新規開拓率を向上させるコツ12選!営業研修会社が持つノウハウとは!? 新規開拓の方法についても徹底解説!
目次
こんにちは。松下です。
本コラムでは、「新規開拓営業」について見ていきます。
お客様とゼロから信頼関係を築く営業を「新規開拓営業」と呼びます。こちらは、非常に難易度が高いとされていますが、この新規開拓営業にはどのような方法があるのでしょうか。今回は代表的な例をベースに取り上げてみます。
その上で、どのようにすれば新規開拓営業が成功しやすいか、コツについてご紹介します。
弊社が営業人材育成を支援する中で、お会いしてきた数々のトップセールスの皆さまが実践する新規開拓のノウハウをまとめてお届けします。
是非、皆さまの現場でお役立て下さい。
新規開拓営業とは
新規開拓営業とは、これまでに全く取引のないお客様に対し営業を行い、取引に繋げていくまでの活動のことを指します。
対個人を対象としたBtoCの新規開拓営業と、対法人を対象にしたBtoBの新規開拓営業に大きく分類されます。いずれも、既存顧客への営業と比べ、信頼関係のない所からのスタートの為、難易度が高い営業とされています。
経営者との対話の観点の資料ダウンロードはこちら新規開拓営業はなぜ必要?
新規開拓営業とは、なぜ必要なのでしょうか。企業と個人の両面から見ていきたいと思います。
まず、企業にとって新規開拓営業は、企業存続と繁栄のために必要不可欠と言えます。新しい商品やサービスをリリースしても、全く顧客が居ないようでは企業としては成り立ちません。
また、既存顧客が数多く居る場合にも、継続して発注があるかというと、市況や環境によって変わります。新規顧客を定期的に獲得していくとことで安定した経営が可能になります。
次に、営業としてはどうでしょうか。新規開拓を行うと信頼関係をゼロから築き上げる必要があるため、営業スキル面でもマインド面でも磨かれます。
営業人材としての市場価値が高まるという点でも必要な活動と言えるかもしれません。
法人営業における新規開拓のアプローチ方法9つ
それでは、具体的に新規開拓営業のアプローチ方法について見ていきます。
今回は、法人営業における新規開拓にフォーカスし、代表的な9つのアプローチをご紹介します。
お客様からの問合せを待つ方法
お客様から自社へ問合せが来るのを待つパターンです。
多くの企業でマーケティング部門が戦略を練り実行しているケースが多いです。その場合、営業担当者が実際に携わるのは問合せがあった先から、ということになります。
しかし、どのような形でお客様から問合せが流入してくるのか、どうやって新規のリストを獲得しているのか、営業担当者も把握しておく必要があります。
その為、本コラムでは代表的な4つを取り上げます。
1.公式ホームページや自社メディアからの問合せ
自社の公式ホームページや自社が運営するWebメディアなどからお客様の問合せを待つ方法です。
昨今では、自社のWebサイトを保有しているケースが多く、お客様もネットで検索をして探すという事が当たり前になっています。
そのため、ホームページを見て電話やメールで問合せがくるという事も新規顧客を獲得する代表的な方法になっています。
2.他社のメディア掲載からの問合せ
他社のメディアやポータルサイトなどに掲載をし、お客様から問合せが来るのを待つ方法です。
商品やサービスをまとめて比較検討できるサイトなどに自社が掲載しそこから問合せが来るパターンです。
他社のメディアからの流入の場合には、自社単独、いわばご指名で問合せが来るというよりも、情報収集目的で複数企業に問合せをしているケースが多いです。
そのため、競合比較、コンペを前提とした問合せなどの場合が多いです。
3. Web広告・新聞雑誌広告などからの問合せ
Webへの広告掲載や新聞や雑誌などの媒体への広告掲載し、お客様からの問合せを待つ方法です。
例えばGoogle広告などで検索ワードを絞って広告の大きさや文字数、場所によって問い合わせの量は変わります。また、費用が掛かる事が前提のため、戦略的に広告を打ち出す必要があります。
4. プレスリリース記事からの問合せ
プレスリリース記事を発行し、各メディアに取り上げて頂き、お客様からの問合せを待つ方法です。
プレスリリースは、各メディアのニュースに掲載されたり取り上げられたりすることで、大衆への認知が深まります。広くアピールができるため、ご覧頂いたお客様から問合せが来る場合があります。
以上、新規開拓営業において、お客様からの問合せを待つ代表的な4つの方法です。
自社の新規リストが渡される際にどのような経路で問合せが入ったか確認しながら営業活動に繋げていくとスムーズと言えるでしょう。
自社からアプローチを仕掛ける方法
続いて自社からアプローチを仕掛ける方法です。
何の繋がりもない所から、営業担当者の働きかけにより新規開拓を行っていく方法です。
5. 電話
電話で新規開拓のアプローチをする方法です。いわゆる「テレアポ」と言われる類のものです。
未取引の顧客リストに対して電話をかけ、商談のお約束を取っていきます。
近年では、「インサイドセールス」部門がお客様とのアポイントメント取得までを担当し、実際の商談には「フィールドセールス」部門が担当するといった分業も生まれています。
※「インサイドセールス」=内勤型営業、お客様先には出向かず、社内のみ営業を行う。「フィールドセールス」=外勤型営業。実際にお客様先に出向き営業を行う。
6. 手紙・メール
手紙・メールを利用した新規開拓のアプローチ方法です。
未取引の顧客リストに対して、手紙やメールをお送りしそこからアポイントのきっかけを作っていきます。
ダイレクトメールやメールマガジンといったような形で一斉に同じ内容をお送りすることが多いですが、個別のお客様や業界別で文面を分けて作成するケースもあります。その後、お客様宛に電話をかけ、手紙やメールのフォローをしていきます。
7. 飛び込み営業
取引のないお客様先に直接お伺いするのが、飛び込み営業です。
訪問の際には、アポイントを事前に取得しません。長年、新規開拓営業の代表格となっていましたが、コロナウイルスのパンデミックも影響し、減少傾向にあります。
テレワークの加速により、担当者が不在にしていることが多いためです。
8. イベントや展示会でのお声がけ
イベントや展示会に出展し、そこにお越し頂いたお客様に直接お声がけし商談のお約束を取っていくという方法です。
イベントであれば、何かセミナーや講演会を行う、また展示会では自社のブースを構えることが多いです。
お客様からの紹介を頂く方法
9.既存のお客様からの紹介
最後に既存のお客様から紹介を頂く方法です。
こちらは、既存のお客様がハブとなり、自社と新たなお客様を繋げてくださるため、関係構築が比較的しやすいです。そのため商談に繋がりやすいです。
顧客理解の基本3スキルの資料ダウンロードはこちら法人向け営業で新規開拓を成功に導くポイント12選
本章では、具体的に法人向けの新規開拓営業を成功させるためのポイントについて見ていきます。
新規開拓営業で成果が出る人はいったいどのようなポイントを押さえているのでしょうか。実際にトップセールスの方々の多くが実践しているポイントを厳選して12個にまとめました。
一つずつ見ていきましょう。
1. 特に1回目の商談では徹底的に失点をなくす
新規開拓営業にとっての第一回目の商談はとても重要です。
その印象の良し悪しで今後の商談が決まってしまうからです。だからこそ、初回の商談では「徹底的に失点をなくす」という事が大切です。
多くの営業担当者が「高得点を狙おう」と意気込みがちですが、まず押さえるべきところは「失点を無くす」ことです。
具体的には、身だしなみや、口調、動作、社会人としてのお作法など初歩的な部分です。この第一印象が大きく残る為、大切にしたいポイントです。
2. 信頼を積み重ねるという意識を持つ
初回商談ですぐに受注にこぎつけたい、こんな意気込みを持つことは悪いことではありません。
しかし、法人営業おいては、お客様が即決という訳にはいかない事が多いです。
コンプライアンスの問題からも複数社から見積もりを取ることがルールづけられている企業も多いこと、そして、何かを購入する際には稟議を通し、決済承認を得る必要があるためです。
そのため、お客様と複数回、商談を重ねるなかで信頼を徐々に積み重ねていくという意識が大切になります。
3. 他責ではなく自責の念を持ち改善する
受注がなかなかつながらない、新規開拓が思うようにいかない、そんな時にどのように考えますか?
「自社の商品悪いからだ。」「市況が悪いからだ。」と自分以外の事柄を原因にすることを他責と言います。しかし、この考え方では成果に結びつくのに時間がかかります。
トップセールスの方々の多くは、「自分の行動の何が原因だったのだろう?」と自責の念を持ち、自分自身の行動に改善をかけています。
この改善のスピードこそが新規開拓営業を成功へ導く第一歩です。
4. まずは、相手に与える姿勢を持つ
新規開拓営業でお客様と商談ができるというのは非常に嬉しい事です。
そのため、営業担当者は、ここぞとばかりに自社の商品やサービスの話を一方的に話してしまう事があります。
しかし、「まずは、相手に与える姿勢を持つ」ことが大切です。まずは、お客様が何を欲しているのか?を引き出し、その内容に合わせて情報を提供するということを心がけましょう。
5. 事前準備を怠らない
新規開拓営業で成果を出されている方の多くは、事前準備を徹底しています。
例えば、お客様に紐づくニュースは事前に収集し、商談の場でいつでも話に出せるようにしています。お客様のホームページや採用ページ、新聞やインタビュー記事、SNSに至るまでチェックしています。
そして、一度目の訪問だけではなく、二度目三度目と訪問を重ねる中でも、常にお客様のニュースはアップデートしています。
「事前準備を怠らない。」というのは、大切なポイントなのです。
6. 前任者のお客様に対するイメージは参考程度にとどめる
新規開拓営業を行っていると、部署移動や配置換えなどで、前任者からお客様を引き継ぐことがあります。
その際、例えば、前任者からのネガティブな情報を引き継がれた場合でも、そのイメージは参考程度にとどめ、新たな気持ちで商談に臨むことが大切です。
ネガティブなイメージのままお客様の商談に臨むとイメージに引きずられ商談が上手く進まないことが多いからです。
7. 失敗は成功の為の必要なステップであると心得よ
新規開拓営業には失敗がつきものです。特に飛び込み営業やテレアポの場合など、お客様が忙しいタイミングに重なってしまった場合などはお叱りを受ける事もあるでしょう。
しかし、一度の失敗で下を向かないことが大切です。今はトップセールスとなっている方々も、最初は失敗を繰り返しながら成功パターンを掴んでいます。
「失敗は成功の為の必要なステップである」と心得ましょう。
8. 「その断り文句は本当か?」繰り返しアプローチする
忙しいお客様にとっては、新しい企業からの営業に対して時間を十分に取れないケースがほとんどです。
そこで「忙しいので」「興味が無い」「予算が無い」など、とりあえず断っておこうという気持ちで断り文句を使うことも案外多いです。
断り文句に惑わされ、アプローチを終了するのではなく、時期を改めてアプローチしていくということが大切です。
お客様のタイミングはいつか来ると捉え、信頼関係を積み重ねていきましょう。
9. ストレスや緊張を味方につける
新規開拓営業はストレスや緊張がつきものです。新しいお客様とゼロベースから信頼を築くのですから当然です。
しかしながら、成功のポイントは、この「ストレス・緊張」をどう捉えるかにあります。マイナスなものという印象で捉えて、営業活動をしているとマイナスに働きます。
不思議なもので「プラス」なものであると捉えるとプラスに働くのです。
(ケリー・マクゴニガル (著)「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」の書籍にて科学的にも証明されていますので気になる方はご参照ください。)
ストレスも緊張も自身にとっての味方であると認識し新規開拓営業を行いましょう。
10. 休憩も重要事項の一つと捉える
新規開拓営業では、とにかく数を追いたい、目標数字を達成したい、という思いのあまり休憩を全く取らずに活動してしまう営業担当者は少なくありません。
しかし、疲れた顔で目の前に現れた営業担当者を見て、お客様はどう思うでしょうか?良い印象を抱かないことは明白です。
また、「休憩=さぼり」という印象を持っている場合は改めましょう。
休憩も新規営業活動の重要事項の一つと捉えることが大切です。
11. お客様にとってのメリットは何かを訴求する
お客様にとってのメリットは何かについてきちんと訴求すること、これが新規開拓営業に欠かせない成功のポイントです。
自社の商品やサービスの説明がいくらスムーズに出来たところで、お客様にとってどんなメリットがあるのか伝わらなければ、お客様の心は動きません。
そのため、分かりやすくお客様のメリットをお伝えすることが大切になります。
12. お客様のありたい姿を的確にとらえる
新規開拓営業を行う際に、現状の課題のみを聞き出し満足してしまうケースがありますが、課題解決だけでは価格や条件競争に巻き込まれ勝ち残るのが難しくなってきています。
課題だけではなく、「お客様のありたい姿」=未来の理想像を的確にとらえる事が大切です。
なぜなら、課題解決だけでは導き出せない、お客様と一緒に未来を創り出していくような商談が可能になるからです。
他社との差別化のためにも、「ありたい姿」を捉える、意識して行いましょう。
法人営業で新規開拓を行う際の重要な4つのステップ
本章では、法人営業で新規開拓を行う際の具体的なプロセスについてお伝えします。大きく分けて4つのステップがあります。一つずつ解説いたします。
1. 戦略の把握と深い理解⇒STP(エス・ティー・ピー)分析を行う
新規開拓営業を行う上で、最初の重要なステップが戦略を知る事です。多くの企業ではマーケティング部門や経営部隊などが戦略を立てます。
自社のターゲットは誰か、また市場におけるポジショニングはどこか、など細かく策定しています。
もちろん営業部隊で、戦略を練るケースもあるでしょう。
いずれにしても、その戦略を把握し、深く理解することが大切です。
新規開拓営業を行うにしてもターゲットがあやふやでは、著しい成果は望めません。また、ポジショニングを理解していなければ、自社の特徴や打ち出したいメッセージが不明確になってしまします。
まずは、戦略を知りましょう。
2.アカウントプランの内容を書き出す
自社の新規開拓営業の戦略を理解したら、次は、アカウントプランの作成です。ターゲットとなるお客様を明確にし、そのお客様ごとにアカウントプランを作成します。
アカウントプランを書き出すことで、より営業としてすべきことが明確になり、効率的に活動を進める事が可能になります。
アカウントプランに記入すべき項目は次の通りです。
- キーマンは誰か?
- お客様担当者の役割と期待されるポイントは何か?
- 現状お客様導入している商品・サービスは何か?
- お客様の組織関係はどうなっているか?
- お役様の予算額はいくらか?
- お客様のサプライチェーンはどのようになっているか?
3. 新規開拓顧客の情報管理・進捗管理を徹底する
次に、新規開拓営業をした活動情報を管理していきます。情報の共有を徹底し、案件化までの進捗管理も徹底します。
社内に、SFAのようなシステムがある場合は、そこへの記入を行い、上司や同僚からのサポートを受けやすい状況にしておくことをお勧めします。
上司は、進捗を見守りながら必要に応じて、どうしたら案件化するかについて会議や日々の会話の中で明確化していくと良いでしょう。
4. PDCAサイクルを回す
最後のステップは「PDCAサイクル」を回すことです。
Plan(計画)、DO(実行)、Check(評価)、Action(改善)の順番で、うまくいったこと、そうでないことを明確にし、改善を加えていきましょう。
時には、ターゲティングやポジショニングに修正が必要なケースもあります。
営業担当者が一番お客様や市場のリアルな感触をつかみやすいです、是非全社にフィードバックしながらPDCAサイクルを高速で回していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。新規開拓営業の方法について見てまいりました。
お客様から問合せが来るのを待つ方法、営業担当者がアプローチを仕掛ける方法、そして、ご紹介を頂く方法と大きく3つに分類されます。どのパターンであっても新規開拓営業を行う上で、押さえておくべきポイントがあります。
また、本記事では「法人向け営業」に特化した「新規開拓を成功に導くポイント12選」を掲載しています。
新規開拓は難易度が高くなかなかお客様から受注を獲得することはできません。
しかし、ご紹介させていただいた12選を活かすことで、少しでも受注率の向上につながると嬉しく思います。
本記事の情報が皆さまの新規開拓営業に役立てば幸いです。
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松下 慶子
株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
旅と犬をこよなく愛する1児の母。