最新の営業手法はインサイトセールス!古いソリューションセールスからは卒業を!
目次
こんにちは、石井です。本日はインサイトセールスについて解説していきます。
早速ですが、皆さんは、インサイトセールスをご存じでしょうか。
- 名前だけは聞いたことがある
- 内容を少し知っている
- すでに実践している
これらのどれに当てはまりますか。もし、①または②に当てはまる方であれば、本コラムで大いに学びが促進されるはずです。
また、ソリューションセールスに行き詰まりを感じている方にとっても、インサイトセールスは新しい営業の武器となり得ますので、ぜひご覧になってみてください。
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インサイトセールスの基本
はじめに、インサイトセールスの基本を解説していきます。
インサイトセールスとは
「インサイトセールス」とは、「インサイト」と「セールス」から成る言葉です。
インサイト(Insight)とは、辞書によると「洞察」「直感」という意味があります。この意味を鑑みると、「インサイトセールス」は「洞察営業」や「直感営業」という直訳になります。
もう少し、かみ砕いた表現をすると「インサイトセールスとは、お客様の理念や価値観という潜在的な部分を聞き出し、まだ見えない未来に向けてビジョンを実現していくクリエイティブな営業」と言えます。
頻繁に「インサイドセールス」と間違われることがあります。「インサイドセールス」とは、電話やメールを中心として自社内からお客様にアプローチをかける営業のことで、「インサイトセールス」とは無関係です。
いつ日本に上陸したのか?
「インサイトセールス」は、米国で生まれた営業手法です。2012年「ソリューション営業は終わった」という刺激的なタイトルの元、インサイトセールスがハーバードビジネスレビューに掲載されることで日本に上陸したと言われています。
日本での第一人者は?
インサイトセールスと言えば、株式会社アルヴァスデザインの代表取締役CVO高橋研氏が第一人者と言えます。
営業人材の育成を生業とする会社(株式会社アルヴァスデザイン)を経営しつつ、自身も最前線で営業活動や講師登壇をしており、インサイトセールスを日々実践している点で高く評価することができます。
また、「実践!インサイトセールス(2018年 プレジデント社)」も発売しており、大手書店においてもランキング1位を獲得するといった評価も受けています。
ソリューションセールスとの4つの違い
これまで、多くの営業担当者がソリューションセールスを実践してきました。とりわけ、昨今では競合との激しい戦いを強いられる営業担当者も多く、ソリューションセールスに磨きをかけた方々も多いのではないでしょうか。
しかし、いくらソリューションセールスを極めても、商談の最後には価格競争や条件競争に巻き込まれてしまうという声も頻繁に耳にするようになりました。
では、ソリューションセールスとインサイトセールスは、どのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていくことにしましょう。
表からもわかる通り、ソリューションセールスとインサイトセールスは、ターゲット顧客・事前準備・商談内容・提案内容の4つの観点で大きく異なります。
観点1:ターゲット顧客
ソリューションセールスでは、明確な課題を持っている企業がターゲットとなるのに対して、インサイトセールスでは、理念やビジョンをはっきりと打ち出している企業がターゲットになります。
また、確実に需要が見込める企業よりも、環境変化にさらされており、将来に向けて新しい打ち手を検討したいお客様は、インサイトセールスのターゲットになる可能性が高いと言えるでしょう。
観点2:事前準備
ソリューションセールスとインサイトセールスでは、商談に向けた事前準備も大きく異なります。ソリューションセールスでは、課題の仮説を考えたり、課題を解決するための方法を検討したりすることが、事前準備の大きな役割と言えます。
一方で、インサイトセールスは、理念やビジョンを深く聞き出すための質問を考えたり、仮説を作ったりすることが求められます。
また、お客様がどのような環境の変化にさらされているのかも捉えておくことができると、商談での対話がよりスムーズになるでしょう。
観点3:商談内容
商談において、ソリューションセールスで重要なことは明確な課題の聞き出しと、自社商品やサービスに対しる関心の有無を確認することです。
しかし、インサイトセールスでは、これらを聞き出す以前に、理念やビジョンのヒアリングに重きを置きます。具体的には、お客様から理念やビジョンの実現イメージを聞き出し、どのような環境変化にさらされているのかも確認するようにします。
観点4:提案内容
ソリューションセールスの提案では、聞き出した課題を解決するために、自社の商品やサービスがどれだけ貢献できるのかを論理的に説明する必要があります。
それに対して、インサイトセールスは理念やビジョンの実現イメージを握り合い、変化する環境に対して先回りした提案を実施することが求められます。
インサイトセールスを実践する意義
インサイトセールスは、ターゲット企業の選定から提案に至るまで、ソリューションセールスと大きく異なることをご理解いただけたと思います。では、なぜインサイトセールスを実践する必要があるのでしょうか。その意義に迫ります。
AI時代を勝ち抜くために
昨今のビジネスシーンでは、テクノロジーの台頭から目が離せません。とりわけ、AIの進化がすさまじく、これから多くの仕事がAIに取って代わられる可能性が高いと言われています。
AIに置き換えられてしまう可能性が高い職種に、販売職がランクインしていることはご存じでしょうか。確かに、ソリューションセールスを実践している営業担当者は、いずれ淘汰されてしまうでしょう。
なぜならば、ソリューションセールスとはお客様の課題を解決するための提案をロジカルに考えるものであり、これらの工程はAIが得意とする思考回路だからです。
反対に、インサイトセールスはお客様の理念やビジョンを実現するために、クリエイティブな提案をします。この観点では、AI時代を生き抜くためにインサイトセールスを身に付けておく意義は極めて高いと言えるのではないでしょうか。
真のパートナーを見つけるために
パートナー企業を発掘し、強固なリレーションを築くことは、営業担当者の役割の1つと言えます。
では、パートナー関係とはどのようなものなのでしょうか。それは、単にビジネスにおける取引金額が多いということが第一でしょうか。
確かに、取引金額も大切ですが、真のパートナーとは理念やビジョンを共感し合い、互いに将来に向けて伴走し合う関係ではないでしょうか。では、このようなパートナーをどのように見つけることができるのでしょうか。
それは、お客様の経営層から理念やビジョンを聞き出し、その実現施策をクリエイティブに提案していくインサイトセールスを実践する過程で、パートナー関係は築かれていくと言えます。
営業担当者のキャリア形成をするために
インサイトセールスを実践すると、多くの経営層と理念やビジョンについて対話することになります。これは、数多くの経営層の価値観に触れ、営業担当者の知見の広がりや視座の高まりにも大きく寄与します。
幅広い価値観を知っていることで、営業担当者がマネージャーに昇格した際にも、部下メンバーの多様な価値観を理解し、強みを引き出すこともできるでしょう。
このような意味で、インサイトセールスは営業担当者のキャリア形成にも大きく寄与するのです。
【毎月抽選10名特典付き】インサイトセールスの資料ダウンロードはこちらインサイトセールスの実践方法
ここからは、インサイトセールスの具体的な実践方法に移っていきます。具体的に解説していきますので、しっかり確認してみてください。
実践方法①:ターゲット企業の選定
まず、ターゲット企業を選定しましょう。インサイトセールスが刺さりやすいお客様は、次のような特徴を持っていることが多いです。
- 理念やビジョンを何よりも大切にしている企業
- 創業者やその一族が経営している企業
- 地域密着の企業
これらの企業の特徴に加えて、情熱的な管理職・マネージャーの方にはインサイトセールスがより効果的だと言えます。
実践方法②:アポイントメント取得
インサイトセールスは、お客様の経営層から理念やビジョンをヒアリングします。当然のことながら、お客様の経営層とアポイントメントを設定する必要があります。ここで大切なことは、アポイントメントの目的を明確に伝えることです。
例えば、「経営方針を直接お伺いすることで、理念やビジョンにマッチした提案をすることができます。一度、お時間いただけませんか。」というような声かけをしましょう。
お客様の経営層とアポイントメントを取得する際には、ご挨拶という目的を提示する営業担当者も多いはずです。
しかし、インサイトセールスを実践する上で必要なことは、あくまで経営層からのヒアリングであるため、ご挨拶という名目でのアポイントメント取得は避けましょう。
実践方法③:ヒアリングの実施
インサイトセールスでは、お客様の経営層から「理念」「ビジョン」「戦略」の3つをヒアリングしていきます。具体的なフレーズも確認してみましょう。(経営層との対話の観点ぼたん)
その1:理念
ヒアリング例①:「従業員に対して、常々語り掛けていることはありますか?」
ヒアリング例②:「創業以来、変えていない指針のようなものはありますか?」
ヒアリング例③:「今後も、変えたくないこだわりはありますか?」
その2:ビジョン
ヒアリング例④:「最終的に実現したいことは何ですか?」
ヒアリング例⑤:「事業の先に見据えているイメージはどのようなものですか?」
ヒアリング例⑥:「お客様に何と言って感謝されると嬉しいですか?」
その3:戦略
戦略を問う上では、どの「領域」でどんな「強み」を活かして、「誰に」どんな「価値」を届けたいのかをヒアリングすると良いでしょう。
ヒアリング例⑦:「この分野でお客様を増やしたいというのはありますか?」(どの領域で?)
ヒアリング例⑧:「競合他社に負けない強みは何ですか?」(どんな強みを?)
ヒアリング例⑨:「どのようなお客様がメインターゲットですか?」(誰に?)
ヒアリング例⑩:「お客様が感じている価値はどのようなものですか?」(どんな価値を?)
実践方法④:プレゼンテーションの実施
インサイトセールスのプレゼンテーションは、お客様の経営層から聞き出した理念やビジョンの実現施策を提案していくことが求められます。
その上で、大切なことは、プレゼンターである営業担当者が「なぜお客様の理念やビジョンを実現したいのか」というメッセージを個人的な体験を元に語ることです。
特に、プレゼンテーションの冒頭では、提案内容の概要や会社概要の説明ことが多いでしょう。しかし、インサイトセールスのプレゼンテーションでは、これらの説明の前に、理念やビジョンを語る時間を設けるのです。
これにより、プレゼンテーションに参加しているお客様の経営層からさらに強い共感を得ることが可能になります。
このようなプレゼンテーションを、ビジョナリープレゼンテーション🄬と言い、株式会社アルヴァスデザインが商標登録をしています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、ソリューションセールスの限界を突破するための営業手法であるインサイトセールスについて解説しました。
これからの時代、「ソリューションセールスは古い」と言われるようになるはずです。このような時代を生き抜くためには、インサイトセールスを身に付け、実践していくことに尽きます。
本コラムでは、インサイトセールスを実践する意義に加えて、具体的な実践方法も解説しています。お客様の経営層に対するヒアリングのフレーズも掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。