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2021.06.12

トップセールスから学ぶ!新規開拓営業を成功に導く7つのNG例と12の成功ポイントと忘れてはいけない5つのステップ

こんにちは。松下です。本日は「新規開拓営業」について見ていきます。

弊社は営業人材育成を専門とする企業の為、日頃から多くの企業のトップセールスの方とお会いし話をする機会があります。
その中で、新規開拓で成果を出されているトップセールスの方には押さえているポイントがあることがわかりました。

また、新規開拓営業で成果の出ない方々には、ありがちなNGパターンが存在していました。

本日はそんなNGパターンを例として踏まえながら、トップセールスも実践する新規開拓営業のポイントをお伝えしていきたいと思います。ぜひ、お役立てください。

1.新規開拓営業とは?

「新規開拓営業」とはどういった意味でしょうか?

一般的には、「これまでに取引の無いお客様に対して、営業がアプローチをし、新たに顧客として取引するまでの活動」を指します。

法人向けの新規開拓営業もあれば、個人向けの新規開拓営業もありますが、いずれにしても既存顧客への営業に比べ、難易度の高い営業活動と言われています。

2.新規開拓営業の目的とは?

「新規開拓営業」にはどんな目的があるのでしょうか。

難易度が高いということで敬遠されがちな分野でもありますが、実は企業の存続、繁栄において非常に重要な役割を果たしています。

自社の商品やサービスを世の中に普及させていく際には新しい顧客は不可欠な存在です。

また、既存顧客だけでは、経営は頭打ちになってしまいます。長年同じボリュームで既存顧客からお取引を頂ける場合には現状維持となりますが、既存取引先が取引を継続しないとなった場合には、経営難に陥る可能性もあります。

したがって、常に新規開拓をし続けるというのは企業にとって重要な意味のある活動と言えます。

また営業担当者の個人的な目線であっても、新規開拓営業には大いに意味のある活動です。

なぜならば、新規開拓営業とは営業のなかでも最も難しいとされているため、新規開拓営業ができると市場価値が高い営業として認められるためです。

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3.法人営業の新規開拓営業のアプローチ方法

それでは、具体的に新規開拓営業のアプローチ方法にはどんな方法があるのでしょうか。大きく4つに分類しましたので、一つずつみていきましょう。

1.電話を利用した新規開拓営業

まずは、電話を利用する方法です。「テレアポ」がイメージとして分かりやすいかと思います。

全く取引の無い企業に対して、電話をかけて営業をしていきます。電話で会話をする中で、商談の日程を頂くというケースが多いです。

企業によっては電話の部隊を「インサイドセールス」として切り離し、商談の場は、フィールドセールスの営業部隊が対応するといったように分担するパターンも増えてきています。

※インサイドセールス・・お客様と非対面で営業を行う内勤型の営業手法
※フィールドセールス・・お客様と対面し営業を行う外勤型の営業手法

2.飛び込みによる新規開拓営業

「飛び込み営業」と呼ばれるアプローチ方法です。

お客様へのアポイントを一切取らず、直接企業まで出向き、面会を希望するやり方です。

その場で担当者へと取り次いで頂く必要があり、受付を突破する必要があります。

ただ、ここ最近はコロナウイルスの影響で在宅勤務も増えており、減少傾向にあります。

3.メール・手紙を利用した新規開拓営業

電子メールや手紙をきっかけに新規開拓をしていくアプローチ方法もあります。

自社のサービスや商材の興味付けをするような電子メールや手紙(ダイレクトメール)をお送りし、お客様の反応を待つパターンです。

基本的なひな型を作成し、一斉にお送りするケースが多いです。

4.既存のお客様からの紹介による新規開拓営業

既存のお客様から、新規顧客をご紹介頂くパターンです。

新規開拓にとって、これほどありがたい話は無いです。既存のお客様とのつながりもある為、相手も初期段階から心を開いて頂けるケースが多く、商談に繋がりやすい方法と言えます。

ただし、既存のお客様の顔に泥をぬらないよう細心の注意を払って対応する必要があります。

4.新規開拓営業でありがちなNG例7つ

新規開拓営業で、なかなか成果の出ない営業担当者は、成果の出ない行動パターンを持っています。

この成果の出にくい行動パターンを「NG例」とし、一つずつ見ていきたいと思います。

ご自身がいずれかのパターンに当てはまっていないか、ご確認ください。

1.自社商材のアピールに終始する

新規開拓で初対面のお客様に対し、自社商材のアピールばかりしてしまうケースです。

なかなか商談に繋がらない中、ようやくお客様と会話できた!と意気揚々に自社の商品やサービスの話ばかりしてしまうと、せっかくの商談が台無しです。

  • お客様の話す長さと自身が話す長さはどちらが多かったか?
  • お客様からの話を引き出せたか?

商談の後に、振り返ることをおすすめします。

2.一回目の商談で失点をする

成果の出ない営業担当者は、一回目の商談で失点をしています。

失点とは何か。

  • 身だしなみ
  • 言葉遣い
  • 表情
  • ビジネスマナー

など基本動作で、お客様の心象を害してしまう事です。

初対面での印象はあとあとまでお客様の心の中に残りやすく、その後の商談を左右します。つい、高得点を狙いに行きがちですが、失点は無かったか?見直しましょう。

3.すぐに契約をしようと迫る

新規開拓営業の成果を早く出したい!今日契約を持って帰らなけらば!といった営業担当者側の事情が丸出しになっているパターンです。

初回の訪問ですぐに契約を!と迫るパターンはお客様に圧迫感を与え、その後の関係性にも悪影響を及ぼすことが多いです。気を付けましょう。

4.成果の出ない原因を外に向ける

商談化につながらない、または失注してしまう、など成果が出にくいのが新規開拓営業の特徴です。

さて、皆さまは、この成果の出ない原因についてどのように受け止めていますか?

成果の出ない営業担当者は、十中八九、原因を「外」に向けてしまいます。

「外」とは、例えば

  • 自社の製品が悪い
  • 市場の状況が悪い
  • お客様が悪い

と自分ではないことやものを指します。

自身には全く問題は無く、他に原因があるんだ!というこの考え方こそ、成果をストップさせてしまう一つの原因です。

5.お客様の情報収集をしていない

初めてお会いする際にお客様の情報収集をほとんどしていないというのも代表的なNG例です。

お客様は事前にどれだけ自社の事を調べて来てくれたのか、理解してくれているのか?という部分で営業担当者の熱意の有無を感じることが多いからです。

6. 新規開拓を行うターゲットが不明確

やみくもに新規開拓営業を行っていませんか?

自社のターゲットは誰か?不明確なまま新規開拓営業を行うと、成果に結びつきにくいです。

最初は何となく理解していたけれども数を追っているうちにだんだん曖昧になってきてしまったというケースもあります。

今一度確認しましょう。

7.自社の商品やサービスのポジショニングを理解していない

自社の商品やサービスのポジショニングを理解していないというケースもNG例の一つです。

自社の商品やサービスが市場でどのような特色を持ち、どのような立ち位置なのかについて理解する必要があります。それによって営業トークも変わるからです。

自社のポジションについて何となく理解していた人は、改めて捉え直しましょう。

以上7つのNG例を挙げてみました。これ以外にもNG例は存在しますが代表的なものをご紹介しました。

次章では、成果の出やすいコツをお伝えしていきます。

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5.法人営業で新規開拓を成功させるための重要な心得12選

本章では、法人営業で新規開拓を成功させるために必要な重要なコツを心得として12にわたりご紹介します。

実際の初回訪問の際、商談後、活動全体と分けてまとめました。トップセールスを行っている方々の特徴を纏めています。

初回商談時の心得

①前任引継ぎ者の嫌なイメージは先入観として持ちすぎない

新規開拓営業では、ターゲットを前任者から引き継ぐケースがあります。これまでにアプローチは何度かしてきたが未取引のままというお客様です。

その場合、前任者からの引継ぎ情報の中にネガティブな情報が含まれていることがあります。

すると、嫌なイメージがついてしまい、そのイメージにとらわれてしまう営業担当者がいます。しかし、新規開拓を成功する確率を高めるには、先入観として持ちすぎないことが大切です。

前任担当者の情報はあくまで参考情報として切り離して取り扱いましょう。

②徹底的に失点をなくす

初回商談時はとにかく「徹底的に失点をなくす」ということを心得ましょう。

初回商談で営業担当者は、ついつい高得点を狙いがちですが、実は初回に関しては「失点」のインパクトの方が大きいです。

初対面での印象は、これから取引をしていくのに相応しいかどうかに影響を及ぼすからです。

まずは、

  • 自身の身だしなみ
  • 言葉遣い
  • 基本動作
  • 表情
  • 時間管理

など細かい部分で失点しないようチェックしましょう。

③受注までの信頼は徐々に積み重なるものだと心得る

初回商談で「すぐに契約を取りたい」と思われる営業担当者もいらっしゃるかもしれません。

ですが、特殊なケースを除き、法人営業の場合にはその場で即決というよりは、受注まで信頼関係を積み重ねていくことがほとんどどです。

信頼は一度で築き上げるものではなく、積み重なっていくものであるという事を心得て初回商談に臨みましょう。

④まずは、与えるという姿勢を持つ

お客様に対し「与える」という姿勢を持つことも大切です。

ついつい、自社の商品やサービスの紹介や説明ばかりをしたくなるものですが、「本当にお客様が必要としている情報は何か?」「価値ある情報を提供できないだろうか?」と考え、お客様と対話することを大切にすることをおすすめします。

⑤お客様のありたい姿を的確にとらえる

お客様のありたい姿を的確にとらえるという事も大切な心得です。

現状の課題確認、状況確認に終始してしまうケースが多いですが、「実際にお客様は何を目指されているのか?」「理想の姿はどんなものか?」といったところまで踏み込んで会話をしましょう。

課題解決型の営業で提示する提案とは異なる提案が可能になります。

⑥お客様にとってのメリットは何かを訴求する

初回商談の際に、「お客様にとってのメリットは何かを訴求する」ことも大切にしましょう。

特に、お客様は「その商品やサービスが一体何に役立つのか?」「どんなメリットがあるのか?」ということに興味があります。機能や詳細の説明以前に、「メリットを伝えられているか?」ということを確認しましょう。

商談後の心得

⑦受注できない原因を自分に向けて改善する姿勢を持つ

受注になかなかつながらない、こんな時こそ「自分に原因をむけて改善する」という姿勢が大切になります。

受注できない原因を自分以外、例えば、

  • 自社の商品
  • 市場
  • 環境
  • お客様

などのせいにする場合には、改善しようという姿勢が生まれません。受注獲得までの道が遠のきます。

商談後には受注が「出来ない原因は自分のどこか悪かったんだろうか?」と自分の行動を振り返り改善していくことを心がけましょう。

⑧一度の失敗で下を向かない

一度の失敗で下を向かないというのも大切にしたい心得です。

新規開拓営業を行っていれば、おのずと失敗するケースも出てきます。その場合に、一度の失敗で下を向いてしまっていては、前に進みません。

振り返りは必要ですが、すぐに改善ポイントをみつけ、次の新規商談に臨みましょう。

⑨断り文句に惑わされない

初回断り文句に惑わされないことも大切です。

これはどういうことかというと、「忙しい」「興味が無い」「間に合っている」などの断り文句は、事実そうである場合と、価値を感じないためまずは断り文句として伝えている場合と分かれます。

その為、一度の断り文句に惑わされずにタイミングをみて再アプローチしていきましょう。以前は全く検討していなかったが、方向性が変わり検討するようになったなど風向きが変わるケースも少なくありません。

活動全体の心得

⑩ストレスや緊張を味方につける

新規開拓営業、全体を通していえることは、ストレスにさらされるということです。

また信頼関係がゼロのところからお客様と会話をしていくため緊張する状況かにおかれます。

したがって、ストレスや緊張をどのように捉えているか、というのは成果に大きく影響をおよぼします。

その為、「ストレスや緊張は味方である」という捉え方が大切になります。

⑪しっかりと休憩を取る⇒さぼりは違う

「しっかりと休憩を取る」ということも非常に重要な心得です。

ついつい忙しく新規を追いかけていると休憩を忘れてしまう事があります。

また、「休憩=さぼり」と捉えて罪悪感を持つ営業担当者も多く見かけてきました。

しかし、トップセールスの方は、「休憩」は必要な業務であると捉え効果的に休憩を取り入れています。

疲れた顔をした営業担当者を見て誰が取引をしたいと思うでしょうか。

休憩も意図的に取りながら活動しましょう。

⑫お客様に紐づくニュースは常にアップデートする

お客様に紐づくニュースは常にアップデートしましょう。

初回の商談前は詳しく調べても、2回目の訪問からは調べないということではなく、常にアップデートして置く事が大切です。

お客様企業のニュースや公式ホームページ、SNSなどの情報をチェックし、お客様の情報を日々更新していくことが大切です。

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6.法人営業で新規開拓を成功させるための重要な5つのステップ

前章では、法人営業で新規開拓を成功させるための「心得」を見てきましたが、本章ではそもそもどのように新規開拓営業を進めて行けばよいのか、プロセスを5つのステップに分けて見ていきます。

1.ターゲットを明確にする

まずは、新規開拓営業を行うターゲットを明確にしましょう。

ターゲットを行うためには、市場を細分化していきます。同じカテゴリーごとに小さなグループに分けていきましょう。

細分化する際にヒントとなる変数を4つご紹介します。

人口動態変数

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 所得
  • 学歴
  • 家族構成
  • 所得水準
  • 学歴
  • 宗教
  • 人種
  • 国籍
  • 業種
  • 規模

などの要素

地理的変数

  • 地方
  • 気候
  • 人口密度
  • 文化
  • 政府による規制
  • 都市化の進展度
  • 顧客の行動範囲

などの要素

心理的変数

  • ライフスタイル
  • 趣味
  • 価値観
  • 性格
  • 購買動機

などの要素

行動変数

  • 購買活動日時
  • 使用頻度
  • 求めるベネフィット
  • 購買パターン
  • 買い替えのタイミング
  • 使用用途

などの要素

上記の変数で市場を細分化したら、どのグループに対して新規開拓をしていくのかターゲットを絞りましょう。

自社の商品やサービスがどのグループに対して競争優位性があるか、または、強みを発揮できそうなグループはどこか?を見極めながら選定をしていきます。

2.ポジショニングの理解を深める

ターゲットを決めたら、そのターゲットに対して、どのようなポジションで戦うのか、自社のサービスの特色をどう見せるかを考えましょう。まさに、それこそが自社のポジショニングになります。

ポジショニングを考える際には、KBF(購買決定要因)を意識して見ていきます。

自社の商品やサービスをどの観点で顧客は購買しているのか。価格、機能、ブランドイメージか?など分析します。

そして、戦略的に2つの特徴に絞り込みます。
それを、縦軸と横軸に置きマップを作り検討していくことが多いです(ポジショニングマップ)。

1、2に関しては、企業によっては、自部門で検討する事もあれば、マーケティングや経営サイドから情報が流れてくるケースもあります。
いずれにせよ、このポジショニングについて理解を深めることが大切です。

3.アカウントプランを作成する

ターゲットが明確になり、ポジショニングも理解したら、次はアカウントプランの作成です。
アカウントプラを作成するにあたっては、以下の要素を押さえながら作成しましょう。

  • キーマンは誰か?
  • お客様担当者の役割と期待されるポイントは何か?
  • 現状お客様導入している商品・サービスは何か?
  • お客様の組織関係はどうなっているか?
  • お役様の予算額はいくらか?
  • お客様のサプライチェーンはどのようになっているか? 

4.新規開拓顧客の情報管理・進捗管理を徹底する

新規開拓を行っていくと活動を行った分、情報が増えてきます。その活動情報の管理を徹底し、更に進捗はどのようになっているのかも徹底していきましょう。こまめに行う事で受注率が変わってきます。

5.PDCAサイクルを回す

最後のステップは、PDCAサイクルを回すことです。

プラン(ターゲティング・ポジショニング・アカウントプラン)を立てて実践(新規開拓営業)をしたら、その実践内容に対してうまく行ったことは何か?うまく行かなかったことは何か?チェックを行い、改善を加えていきます。

時には実際に蓋を開けてみたらターゲティングやポジショニングに見直しが必要なケースもあります。

いずれにせよ、このPDCAサイクルを高速で回しながら新規開拓活動を行う事が成功のカギになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。新規開拓営業について見てきました。

新規開拓営業にありがちなNG例から、新規開拓営業を成功に導く為のポイントを心得とプロセスに分けて解説いたしました。

特に、心得については、トップセールスの方々が実践されている内容をまとめたものになりますので、是非参考にされてみて下さい。皆様の明日からの実践にお役立ていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

松下 慶子

株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
旅と犬をこよなく愛する1児の母。

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