営業改革がもたらす効果とは?事例から学ぶ具体的な方法を公開!
目次
営業現場を取り巻く環境は、日を追うごとに激しく変化しています。特に、現代はインターネットから誰でも簡単に情報を入手できる時代になりました。
そのため、すぐに価格の安い商品やサービスがわかってしまい、営業の介在価値が純減してしまうと感じる方もいるでしょう。
確かに、旧態依然の営業体質では、もはや戦えない時代になっているのかもしれません。
営業現場では、つねに「営業改革の必要性」を意識しながらマネジメントしていく必要があります。
<この記事のポイント>
- 営業改革の定義や改革するための方法がわかる
- 営業改革で成功した他社事例を学べる
- 営業改革を社内で定着させる方法を知れる
営業改革とは?
営業改革とは、その名のとおり「営業を改革すること」を意味します。
営業を改革するといっても、企業によって課題はさまざまです。ある会社は、組織全体に課題を抱えているケースもあれば、別の会社では営業担当者のスキルに問題があるかもしれません。
組織全体に課題がある場合は、営業業務を分業化し、たとえばフィールドセールスとは別にインサイドセールス部門を立ち上げるといった改革も必要になってくるかもしれません。
営業スキルに課題がある場合は、SFAを導入してナレッジ共有を標準化したり、専門のコンサルティング会社に依頼したりして、スキルの底上げからはじめても良いでしょう。
営業改革によって実現したい営業の理想的な姿によって、必要な費用や規模は違ってきます。
営業改革を進めるためには、まずは営業としてのありたい姿の設定からはじめる必要があります。
営業改革はなぜ必要か?
営業改革は、競合に打ち勝つことだけが理由ではありません。
営業改革が必要な理由は、大きくわけて①人と組織が成長するため、そして②市場の変化に対応するための2点です。
例えば、現時点で理想の営業状態にあると感じている場合でも、改革していかなければ市場変化についていけなくなってしまうかもしれません。
市場環境は激しく変化しているため、現状維持は「後退」と同じなのです。特に、現代はテクノロジーの進化が加速度的であり、AIが営業に代わってしまうかもしれないとも言われています。このように変化の激しい時代では、営業改革が必要なのです。
グローバル市場や情報過多になっているインターネット社会で成果をあげるには、アナログ的な営業手法に固守するやり方では、たちまち立ち行かなくなるでしょう。改革を進めるには、DX化を推進し、営業改革に重要なITツールの導入も必要です。
フィールドセールス頼みの営業から脱却するためにオウンドメディアを立ち上げたり、リード獲得のためのウェビナーを開催したりするなど、新規顧客獲得の手法も変えていく必要があります。
営業改革お役立ち資料の資料ダウンロードはこちら研修効果を高めるチェックリストの資料ダウンロードはこちら営業改革で成功するための5つのステップ
社内で営業改革を進めるといっても、何から手を付ければ良いのか分からないケースも多いでしょう。よくありがちなのは「DXツールを導入したものの改革にはなっていない」「経営層だけが先走って現場がついてこない」といったケースです。
営業改革で成功するには、以下5つのステップを参考にしてください。
- 目指すべきゴールを設定する
- 営業課題の抽出
- 改革を主導するチームと責任者の配置
- 研修体制の確立
- 効果検証(PDCAの繰り返し)
① 目指すべきゴールを設定する
営業改革を進めるうえで、もっとも大事なポイントが「ゴールの設定」です。
しかし、漠然と「売上をあげるため」や「利益を倍増させる」など、数値目標だけを掲げても現場のスタッフは共感してくれないかもしれません。
そこで大切になってくることが「ありたい姿を明確にする」ことです。
売上アップを達成した先にはどんな未来が待っているのか、従業員にとってどんなメリットがあるのかなど、「夢を共有すること」が重要です。
事実、ミレニアム世代においては目先の報酬だけではなく、社会貢献や環境保全などに携われる仕事のほうがモチベーションを高く保てるといったデータもあります。
業態にもよりますが、企業によっては営業改革を通じて自社の売上がアップし、最終的にスタッフ自身も社会貢献に携わることができれば、それこそが「ありたい姿」なのかもしれません。
② 営業課題の抽出
「ありたい姿」がイメージできたら、つぎは自社の営業課題を整理していきます。
営業課題といっても、現場によりさまざまな課題があります。たとえば以下のようなケースです。
- 組織課題…戦略が間違っている、経営層の意思が現場に浸透していない
- 人材課題…人が足りていない、スキルが足らない、モチベーションが低い
- 市場課題…対象としている市場が枯渇している、顧客側に問題がある
営業課題が整理できたら、「ありたい姿」とのギャップをどのようにすれば埋められるのかを考えていくといいでしょう。
ただ、悩みどころは「どうやって課題を整理するか?」です。
自社の営業課題は、社内目線では見えにくいものです。真の営業課題を見つけるには、専門のコンサルティング会社に相談するのが良いでしょう。
もし、自社で課題を整理したいのなら、従業員アンケートも活用できます。人材や組織面に課題があると予想するなら、360度評価のようなツールを使って検証していく方法もあります。
③ 改革を主導するチームと責任者の配置
営業改革を成功させるには「改革推進チーム」の立ち上げも重要な要素です。
専門チームを立ち上げるための人件費は必要ですが、既存の人員数のまま営業改革を推進しようとしても、うまく進まないケースがほとんどです。現状の業務に営業改革の業務を兼務させてしまうと、どうしても片手間になってしまいます。
営業ツールを導入した際には、使い慣れないスタッフや使おうとしない部署に働きかける専門スタッフも必要になるでしょう。
専門チームのスタッフをアサインする際は、ITツールに精通している人や経営層に近い人材にこだわる必要はありません。
もちろん専門知識をそなえたスタッフも必要ですが、できれば営業現場に精通している人を推進チームの責任者にするのが理想です。
推進チームの責任者は経営層の意思を現場に落とし込み、根気よく改革を継続させていくミッションを担います。
④ 研修体制の確立
社内の研修体制の確立も重要です。研修といっても、営業課題がどこにあるかによってさまざまなカリキュラムが必要になってきます。
たとえば、営業スキルに課題があるなら営業トーク研修やSFAなどのツールの使い方指導などが必要になってきます。組織に課題があるなら、マネジメント研修も効果的です。
研修体制を確立するには「人材と費用」も考慮しなければいけません。社内に研修できるスタッフがいる場合は問題ないかもしれませんが、適任がいないなら営業研修の専門業者に依頼する方法もいいでしょう。
営業研修を請け負ってくれる業者はいくつかありますが、業者選びも悩みどころです。
できれば、机上で整理した課題について研修するだけではなく、実際の営業現場にはいってもらい「本当の課題はどこにあるのか?」を見極められるコンサルティング業者がいいでしょう。
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⑤ 効果検証(PDCAの繰り返し)
上記のステップを終えたら、営業改革を実行に移していきます。
営業改革は一朝一夕で成しえるものではありません。早く成果が出る現場では3ヶ月程度で目に見える数字が出始めますが、浸透が難しい現場だと成果がでるまで1年以上かかるケースもあります。
営業改革を成功に導くには、PDCAを回しながら効果検証を続けていくことが大切です。たとえば、SFAを導入して営業プロセスに課題があることが分かったら、徹底的にウィークポイントを解決できるようにマネジメント層の同行が必要かもしれません。
さまざまなKPIを設定したあとは、定期的に営業戦略会議を繰り返して、指標通りの進捗になっているのか検証するようにしましょう。
また、営業スタッフのモチベーションを維持するには、コーチング知識の充足やマネジメント研修も重要な役割を担います。
「やりっぱなしの研修」ではなく、マネジメント研修で学んだことが現場で活かされているのか?検証していくことも重要です。
研修効果を高めるチェックリストの資料ダウンロードはこちら営業改革の成功事例4選
ここからは、営業改革に成功した実際の事例を4つご紹介していきます。
今回ご紹介する事例に共通しているのが「経営層の覚悟」です。スピード感をもって営業改革に取り組むには、人材確保や外部委託の費用などの予算化も必要です。
経営層が信念をもって改革に挑み、現場のマネジメント層やスタッフ全員が同じ方向を向いて改革していくことが必要になります。
事例1:インサイトセールスによる経営層との関係構築に成功「大手飲料メーカーA社」
はじめは大手飲料メーカーA社のインサイトセールスの成功事例です。
九州地域でチェーンストア向けに営業をしていた組織に対して、営業コンサルティングとして株式会社アルヴァスデザインが支援した事例です。
チェーンストアと更なる関係構築をするため、九州地域では執行役員自らが旗を振り、お客様の経営層との関係構築を実施しました。
株式会社アルヴァスデザインのコンサルタントが実際した、インサイトセールス研修に加えて、営業同行や営業戦略会議まで実施し、お客様の経営層へのアプローチを実施しました。
インサイトセールス研修では、お客様の経営層との対話トレーニングを徹底的に実施しました。
また、コンサルタント自らが同行営業をすることで、お客様の経営層との関係構築を助けただけでなく、営業戦略会議によってお客様の経営層とのリレーション構築のための戦略を詳細まで詰めました。
結果として、九州地域のプロジェクトメンバーであった営業6名のうち5名が、お客様の経営層との良好な関係を築くことができました。
事例2:インサイドセールスの再構築で営業改革に成功「大手メーカーB社」
大手老舗メーカーB社の事例です。
B社の営業現場では業績目標が年々あがっていくなか、WEBや既存顧客からの問い合わせだけでは新規売上の確保が難しく、アポイントも不足する状態が続いていました。
そこでB社が取り組んだのが、インサイドセールスの人員数増強と、展示会やWEBサイトからのリード獲得増です。
WEBサイトの整備やインサイドセールスの人員課題に取り組み、2021年度の売上は前年比の約3倍の成長を遂げる結果となりました。
B社の営業改革が成功した要因の一つは「レビューに時間をかけること」でした。
DXツールのデータを検証し「なぜ達成できなかったのか?」課題整理する流れを毎日続けたことが成果に結びついたようです。
事例3:ウェビナーの有効活用で成約率向上を目指す「人材サービス企業C社」
人材派遣や人材紹介事業を展開する「C社」も、営業改革で成果をあげた企業のひとつです。
C社は海外のIT人材を日本企業に紹介する事業を推進していますが、昨今の社会情勢の変化により、企業訪問も抑制せざるを得ない状況が続いていました。
以前はクライアント1社に訪問する際に複数の部署を訪ねることもできましたが、状況が変化した今では、訪問すらままならない状態になっています。
そこで同社が考えた営業改革が「ウェビナーの開催」です。
ウェビナー開催の専門チームを立ち上げ、企画を開始してから1ヶ月後には1回目の開催を実施。その後は毎回40名近くの来訪者を獲得しています。
最近では特定企業限定のウェビナーも開催しており、参加者を対象にアポイントを取り成約に結び付けています。
事例4:カスタマーサクセスで顧客信頼を勝ち取る「金融サービス系企業D社」
最後は、金融系のサービスを事業とするD社の事例です。
D社は500名を超える組織で、従来の営業組織では外部委託や派遣社員の力を借りないといけない状況が続いていました。
一方で、WEBからのリード獲得が中心の業態だったため、非対面でのお客様フォローにも課題を抱えている状態が続き、営業組織はさまざまな業務を兼務する必要がありました。
そこで、同社は専門のコンサルティング会社に相談し、カスタマーサクセスチームを立ち上げることを決定します。
カスタマーサクセス部門の立ち上げにより、サブスクリプションサービスがメインの商材で継続利用と解約防止の面で継続した効果が出るようになっています。
従来はカスタマーサポートとカスタマーサクセスの差別化も曖昧でしたが、目的と役割を明確化し、外部業者とパートナー契約を結ぶことも営業改革の成功の鍵となったようです。
まとめ
「現在の組織でうまくいっている」「営業目標も達成できている」と感じる営業現場でも、社外から見れば課題が見つかるものです。
社内スタッフでは気づけない課題を見つけ営業改革をすることで、想定以上の成果が得られることもあります。
一方で、営業改革には「悩み」がつきものです。古参スタッフのなかには旧態依然の体質を好むケースもあり、なかなか改革が進まないケースも多いでしょう。
時間と費用はかかりますが、改革を推進するには、やはり営業改革の成功事例を多く持つコンサルティング会社に相談するのが近道かもしれません。
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島谷 大輔
通信系の営業を専門として、BtoBおよびBtoCの両方を経験。
プレイヤーのみならずマネジメント経験も豊富。
自身の営業経験をもっと多くの人に届けたいという想いが強い。