営業担当者の育成術!OJT教育5つのポイント!
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こんにちは、石井です。
本日は、「営業担当者の育成」についてみていきます。営業担当者を育成する方法は、大きく分けて2つです。
1つは、実務の実践を通して学ぶことです。もう1つが、実務とは離れて研修やセミナーなどから学ぶことです。
一般的に、前者をOJT教育、後者をOFF-JT教育といいます。
本記事では、OJT教育とOFF-JT教育の違いを知った上で、どのようにOJT教育をすれば優秀な営業担当者を育成することができるのかを解説していきます。
OJT教育の基礎知識
まずは、OJT教育の基礎知識を押さえていきましょう。OFF-JT教育との違いもまとめましたので、確認していきましょう。
OJT教育とは?
OJT教育は、「OJT」と「教育」から成る言葉です。OJTとは、「On The Job Training」の略称です。そのため、OJT教育とは、「実務での実践を通しての教育」のことです。
OFF-JT教育とは?
OFF-JT教育は、「OFF-JT」と「教育」から成る言葉です。OFF-JTとは、「Off The Job Training」の略称です。そのため、OFF-JT教育とは、「実務とは離れた場所で行われる教育」のことです。
両者の違いは?
OJT教育とOFF-JT教育の違いは、「実務での実践を伴うか否か」です。前者は、実際のお客様の商談や資料作成などを通して教育するのに対して、後者は営業研修や営業セミナーを実施することで教育します。
OJT教育の意義とは?
OJT教育とOFF-JT教育の違いを学んだところで、次は「OJT教育を実施する意義」についてみていきます。会社にとって、OJT教育を実施する意義は、大きく分けて2つあります。
営業人材のスキルや知識の向上
1つ目は、営業人材のスキルや知識の向上です。OJT教育は実務での実践を通して学びを深めていきます。
OJT教育を受けた営業人材は、実践ですぐに活用できるスキルや知識を学ぶことができるため、教育を受けた後に会社への貢献度合いが大きくなる傾向にあります。
営業人材の会社へのロイヤリティ向上
OJT教育は、先輩や上司が後輩の営業人材を育成します。この育成を通して、先輩や上司と後輩の営業人材の間では、営業スキルや知識の伝授にとどまらず、「マインドの醸成」にも寄与します。
OJT教育を通して、互いの意見を交換したり対話を繰り返したりすることで、後輩の営業人材のマインドはセットされていきます。
そして、そのマインドセットこそ、会社に貢献したいという意欲になり、結果として会社へのロイヤリティを高めるのです。
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では、OJT教育のメリットとデメリットを確認していきましょう。これらを確認した上で、OJT教育を社内で実施するか否かを検討してみてください。
OJT教育のメリット
その1:実務に連動した教育が可能
OJT教育は、実務を通して実施されるため、実務ですぐに活用できる営業スキルや知識を修得することが可能です。
その2:個別具体的な教育が可能
OJT教育は、先輩や上司と後輩の営業担当者の間で実施されます。後輩の営業スキルや知識のレベルに合わせて、今必要なスキルや知識を教育することができます。
その3:低コストでの教育が可能
OJT教育は、社内の人的リソースのみを活用して実施が可能であるため、特段の追加コストは発生しにくく、外部講師に委託するOFF-JT教育よりも、低コストで実施可能です。
OJT教育のデメリット
その1:教育する側のスキルや知識が必要
OJT教育を実施する先輩や上司の営業スキルや知識はもちろんのこと、どのように育成するのかという観点でのマネジメント力も必要です。
その2:教育内容がバラつく可能性あり
OJT教育は、前述した通り先輩や上司が主体となって実施されます。そのため、先輩や上司が普段から使っている営業スキルや知識を教えることが中心になりがちです。
そのため、先輩や上司が変われば教育内容も変わります。つまり、一貫した教育内容を教えるということにはOJT教育は不向きと言えます。
その3:実務の遅延やミスが発生する可能性あり
OJT教育を受ける後輩の営業担当者は、まだ営業に慣れていません。そのため、OJT教育を実施する先輩や上司が普段しないような遅延やミスを発生させる可能性があります。
以上のようにOJT教育にはメリットとデメリットが存在します。それでは、OJT教育を成功させるためにはどのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか?
次章でみていきます。
OJT教育を成功させる5つのポイント
では、実際にOJT教育を成功に導く5つのポイントを確認していきましょう。
ポイント1:明確なビジョン設定
OJT教育は、現場の先輩や上司の協力が欠かせません。
そのため、なぜOJT教育を実施するのか、OJT教育を実施することでどのような姿になりたいのか、といったビジョンを経営側が打ち出すことは極めて重要です。
ビジョンが無いままにOJT教育を実施していると、「何のためにOJT教育をやっているのかわからない」という空気が現場にただよい、結果として成果に結びつかないOJT教育になる可能性があります。
ポイント2:OJT教育の進め方の決定
OJT教育は、現場の先輩や上司が主体となって実施するため、会社としてハンドリングをしない限り、現場の属人的な判断により営業人材を教育することになります。
そのため、先輩や上司がOJT教育をどのように進めていくのかというガイダンスを示し、ビジョンの実現に直結する教育すべきです。
また、コーチングやティーチングのスキルや知識を、先輩や上司に学ばせることも有効です。コーチングとティーチングは、部下育成をする際の大切な要素であり、教育には欠かせないマネジメント力にもつながっていると言えます。
ポイント3:OJT教育の計画策定
OJT教育を通して、後輩の営業担当者を「どの期間」で「どのような目標」を設定して育成していくのかを計画しましょう。
OJT教育を計画することで、先輩や上司と後輩の営業担当者の間で、共通のゴールイメージを持って日々の営業活動に打ち込むことが可能です。
ポイント4:OJT教育のこまめな記録
OJT教育を実施する先輩や上司は、自身の実務をしながら後輩の営業担当者を育成していくことになります。
そのため、どのような育成をしたのかを記録しておかないと、何を指導したのか忘れてしまいます。
「OJT教育の実施内容」「後輩の営業担当者の成長点・課題点」など、こまめに記録して定期的に振り返る時間を設けるようにしましょう。
ポイント5:OJT教育と人事評価の連動
OJT教育を実施することで、先輩や上司がどのように評価されるのかを明確にしましょう。
OJT教育の実施を通して、優秀な営業人材を育成した場合にはしっかりと評価をしましょう。
評価をすることで、「さらに良い人材を育てよう!」というモチベーションにもつながります。
フィードバックに活用できるSTAR
OJT教育では、先輩や上司から後輩の営業担当者に対してフィードバックをすることがあります。
その際に、活用できるSTAR(スター)といわれているフレームワークをみていきましょう。このフレームワークの順番通りに、振り返りフィードバックを行うことで、互いの状況理解に齟齬がなくなる可能性が高まります。
Situation(状況)
まずは、状況確認からです。フィードバックをするシーンの状況がどのようなものだったのかを確認しましょう。例えば、「お客様AさんとBさん、弊社からは上司と部下の○○に関する商談であった。」といったようなことです。
Task(タスク)
続いてタスクです。とある状況下において、どのようなタスクが求められていたのかを確認します。例えば、「商品のプレゼンテーションにおいて、△△の箇所を強調して伝える。」があげられます。
Action(行動)
その後に、実際にとった行動を確認しましょう。タスクと比較してみると良いでしょう。具体的には、「タスクは、□□だったけど、実際の行動は~~であった。」といったかたちです。
Result(結果)
最後に、結果を確認しましょう。「・・・という状況において、タスクは○○であった。しかし、実際の行動は△△であった。その結果、~~となった。」というかたちで伝えるようにしましょう。
OJT教育のフィードバック場面
OJT教育では、「先輩や上司が営業をやってみせる」ことも大切ですが、OJT教育を受ける後輩の営業担当者に営業をやらせて、できているところ、改善が必要なポイントをフィードバックすることも必要です。
本章では、どのようにフィードバックをすると、OJT教育の質が高まるのかを考えていきます。OJT教育で、フィードバックが効果を成すのは、大きく分けて3つのシーンがあります。具体的に見ていきましょう。
同行営業の直後
1つ目は、同行営業の直後です。同行営業をする前には、後輩の営業担当者の「どの部分をチェックするのか」ということを確認し合い、商談にのぞみましょう。
ポイントは、フィードバックは商談の直後に実施するということです。前章でお伝えしたSTARのフレームワークも活用して、フィードバックをしましょう。
一日の終わり
2つ目は、一日の終わりです。営業経験が未熟である担当者は、日報を記載することをオススメします。理由は、自分が学んだこと、できなかったことなどを可視化することで、次の日以降にやるべきことが明確になるためです。
先輩や上司は、この日報にコメントするかたちでフィードバックすると良いでしょう。
一か月のおわり
3つ目は、一か月の終わりです。初めて営業を経験する担当者にとって一か月の成長は大きなものです。何を成長して、何が課題として残っているのかを、確認しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、OJT教育について解説しました。
営業担当者を育成することは、簡単ではありません。営業の個性は、一人ひとり異なり、育成方法も画一的な正解があるわけではありません。
しかし、OJT教育を全社で取り組み、ビジョンの実現に向けて1つになることで、必ず優秀な営業が輩出され、その優秀な営業が次世代の営業を育成するという好循環につながります。
本記事では、OJT教育の基本概念をはじめ、メリットやデメリットも詳しく解説しています。また、営業シーンの具体的な事例も盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてみてください。
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。