リモート営業のクロージングを、どのように成功させるか!?5つのポイントと3つのテクニック!
目次
こんにちは、石井です。
本日は、リモート営業におけるクロージングを解説していきます。
新型コロナウイルスにより、私たちの営業シーンは対面からリモートへと切り替わりました。対面営業では、お客様に熱意や情熱を直接伝えることで、クロージングをしてきたという営業担当者は多いはずです。
しかし、リモート環境下では画面越しでのコミュニケーションになるため、営業担当者の想いを伝えきることは難しいと言えます。
では、どのようにリモート環境下でクロージングをしていけば良いのでしょうか。本記事では、リモート営業におけるクロージングのポイントとテクニックについても解説していきます。
クロージングの基本
まず、クロージングの基本からおさらいしていきましょう。
クロージングとは?
クロージングとは、営業活動において「お客様との契約を締結すること」ですが、本記事では「意思決定を促す行為も含めて『クロージング』」と定義します。
クロージングの目的
クロージングの目的は、「お客様の意思決定を促すため」です。意思決定を促すということは、お客様に「ハンコを押してもらう」「決済してもらう」と言った迫るものではなく、お客様の背中を押す行為です。
あくまで意思決定をするのはお客様であり、その意思決定をスムーズにすることこそ、営業担当者が注力すべき内容です。
クロージングの重要性
営業プロセスは、一般的に「アプローチ→ヒアリング→提案・プレゼン→クロージング」という流れです。この営業プロセスの中で、クロージングは最後に位置付けられています。
これの意味するところは、いくら提案・プレゼンまでが上手くいっても、クロージング段階で失敗すると受注できないということです。そのため、クロージングとはとても重要な営業行為の1つなのです。
勝敗を分けるのは、商談の後
「お客様が購買の意思決定をする直前の商談を、クロージング機会である」と認識している営業担当者は多いはずです。しかし、前述した通り、「クロージングとは、意思決定を促す行為」です。
お客様の意思決定を促す行為は、商談の最中にもできますが、商談の後にも実施可能です。むしろ、商談の後も含めてお客様が購買を検討する期間をすべてクロージングであると捉えましょう。
商談の後に、形勢逆転することも多く、クロージングの商談が上手くいったからと言って、必ずしもコンペに勝利したとは言い切れないのです。
クロージングの5つのポイント
リモート環境下では、「視覚」と「聴覚」のみでお客様とコミュニケーションをします。そのため、営業担当者の熱量がお客様に伝わりにくい特性があります。
これらのリモート営業におけるコミュニケーションの制限は、想いを伝える営業フェーズであるクロージングでは大きなディスアドバンテージになるのです。
では、制限のあるリモート環境下で、どのようにクロージングをしていけば良いのでしょうか。今回は、5つのポイントをお伝えします。
ポイント1:明確な価値訴求
クロージング段階で、お客様に明確な価値訴求をすることはとても大切です。もちろん、これらは対面営業でも大切でした。
しかし、熱量で押し切ることがしにくいリモート環境下では、数値的なデータや論理的な解説により、お客様にとっての価値を対面以上に提示する必要があるのです。
ポイント2:お客様になじみのある言葉を選定
クロージング段階では、提案書や商品説明書などの資料をお客様に提示することが多いはずです。ここでのポイントは、資料に記載する言葉をお客様のなじみある言葉にすべきであるということです。
クロージングの商談が終わった後、お客様に提示した資料はお客様社内で稟議書類と合わせて回遊します。この際に、クロージングの商談の場に出席しなかった方も資料を閲覧します。
その際に、お客様社内でなじみのある言葉を使用しているか否かにより、お客様が資料を受容しやすいかどうかに影響を及ぼすのです。
ポイント3:不安要因の排除
お客様担当者だけではなく、社内で実際に商品やサービスを使用するメンバーの不安な要因まで聞き出し、クロージング段階で取り除くようにしましょう。
リモート環境下では、お客様が購買の意思決定をするまでに、対面営業のときよりも、多くの情報を収集する傾向にあります。それだけ購買の意思決定に慎重になっているからです。
営業担当者としては、できるだけ不安要素を排除することで、意思決定の後押しをしましょう。
ポイント4:評価基準・再提案の確認
クロージング段階では、お客様の社内でどのように意思決定をするのかという評価基準を再度確認しましょう。また、お伺いした評価基準と照らし合わせ、再提案が必要であると感じた場合は、その旨をお客様に伝えると良いでしょう。
再提案の場はいただけない場合でも、提案書の差し替えに許可が下りたら、評価基準を意識して提案書を再作成するようにしましょう。
ポイント5:商談の後から意思決定までの動き
前章でお伝えした通り、クロージングの商談の後からが本当の勝負です。この期間では、お客様の社内での稟議状況を確認するとともに、お客様の意思決定を促す行動をしましょう。
具体的には、お客様が意思決定をしやすいような参考資料を送付したり、提案書の差し替えをしたりしましょう。
※上記はクロージングに特化していますが、「リモート営業」の全プロセスのチェックリストは下記リンクからダウンロードいただけます。
クロージングの3つのテクニック※トーク例付き!
続いて、リモート営業でのクロージングのテクニックを解説します。これらは、対面営業であっても活用できるものばかりですので、あわせてご確認ください。
テクニック1:テストクロージング
テストクロージングとは、「クロージング」の「テスト」をすることです。具体的なフレーズとしては、「仮に~だとしたら・・・。」「もし~なら・・・。」というように、仮説を用いながらお客様の状況をお伺いしていきます。
(トーク例)もし、弊社のサービスをお選びいただけるとしたら、どのような利点が想定できますか?
テクニック2:選択肢の提示
何かを購入する際には、比較購買することが一般的です。相見積もりを取るという行為がそれに当たります。
リモート環境下でも同様に、お客様は比較して商品やサービスを購買しようと考えています。そのため、商品やサービスの選択肢を提示するようにしましょう。
(トーク例)弊社の3つの商品の提案ですが、仮にどれかを選ぶとしたら、どれが一番ですか?
テクニック3:阻害要因の排除
リモート営業におけるクロージングでは、情熱や想いで押し切るということができません。そのため、不安要素をしっかり聞き出し、それをデータや論理的な説明によって排除する必要があります。
特に、リモート環境下では、有形商材のデモンストレーションができません。商品やサービスを体験しなくても、「この商品やサービスを購入すべきだ。」というような発言をお客様からいただけるように、阻害要因を確実に排除しましょう。
「こんなときどうする?」お客様とのリアルなやり取り
クロージング段階では、お客様から色々な質問をいただきます。また、批判的なコメントをいただくこともあるでしょう。いずれもポイントとしては、お客様の感情を受容してから、営業担当者の見解を示すことです。
本章ではよくある8つのシチュエーションについて取り上げます。
シチュエーション1:他の案件とも重複していまして・・・。
(解答例)案件が重なると、本当にお忙しくなりますよね。ちなみに、他の案件とはどのようなものですか。仮に、弊社が関わっている本案件を期日内に検討するとなった場合、私たちがご支援できる事はありますか。
シチュエーション2:まだ考えがまとまってなくて・・・。
(解答例)そうでしたか。新しいことを社内で検討する際には時間がかかるものですよね。ちなみに、どういった点で話しが前に進まない感じですか。
シチュエーション3:上司と話ができてなくて・・・。
(解答例)社内調整はなかなか大変ですよね。今回は、上司の方と話し合いの場が持てていないのか、それとも、どのように上司の方にお伝えしようかまだ決め切れていないのか、どちらでしょうか。
シチュエーション4:公平性に欠けるので、詳細はお伝えしかねます。
(解答例)そうですよね、失礼しました。コンペでは、他社様との公平性も大切ですものね。完全な個人的な見解であればお教えいただけますでしょうか。○○様にとって、弊社の商品はどの程度価値がありそうですか。温度感をお教えください。
シチュエーション5:上司が、少し微妙な反応でして・・・。
(解答例)そうなのですね、承知しました。反応が微妙というのは、どのようなニュアンスですか。それによって、弊社からも何かご提示できる資料があるかもしれません。
シチュエーション6:少し方向性が変わってきておりまして・・・。
(解答例)提案を受けてから、やっぱり方向性を変えよう!ということはよくあることですよね。ちなみに、どのように方向性が変わりましたか。
シチュエーション7:期日を、少し後ろにできますか?
(解答例)お忙しい時期ですよね。今回、期日内に結論が出なさそうというのは、そもそも検討の場を社内で持てていないからでしょうか。
シチュエーション8:少し値段がネックですね・・・。
(解答例)そうでしたか、承知しました。ちなみに、どのくらいの金額だと現実的ですか。すぐにお値引きはいたしかねますが、私も社内で掛け合ってみます。
本章では、クロージングにおける代表的なシチュエーションとその解答例を取り上げましたが、その他のプロセスも含めまとめた営業トーク集もご用意があります。気になる方は下記リンクからダウンロードいただけます。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、リモート営業におけるクロージングを解説していきました。リモート営業では、営業担当者がお客様に想いや情熱を伝えることは難しい環境であると言えます。そのため、対面営業と比べて、よりクロージング力が求められます。
ご紹介させていただいた、クロージングのポイントやテクニックは、普段私たちが営業現場で活用しているものばかりです。特に、掲載したトーク例はすぐに使えるものです。ぜひ、現場で活用してみてください。
また、クロージング段階では、お客様からあらゆる質問や値引き交渉・条件交渉などを受けることもあります。その際には、前章の「お客様とのリアルなやり取り」を参考にしてみてください。
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。