営業
2022.12.23

営業組織改革を成功させるマネジメントとは!?やるべきことは、たった5つのポイントだけ!

営業組織が目標を達成するためには、マネージャー陣の活躍が欠かせません。当然のことながら、マネジメントをする上での最も大きなミッションは「営業目標の達成」です。

ただ、日々情勢が変わり行くいま、旧態依然とした営業組織のままでは目標達成が難しい局面も多々発生しているのではないでしょうか。安定した営業実績を継続するためには、営業の組織改革が必要不可欠です。

特に、営業組織改革においては、マネージャー陣の手腕が大きく問われます。それだけ、重要な役割があるとも言えます。

営業組織改革は、一朝一夕で成しえるものではありません。個人のスキル向上を支援するのはもちろん、人材配置や営業DXツールの導入など、複数の要因やタスクが絡み合います。

だからこそ、営業組織改革では舵を取る意味でマネジメント能力が求められるのです。

今回は、営業組織改革に取り組むべき理由や、マネージャー陣の役割などについて詳しく解説します。

<この記事のポイント>

  • 営業組織が必要な背景や取り組むべき理由がわかる
  • 営業組織改革の目的とゴールが整理できる
  • 営業組織改革でマネージャー陣が持つべき役割と役立つツールがわかる

営業組織改革が必要な3つの理由

マネージャー陣にとって、最も大きなミッションが「営業目標の達成」です。これを達成するためには、日々変わり行く環境変化に適応して、進化し続けなければなりません。

以下の3つが変革をする上での理由となり得ます。

<営業組織改革が必要な理由>

  1. 市場環境への対応
  2. 働き方改革による業務効率化
  3. 労働人口の減少

特に「労働人口の減少と働き方改革」は、営業組織改革を進める上での重要なポイントと言えます。限られた人数と時間で最高の成果を出すには、営業組織における内外の課題を整理し、根気強く改善していく必要があるのです。

1.市場環境への対応

営業を取り巻く環境は、日々厳しくなってきています。為替の影響や政治リスクなど比較的大きな視点での影響もあれば、新型コロナウイルスの感染リスクといった身近な影響もあります。

このような環境変化の渦中でも、私たちは営業目標の達成に向けて進んでいかなければなりません。

営業を取り巻く環境が日々変わる中では、属人的な営業管理や昔ながらの営業スタイルを継続している組織は、近いうちに市場環境に対応できなくなるかもしれません。このような意味で、営業組織改革が必要になることがあるのです。

2.働き方改革による業務効率化

前述の社会情勢の変化とも連動しますが、働き方改革により業務効率化が求められていることも、営業組織改革が必要な理由のひとつです。

2019年に厚生労働省が発表した働き方改革に関する定義をみると、働き方改革とは「個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できること」となっています。

顧客が非対面での接触を望むケースが増えたように、営業担当者自身も「ZOOMでプレゼンする」「契約手続きはオンラインシステムを使う」など、従来とは違った営業手法を希望するケースも多いでしょう。

しかし、昔ながらの営業手法に固辞している企業の中には「対面でなければ真意が伝わらない」「オンラインではデモンストレーションが難しい」といった声が上がっていることも事実です。

確かに、対面営業でしか成しえないことがありますが、時代の変化に合わせて営業スタイルを変えていくといった改革が求められていることも事実でしょう。

3.労働人口の減少

営業組織改革が必要な3つ目の理由は「労働人口の減少」です。

少子高齢化が進む中、2019年以降の2年間は男女合算でも労働人口は減り続けています。特に男性の減少幅は大きく、2019年から2021年にかけて2年で25万人減っています。

<総務省統計局公式サイト/労働力調査より>

2018年2019年2020年2021年
男女合算の労働人口6,830万人6,886万人6,868万人6,860万人
男性3,817万人3,828万人3,823万人3,803万人
女性3,014万人3,058万人3,044万人3,057万人

データ引用元:総務省統計局公式サイト/労働力調査

労働人口の減少とともに、営業組織では「離職率の高さ」も悩みどころです。「ノルマがキツイ」「目標達成の難易度が高い」と敬遠されがちな営業部門では離職率も高いといっただけでなく、新規採用にも苦慮するケースが多いでしょう。

このような背景から、マネージャー陣は限られたメンバーの強みを活かして組織の生産性を最大化させる必要があります。人員不足をカバーするための個人のスキルアップや、他部署からの人材配置の検討など、人事面の組織改革も必要です。

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営業組織改革の目的と目指すべきゴール

ここまでの内容を見ると、営業組織改革は「効率よく、かつ目標を達成するためだけのもの」と感じるかもしれません。

もちろん、営業組織改革は売上予算の達成には重要な要素ですが、目標達成以外にも下記3つのゴールを見据えて取り組むことが大切です。

<営業組織改革の目指すべきゴール>

  1. 時間効率と目標達成の両立
  2. 人材育成
  3. 組織内における能動的な意識の醸成

    1.時間効率と目標達成の両立

    営業組織改革でめざすべきゴールのひとつ目は、「時間効率と目標達成の両立」です。要するに、「限られた時間で最高の成果を出せる組織」が求められます。

    いくら成績優秀な組織をつくりあげても、残業ばかりして目標を達成するようでは優秀な組織とはいえません。

    残業をせずに営業目標を達成するには、個人のスキル向上はもちろん、SFAなどの営業ITツールの導入やナレッジの共有も大切なポイントになってきます。時間効率を意識するためには、売上達成にかかった所要時間(稼働時間)を見える化すると良いでしょう。

    例えば、売上100万円を達成した社員が2名いたとして、2名それぞれの月間稼働時間を算出し、時間あたりの売上金額を比較してみるといいかもしれません。

    2.人材育成

    営業組織改革に取り組むときは、営業目標の達成以外にも「人材育成につなげる意識」をもちながら進めるといいでしょう。

    営業組織改革では、組織別課題を明確にしたあとメンバー個々のスキル向上、研修体制の確立、マネジメントスキル向上などに取り組みます

    階層別で見ても、下記のような育成効果が得られます。

    • メンバー層…営業知識やスキルを磨くことにより個人のパフォーマンスが上がる
    • リーダー層…メンバーへの関わりや育成を通して将来マネジメント層に昇格するためのスキルが身につく
    • マネジメント層…人員の適材配置や各種ツールの導入など、組織改革に必要なマネジメントスキルが身につき、経営幹部の育成にもつながる

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    3.組織内における能動的な意識の醸成

    営業組織改革がうまく進むと、「能動的に考える組織」ができあがります。

    営業現場では「ノルマ達成にうるさい営業責任者」が組織を統括すると、優秀な実績をあげられるイメージがあります。確かに、上層部から厳しいノルマを掲げて日々強いプレッシャーをかけると、一時的に営業成績はあがるかもしれません。

    しかし、「言われたことだけに従う」営業組織は、優秀な組織とはいえません。厳しい上司が異動してしまうと、急激に数字が落ちることもよくある話です。

    営業組織改革では、メンバー個々が能動的に考えるように働きかけることが大切です。

    能動的な組織へ変革していけば安定した実績が出せるようになりますし、メンバー側からも革新的なアイデアが出るようになります

    営業組織改革におけるマネジメントの役割

    営業組織改革を成功させるには、マネージャー陣の役割がとても重要です。

    組織改革のスローガンだけを掲げて「あとはメンバー任せ」といったマネージャー陣がいる組織では、改革は難しいでしょう。マネジメント側が覚悟をもって組織改革に取り組まないと、「絵に描いた餅」になってしまいます。

    営業組織改革でマネジメント層が担うべき役割は、以下の5つです。

    1. 組織課題の整理
    2. 他部署との調整
    3. 明確なゴール設定と共有
    4. メンバーのメンタルケア
    5. 現場理解

    1. 組織課題の整理

    営業組織改革に取り組む前には、まずは「現状の組織課題」を整理しなければいけません。

    営業実績が低迷しているからといって「低迷メンバーを異動させる」「営業目標値を上げる」などといった短期的な対策をしても、継続的な効果は得られません。

    下記に、営業組織にありがちな課題を整理してみました。営業組織のマネージャー陣は、人材面や目標設定など組織課題をカテゴリ別に分け、自組織の低迷理由がどこにあるのか分析してみるといいでしょう。

    <営業組織にありがちな組織課題>

    人材面

    一部の優秀層だけの実績に頼っている(ボトム層の底上げができていない)

    属人的スキルに偏りがち(ナレッジの共有ができない)

    ・「営業=辛い」といったネガティブなイメージが浸透している
    目標設定

    ・営業目標設定が高すぎる(非現実的)

    目標が多岐にわたりモチベーション低下の原因になっている

    営業進捗管理

    KPIが曖昧で何を目指せばいいのか個人任せになっている

    ・営業KPIの分析に時間がかかる(ITツールが導入されていない)

    商材や
    営業ターゲット

    時代や市場に合わない商材を販売し続けている

    顧客管理が属人的になりがち

    ・フィールドセールスに重きを置きすぎている

    ・WEBやインサイドセールスとの連携が希薄

    2. 他部署との調整

    営業組織改革は、営業部だけで成しえるものではありません。適材適所への人材配置も必要ですしI、KP管理には営業DXツールなども導入しなければいけません。

    例えば、人事面では属人的な営業から脱却するため、人事部と協力してジョブローテーションの制度を取り入れるなどの調整も必要です。

    自組織の営業課題がわからない場合は、経営層と相談して費用をかけても外部コンサルタントに課題抽出とアドバイスを求める方法もあるでしょう。

    インサイドセールスと連携していくには、マーケティング部門やコールセンター部門との調整をする必要があり、営業組織改革におけるマネジメント層の役割は多岐にわたります。

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    3. 明確なゴール設定と共有

    組織課題を抽出して対策を講じていくと、どうしても局所的な課題だけ注力してしまい、全体的なゴールが見えなくなるケースもあります。

    営業組織改革を成功させるには、マネジメント層が「ありたい姿」をイメージし、俯瞰的なイメージをメンバーと共有することが大切です。

    「ありたい姿」は、企業の業態によっても変わってきますが、たとえば以下のようなイメージができるかもしれません。

    <営業組織のありたい姿>

    • 売上目標達成を1年間継続し前年比120%成長を目指す
    • 市場シェア10%から30%を〇〇年までに達成する
    • 売上目標と顧客貢献を通じて社会貢献につなげる

    ありたい姿が決まったら、達成するための目標を月間、週間、デイリー単位で細かくブレイクダウンしていくと良いでしょう。

    大きな目標を達成するためには日々のKPI管理が重要ですから、正確な営業管理ができるSFAなどの導入も必要になってきます。

    4. メンバーのメンタルケア

    組織を変えていく過程のなかで、部署異動や慣れないITツールの導入など、営業メンバーにも精神的負担が大きくのしかかることも多いでしょう。

    営業組織改革の成功の秘訣は「部下が能動的に動いてもらうこと」ですから、管理者は日々のメンタルケアにも気を配ることが大切です。普段の営業実績に対する称賛はもちろん、組織が目指す「ありたい姿」に対し、現時点での進捗を共有することも、メンバーの安心感とやりがいにつながります。

    普段の業績面談とは別に1on1面談を定期的に実施することも効果的です。

    また、後述するエンゲージメントサーベイなども導入し、メンバーのモチベーションを常に把握しておくことも求められます。

    5. 現場理解

    自組織を改革する上では、マネージャー陣が、現場のことをどれだけ理解しているかということも大切になってきます。

    「現場でなにが起こっているのか?」「なにが課題でメンバーがどんな点に困っているのか?」を、マネージャー自ら肌で感じることが大切です。

    また、命令するだけでなく「共に汗を流す」マネージャーはメンバーから厚い信頼を得ることもできるでしょう。組織管理も担いながら自分の数字を追いかけるため、時間や労力も負担がかかります。

    しかし、「答えは現場にある」ことを肝に銘じながら自分でもお客様とやり取りをすることで、常に市場の反応を見ておくことは重要です。

    組織改革や人材育成に役立つツール

    最後に、営業組織改革やそれにともなう人材育成に役立つツールもいくつかご紹介します。

    目指すべき指標が多岐にわたると、どうしても属人的な管理や汎用ソフトでの数値管理には限界がでてきます。「ツール導入と言われても、なにを導入すればいいかわからない」と悩むケースも多いでしょう。

    専門の外部コンサル業者に依頼すれば、営業課題の抽出から必要なツール提案まで、トータルでアドバイスしてくれます。自社で悩むより、専門分野に知見のある会社に相談してみるほうが早いかもしれません。

    SFAなどの営業DX化ツール

    営業組織改革には、SFAなどの営業DXツールは欠かせません。

    先ほどから何度か触れている「SFA」ですが、正式には「Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)」の略で、営業の自動化ツールや支援ツールを意味する略語です。

    組織運営がうまくいかない営業の典型的な例として、「ベテラン優秀層が営業ノウハウを共有しない」ケースがあります。いわゆる「スキルのブラックボックス化」です。

    SFAを導入すれば、優秀層の営業KPIやナレッジの共有ができるため、「なぜ優秀な実績をあげられるのか」「どのような資料でプレゼンをしているのか」など、成功の秘訣を全員が共有できるようになります。

    また、SFACRMなどの顧客管理システムと連動させておけば、ターゲットとしている顧客層に改善の余地はないのかなど、さまざまな視点で改革をすすめることも可能です。

    HRテックやエンゲージメントサーベイ

    営業メンバーの属人化も1つの問題になることがありますが、マネージャー陣のマネジメントスタイルを統一することも大切です。

    • マネジメント層に気に入られた一部の営業担当者だけが称賛される
    • メンバー自身がキャリビジョンを描けておらずマネージャー陣も把握できていない
    • 在留期間の長さや、上司のイメージだけで人事異動が決定する

    上記のような属人的管理を防ぐためには、HRテックやエンゲージメントサーベイなどのツール導入もオススメです。特にHRテックにおいては、タレントマネジメントに特化した機能を重視して導入するといいでしょう。

    営業組織のマネージャー陣は、エンゲージメントサーベイで把握した本人の希望や課題なども反映し、希望のキャリア形成ができるように支援する必要があります。

    まとめ

    市場環境が目まぐるしく変わる中、企業の売上利益を継続して達成するには営業の組織改革は欠かせません。

    今回お伝えしたように、営業の組織改革は単に営業スキルの向上に留まらず、各種ツールの導入や人材配置の検討などマネジメント側が担うべき役割は多岐にわたります。ひと言で「営業組織改革」といっても一朝一夕で成しえるものではありませんが、管理者とメンバーが一体となって改革に臨めば、かならず組織に変革が起きます。

    信念を持って根気強く取り組むことが大切です。

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