インサイトセールスのアポイントメント取得を実践者が解説!お客様の経営層と対話をするコツとは?
目次
こんにちは、石井です。本日はインサイトセールスのアポイントメント取得をどのように進めていくかを解説していきます。
インサイトセールスは、米国で生まれた営業スタイルの1つです。2012年にハーバードビジネスレビューに掲載されることで、日本にやってきたと言われております。
日本での第一人者は、株式会社アルヴァスデザインの代表取締役CVO高橋研氏です。高橋氏は、インサイトセールスを自ら実践するだけでなく、多くの営業担当者にインサイトセールスを教え、結果を残してきました。
これらの結果を踏まえて、「実践!インサイトセールス(2018年 プレジデント社)」を出版し、多くの営業担当者から好評を得ました。
【毎月抽選10名特典付き】インサイトセールスの資料ダウンロードはこちらこのように、現在大きな注目を集めているインサイトセールスですが、本記事ではインサイトセールスの基本に加えて、お客様の経営層のアポイントメント取得について解説していきます。
その前に、ターゲット顧客をどのように選定していけば良いかを知りたいという方は、こちらをご覧ください。
>インサイトセールスのターゲット選定方法を実践者が解説!効果的な進め方の第一歩はここから!
インサイトセールスの基本
アポイントメント取得の解説の前に、まずはインサイトセールスの基本を確認していきましょう。ソリューションセールスと比較すると、インサイトセールスの理解がより進むので、以下の表も合わせてご覧ください。
インサイトセールスとは?
インサイトセールスとは、お客様の潜在的なニーズを引き出し、先回りの提案をする営業です。
ソリューションセールスとの違いは?
ソリューションセールスは、お客様の課題にフォーカスして、その解決策を論理的に提案していく営業です。この営業手法を駆使して、多くの営業担当者が大活躍しました。
しかし、現在では多くの営業担当者がソリューションセールスを実践できるため、なかなか他社と差別化が難しく、しっかり提案しているのに価格競争や条件競争に陥ってしまうケースも珍しくありません。
インサイトセールスを実践する意義
他社との差別化が難しくなってきたソリューションセールスに対して、行き詰りを感じている営業担当者は少なくありません。そこで、注目されている営業こそインサイトセールスです。
では、インサイトセールスを実践する意義は、どのようなものなのでしょうか。
意義①:他社との差別化
ソリューションセールスが、お客様の課題を論理的に解決していくことに主眼を置いているのに対して、インサイトセールスは、お客様の経営層のありたい姿を実現していくことに重きを置いています。
論理的に提案していくソリューションセールスは、他社とも似たような提案内容になることが多く差別化が難しいと言えます。
一方、インサイトセールスは、お客様のありたい姿を叶えるために、クリエイティブな企画を用意して提案していきます。そのため、提案内容が他社と被ることが少なく、価格競争や条件競争にも陥りにくい営業と言えます。
意義②:パートナーの発掘
環境変化が激しい現代のビジネスシーンでは、パートナー企業との結び付きが極めて重要です。なぜならば、ピンチになったときに、協力し合うことこそ、企業が生き残っていくための生命線の1つだからです。
インサイトセールスは、パートナー企業の発掘にも大いに貢献します。インサイトセールスは、お客様の経営層から理念やビジョンを直接ヒアリングします。
このヒアリングの過程において、互いの価値観がマッチするかどうかも精緻に理解することができます。
理念やビジョンに対して、互いに共感が生まれる関係こそ、パートナー企業になるための第一歩です。そのために、インサイトセールスは大きな役割を果たすのです。
意義③:営業担当者のキャリア支援
インサイトセールスは、お客様の経営層から理念やビジョンを直接ヒアリングします。その過程で、経営層の価値観にも触れることになります。
仕事を通じて、優秀な経営層の方の価値観をこれだけ多く聞くことができる職業は、インサイトセールスの実践者しかいません。
多くの優秀な経営層から価値観を聞くことは、営業担当者の視野を広げ、視座を高めることにも大きく寄与します。このような意味で、インサイトセールスを実践する意義は高いのです。
お客様の経営層とのアポイントメント取得
インサイトセールスを実践していくためには、お客様の経営層からアポイントメントを取得して、理念やビジョンを直接ヒアリングしていく必要があります。
ここで大きなハードルになるのが、お客様の経営層とのアポイントメント取得です。これは、一筋縄ではいきません。いくらお客様の担当者と関係構築できていても、なかなかアポイントメント取得につながらないケースが多いです。
しかし、ポイントを踏まえてアポイントメント取得を実践することで、アポイントメント取得の確率を高めることが可能です。では、ポイントを見ていきましょう。
ポイント①:「ご挨拶」を目的にしない
お客様の経営層とアポイントメントを取得する際に、一番多い目的に「ご挨拶」があります。
例えば、新しい商品やサービスを導入していただいたお礼を兼ねてご挨拶をしに行く、年末年始のご挨拶をしに行くなどの目的でお客様の経営層とアポイントメントを取得している営業担当者は多いはずです。
しかし、どうでしょうか?お客様の経営層と「ご挨拶」を目的にアポイントメントを取得できる確率は年々下がってきてはいませんか?
新型コロナウイルスの影響によりテレワークが常態化して、人と人が直接話す機会も減りました。その影響か、ご挨拶という名目でお客様の経営層とのアポイントメントをお願いすると、「互いに忙しいから、メールで結構ですよ。」と簡単に断られることも多いはずです。
ポイントの1つ目としては、「ご挨拶」という目的でアポイントメントを取得することは控えましょう。
ポイント②:提案とアポイントメントの目的をつなげる
では、どのような目的でアポイントメントを取得すれば良いのでしょうか。結論としては、一番アポイントメントを取得できる可能性が高いのは、提案とアポイントメントの目的をつなげることです。
例えば、「次回の提案では、より一層力を入れて取り組みたいと考えています。そこで、御社の理念やビジョンなどの進むべき方向性と合致した提案をしたいと思っています。ぜひ、理念やビジョンを直接お伺いさせていただけませんか。」
というようなフレーズでアポイントメントを取得してみましょう。目的をしっかり伝えることで、アポイントメントの取得率は大きく向上します。
ポイント③:切り返しトークを準備する
ポイント②でお伝えしたように、提案とアポイントメントの目的をつなげても、うまくいかないケースもあるはずです。
特に、お客様の担当者から、「いや~経営層とのアポイントメントは難しいと思いますよ。」というように断られてしまうこともあるはずです。
これに備えて、切り返しトークを準備しておくことをオススメします。切り返しトークは、次章で詳しくお伝えします。
経営層からのアポイントメント取得:切り返しトーク
前提として、お客様にとって自社の経営層を商談の場に連れてくることは簡単ではありません。事前に商談の目的を説明することはもちろんのこと、多忙な経営層の方のスケジュールを確保する必要もあります。
そのため、営業担当者から「御社の経営層の方とアポイントメントを取得させてください。」とお願いされても、なかなかイエスとは言いにくいのです。
このようなシーンでは、お客様は何かしらの理由を付けて、営業担当者のアポイントメント取得を断ります。ここでは、典型的な断り文句に対する切り返しトークを準備したので、ぜひ参考にしてみてください。
断り文句①:「確認して、またご連絡します。」
切り返しトーク例:「ご確認ありがとうございます。『提案に先立って、今後のご意向・大切にしていることをお聞きしたい。』と、○○様(経営層)にお伝えいただけますか?また、いつ頃までにお分かりになりますか。」
断り文句②:「社長は忙しいからな~難しいと思いますよ。」
切り返しトーク例:「そうですよね、お忙しいですよね。もし難しいようでしたら、社長以外の方で、今後の御社の経営状況や、理念・ビジョンについて詳しく語って頂けそうな方はいらっしゃいますか。」
断り文句③:「そこまでしていただかなくても、大丈夫ですよ。」
切り返しトーク例:「今後の御社のご意向をお伺いした上でご提案させて頂いた方が、次回の提案もブレのないものになります。御社にとっても大きなメリットがあると思いますので、ぜひご設定いただけませんか。」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事は、インサイトセールスについて基本に加えて、アポイントメント取得方法について詳しく解説しました。
インサイトセールスを実践するにあたって、大きなハードルの1つがお客様の経営層からのアポイントメントを取得することです。
これは、なかなか難しいことです。もちろん、画一的な正解があるわけでもなく、100%うまくいくアポイントメントの取得方法はありません。
しかし、ご紹介させていただいたポイントや切り返しトークを準備することで、お客様の経営層からのアポイントメント取得の確率を高めることが可能です。トーク例も掲載しているので、ぜひ実践で使用してみてください。
また、アポイントメント取得の次のフェーズである、お客様の経営層からのヒアリングをどのようにしていけば良いかを知りたい方は、ぜひヒアリングのコラムの回をご覧ください。
>インサイトセールスの肝は、経営層からのヒアリング!具体的な対話例も詳しく解説!
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。