VUCA時代だからこそ営業担当者なら絶対に読むべき書籍10選
目次
こんにちは。荻原です。
未来予測が非常に困難なVUCA時代において、情報や思考法を知ることは生き残る上で非常に大切になります。
特に将来的に無くなる可能性が示唆されている「営業職」なら、なおのこと重要です。なぜならば、VUCA時代において役立つ情報や思考法を知っていないと、気が付いたら仕事が無いという状態になりかねないからです。
本記事では、営業担当者のためにVUCA時代に役に立つ書籍10冊をご紹介できればと思います。
VUCAとは?
ここでは簡単に「VUCA」についておさらいしたいと思います。
VUCAとは、1990年代後半に
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
という4つの言葉の接頭語を組み合わせて作られた軍事用語です。
意味合いとしては、「全てにおいて変動性・不確実性・複雑性・曖昧性が増したことにより未来予測が非常に困難なこと」です。
当初は、軍事でのみ使用される用語でありましたが、2010年代に入り、ビジネスの世界でもVUCAが当てはまることから使用され始めました。
Volatility(変動性)
VUCAにおける「変動性」とは、テクノロジーや価値観、情勢などの変動のしやすさを表しています。
IT革命が起こる1995年以前は、比較的未来予測がしやすい傾向にありました。テレビCMによるマーケティング活動や業績の予測はその代表例です。
しかし、IT革命が起こった現代においてはその限りではありません。流行ったと思ったらすぐに廃れるので、なにが流行り、いつ廃れるのかが非常にわかりにくいと言えます。
Uncertainty(不確実性)
VUCAにおける「不確実性」とは、自然環境や政治などの未来の不確実さを表しています。
実際、新型コロナウイルス発生や、異常気象の高頻度での発生、就業制度の変化などはその代表例です。従来であれば、例えば、異常気象は数十年に一度という頻度で発生していたため、比較的予測しやすい状態でありました。
しかし、現代のように地球全体の環境が変化したり、世界規模で価値観が変動したりしている状態では未来予測は非常に難しいと言えるのです。
Complexity(複雑性)
VUCAにおける「複雑性」とは、ビジネスや価値観の複雑さを表しています。
実際、企業の商品開発スピードはVUCA時代以前と比較して格段に高まっている状態にあります。従来であれば、世間の普通や企業努力による流行のコントロールがある程度可能だったと言われています。
しかし、IT革命によるテレビ離れや価値観の多様化も影響し、未来予測は非常に困難な状態になったと言えるのです。
Ambiguity(曖昧性)
VUCAにおける「曖昧性」とは、情報や未来予測の曖昧さを表しています。実際、VUCA時代以前に存在した、世間の成功ルートはもはや現代においてはあまり当てはまらなくなりました。
これは、大企業ですら、いつ倒産するのかが分からないことも意味します。また、世界規模で超大量の情報が流通し始めたことで、物事における絶対的な正解の定義が「価値観」に依存するようになりました。そして今後もこの曖昧さは加速すると言えるのです。
エクスポネンシャル思考研修概要の資料ダウンロードはこちらVUCA時代に役に立つ書籍10選
VUCAについて復習的できたところで、本記事のメインテーマであるVUCA時代において役に立つ書籍10冊をご紹介したいと思います。
① エクスポネンシャル思考(齋藤 和紀著 2018年 大和書房)
本書は、アメリカのシリコンバレーにあるシンギュラリティー大学で教えられている「エクスポネンシャル思考」を、多数の事例を交えて分かりやすく解説している良書になります。
エクスポネンシャル思考の「エクスポネンシャル」とはあまり馴染みのない言葉になりますが、「指数関数」という意味です。
指数関数とは数学でも用いられている用語であり、「グラフの変化量を直線的ではなく、定められた変数の階乗分変化をしていくグラフ」を指します。
例)
- 直線的なグラフ:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・・
- 指数関数なグラフ:1、2、4、8、16、32、64、128、256、512・・・
そのため、グラフはだんだんと曲線になるようなグラフになります。実際、2000年以降、科学技術は指数関数的に発展してきているので、本書は今後の未来予測の一助になります。
VUCA時代において未来予測は大変難しいですが、エクスポネンシャル思考を身に付けていれば出遅れることを防げるので、大変おすすめです。
>多くの起業家を輩出するシンギュラリティ大学の必須科目:エクスポネンシャル思考を詳しく解説!
② エッセンシャル思考:最小の時間で成果を最大にする(グレッグ・マキューン著 2014年 かんき出版)
本書は、Apple社、Google社、Facebook社、Twitter社のアドバイザーであるグレッグ・マキューン氏が「最小の時間で最大の成果を創出する」をコンセプトに執筆した良書です。
エッセンシャル思考のエッセンシャルとは英語で「欠かすことのできない/非常に重要な/必須の」と言った意味を持っています。つまり、エッセンシャル思考とは、「成果を創出するために欠かすことのできない非常に重要な思考法」という意味になります。
VUCA時代において、成果を最大化させて実績を作ることはとても重要な能力になります。これは、いつ自分自身の会社が倒産をするのか、自分自身が職を失うか分からないためです。
エッセンシャル思考を身に付ければ、最高効率で成果を創出し続けることが可能になるので、VUCA時代のように先行き不透明な時代でも生き残る確率を格段に高めてくれます。
③ エフォートレス思考:努力を最小化して成果を最大化する(グレッグ・マキューン著 2021年 かんき出版)
本書は、本書は、Apple社、Google社、Facebook社、Twitter社のアドバイザーであるグレッグ・マキューン氏が「最小限の努力で成果を最大化させる」をコンセプトに執筆された良書です。
また、エッセンシャル思考の続編に当たる作品です。
エフォートレス思考のエフォートレスとは、英語で「努力を必要としない」といった意味を持っています。つまり、エフォートレス思考とは、最小限の努力で最大限の成果を創出させる思考法という意味になります。
極めて未来予測が難しいVUCA時代において「時間」は非常に貴重な資源であります。最小限の努力で最大限の成果を達成することができれば、時間を大幅に節約することに繋がります。
変化の激しい時代だからこそ時間を節約して、変化が起きた時の対応策に時間を割けるようにするといいでしょう。
④ ニュータイプの時代(山口 周著 2019年 ダイヤモンド社)
本書は、経営コンサルタントであり、営業担当者なら一度は聞いたことはある山口周氏によって執筆された「これからの時代」を生き抜くために必要な「視点」を紹介している良書です。
ここでいうニュータイプとは、ガンダムの世界で登場する特殊な能力を持った一部の人類ではなく、これからの時代の価値観を指しています。
VUCA時代では、これまでの成功法則が通用しなくなるため、これまでの価値観を前提で行動をしていると、時代に適応できず淘汰の対象になってしまいます。
本書はそんなVUCA時代において、必須の視点をいくつも紹介してくれるのでおすすめです。
⑤ 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」(山口 周著 2017年 光文社)
本書も、経営コンサルタントであり、営業担当者なら一度は聞いたことはある山口周氏によって執筆された良書です。
「これからの時代」を生き抜くために必要な「美意識」に焦点を絞って紹介しています。
一般的に「美意識」と聞くと、清潔感やデザイナーを連想することは多いと思います。しかし、VUCA時代に突入してから世界の経営者や幹部候補が挙ってアートスクールでアートやデザインを学ぶようになりました。
これは、現代では論理性や理性などの左脳的発想だけでは太刀打ちできなくなってきたからであると本書では語られています。
VUCA時代では経営者や幹部候補生だけでなく、一般的な労働者も「美意識」という右脳的な観点を持って成果創出を狙うとVUCA時代でも対応しやすくなるのではないでしょうか。
⑥ 多様性の科学(マシュー・サイド著 2021年 ディスカヴァー・トゥエンティワン)
本書は、イギリス「タイムズ紙」の1級コラムニストであり、ライターでもあるマシュー・サイド氏によって執筆された良書です。
世界が加速度的にグローバル化する現代において「多様性」という言葉はより一層重要なテーマになりました。
本書では、組織を成長させるためになぜ「多様性」が重要なのかを、具体的な事例を元に解説しています。
VUCA時代では、転職がとても一般的になりました。そのため、様々なバックグランドを持つ人々と一緒に仕事を行うことになりました。
多様性が持つ「力」を理解することで、自身の業務上の振る舞いが変化し成果創出にも影響を与えることができます。
⑦ 2030年:全てが「加速」する世界に備えよ(ピーター・ディアマンディス 、 スティーブン・コトラー 著 2020年 ニューズピックス)
本書は、アメリカの実業家であるイーロン・マスク氏と20年来の盟友であるピーター・ディアマンディス氏が2030年までに地球規模で起きる変革をまとめた良書です。
本書では、
- テクノロジー
- ビジネス
- ライフスタイル
など私たちにとって密接に関わる分野を具体的な事例を交えて紹介しています。
また、シンギュラリティー理論を提唱している未来学者レイ・カーツワイル氏も推薦していることでも有名です。
>技術的特異点=シンギュラリティとは?営業担当者が知っておくべき驚きの真実!
本書は、一般的に知られていないテクノロジーも解説しているので、近未来を予測するのに十分な知識を提供してくれるのではないでしょうか。
⑧ Dark Horse「好きなことだけで生きる人」が成功する時代(トッド・ローズ 、オギ・オーガス著 2021年 三笠書房)
本書は、ハーバード大学院にて「心・脳・教育プログラム」を指揮し、個性学研究所の所長を務めるトッド・ローズ氏によって執筆された良書です。
Dark Horseとは、よく競馬で用いられる用語であり、「予想外の/番狂わせ」などの意味があります。
そして、サブタイトルに「好きなことだけで生きる人」とあるように、好きなことだけをしていたら成功した人を「ダークホースな人」と定義し、なぜ成功できたのかを様々な事例を元に解説しています。
以前までの時代では、良い大学に行き、良い会社に就職をすることが人生の成功法則であり、常識でした。そのため、多くの人はその道筋を目指しました。
しかし、VUCA時代では、それだけで成功するほど甘くはなくなりました。
混沌としているVUCA時代だからこそ、ダークホースという戦略も存在することを認識し、選択肢として持っておくと良いのかもしれません。
⑨ 2040年の未来予測(成毛 眞氏著 2021年 日経BP)
本書は、元マイクロソフトの代表取締役社長である成毛眞氏が、2040年までの未来で起きるとされている世界規模での変化をまとめた良書です。
- テクノロジー
- ライフスタイル・環境問題
など、様々な観点で綴られています。
未来予測が難しいVUCA時代においても、ほぼ確実に起きるとされている事柄は存在しています。
本書では、現時点で判明している科学的予測データを元に、2040年の世界を描くためとてもリアルであります。
VUCA時代だからこそ、データを元に予測された未来を知っておくことは非常に重要と言えるのではないでしょうか。
⑩ RANGE:知識の「幅」が最強の武器になる(デイビッド・エプスタイン著 2020年 日経BP)
本書は、今の時代においてなぜスペシャリストよりもジェネラリストが成功をしやすいのかを、様々な事例を元に解説してくれている良書です。
スペシャリストとは、専門性が高い人のことを指します。一方、ジェネラリストとは、幅広い知識や技能を備えた人のことを指します。
スペシャリストが尊重される感覚をお持ちの方も多いかもしれませんが、世界の成功者を分析すると一概にそうではないことが分かるということが本書の主張であります。
本書について元マイクロソフトのCEOビルゲイツ氏も「厳しい年だからこそ、読むべき1冊」と絶賛しています。
VUCA時代のように、世界が複雑化して未来予測が困難だからこそ、知識に幅を設けることで、高角度な判断ができるようになります。
本記事で、紹介している書籍はどれも読みやすいので、全て読まれるといいかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。
本記事で、紹介した書籍はどれも読み応えがある良書です。
VUCA時代は未来予測が困難であるため、将来に対して不安を抱きやすいです。しかし、書籍から得られる知見や思考法はその不安を消し去らないまでも、対応力を提供してくれます。
本コラムでご紹介した書籍の中からお好きな一冊を読んでご自身の人生に役立てていただければ幸いです。
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荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!
最近は動画編集や執筆業務も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。
昨日の自分よりも1%でも強くなることが人生の指針です!