス3:ヒアリングの実施

インサイト営業では、経営層へ「ヒアリング」が最も重要なプロセスであると言っても過言ではありません。具体的なフレーズまで、しっかりとポイントを押さえましょう。

インサイト営業を実践する上で、お客様の経営層からヒアリングしたい内容は、大きく分けて3つです。具体的には、「経営理念」「ビジョン」「戦略」になります。

実際に、一つずつ見ていきましょう。

その1:経営理念

経営層に経営理念を問うということは、経営者の「価値観」を聞き出すことと同義です。

経営層の「価値観」を理解することは、未来を構想するためのスタート地点を理解することでもあるため非常に重要なフェーズになります。

ヒアリング例①:「従業員に、これだけは守ってほしいと考えている大切な考えはありますか?」
ヒアリング例②:「大切にしている行動指針はございますか?」
ヒアリング例③:「創業時からのこだわりや文化はございますか?」

その2:ビジョン

経営層の「価値観」を理解したら、徐々に対話を未来に向けていきましょう。大切なことは、経営層の「価値観」を踏まえた上で、未来を共に描く視点です。

ヒアリング例④:「事業を通して実現したいことは何ですか?」
ヒアリング例⑤:「本事業での成功とは、どのようなイメージですか?」
ヒアリング例⑥:「お客様がどのように喜ぶシーンを想像できますか?」

その3:戦略

戦略とは、ビジョンを実現するために考えであり、具体的には、「どの領域で?」「どんな強みを?」「誰に?」「どんな価値を?」を聞いていきます。

ヒアリング例⑦:「どんな領域でお客様を増やしたいですか?」(どの領域で?)
ヒアリング例⑧:「他社に負けない強みは何だとお考えですか?」(どんな強みを?)
ヒアリング例⑨:「重要視したいターゲット企業はありますか?」(誰に?)
ヒアリング例⑩:「お客様は御社の何に価値を感じていますか」(どんな価値を?)

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プロセス4:プレゼンテーションの実施

インサイト営業のプレゼンテーションでは、お客様の経営層から聞き出した理念やビジョンの実現を軸に、語り掛けることが大切です。

株式会社アルヴァスデザインが商標登録をしているビジョナリープレゼンテーション🄬は、インサイト営業を実践する上で欠かせないプレゼンテーションの型になります。

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「課題整理」よりも「ビジョン」を先に

多くのプレゼンテーションでは、課題の整理や背景の整理を序盤に持ってきます。これ自体が悪いことではありませんが、インサイト営業のプレゼンテーションでは冒頭に「お客様の経営層と共に実現したい未来構想」を端的にお伝えします。

これにより、お客様から共感を得て、よりプレゼンテーション自体をお客様の身近に感じていただく狙いもあります。

プレゼンターの経験を語れ

お客様が実現したい「ビジョン」に対して、なぜ営業側が応援したいのかを自身の体験談と合わせて語りましょう。

これにより、お客様も「この営業担当者と一緒に未来を構想していきたい」という感情がより芽生えます。この行為は、「共感」にもつながるため、ぜひ実践してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、インサイト営業について解説しました。

インサイト営業は、実践することがとても難しいと言われていますが、まだまだ発展途上の営業手法でもあるため、今から身に付けることで必ず先駆け的な存在になることができます。

インサイト営業の実践では、お客様の経営層からのヒアリングを実施します。今まで、お客様の経営層と対話したことがないという方も、記載した例文にそってぜひチャレンジしてみてください。

このヒアリングのプロセスで、営業担当者がお客様の経営層に大きな共感を示すことは、認められる営業になるための第一歩になります。

お客様の経営層から認められた営業は、大きな案件をつかむことができたり、お客様と継続的な取引を得られたりします。

インサイト営業について、もっと知りたいという方は、インサイト営業のショート動画やコンセプトブックもご覧ください。

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