営業職のキャリアプラン4選!描く手順や面接での伝え方【回答例付】
目次
こんにちは、宮本です。
今回は、「営業のキャリアプラン」について解説します。
営業職の面接では、キャリアプランについて質問されることが少なくありません。一度立ち止まって、自身のキャリアプランについて考えてみてはいかがでしょうか?
この記事では、「営業職が目指すべき4つのキャリアプラン」について解説します。キャリアプランの描き方や面接での回答事例まで紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
営業職のキャリアプラン4選!
営業職はさまざまなスキルが必要です。身についたスキルや人脈は、キャリアの可能性を広げるのに役立ちます。営業職が描くキャリアプランは、主に以下の4つです。
- マネージャーとして組織を束ねる
- 営業のプロフェッショナルを目指す
- マーケティングで貢献する
- 独立を目指す
それぞれについて、解説します。
その1:マネージャーとして組織を束ねる
もっともオーソドックスなキャリアプランとしては、マネージャーへの昇進があげられます。営業マネージャーは部下をマネジメントしながらサポートし、チームを目標達成に導く存在です。
営業マネージャーの役割としては、以下があげられます。
- 役割1:部門方針をチームに浸透させる
- 役割2:目標設定と進捗管理、部下へのアドバイス
- 役割3:部下の行動管理
- 役割4:部下の案件管理
- 役割5:社内外の情報取集
営業マネージャーになるためにはプレイヤーとしての実績はもちろん、自社の商品やサービスをしっかりと理解する必要があります。またコミュニケーション力やスケジュール管理力など、業務上欠かせないスキルも必要でしょう。
マネジメントする際のコツは、成功プロセスを体系化することです。偏ったメンバーだけに頼るのではなく、メンバーの成功事例をチーム内で共有し再現性を高めていきます。
また、各メンバーそれぞれが保有する強みを活かしたチームを創ることもマネージャーの重要な業務です。
マネージャーは目標達成への活動を具体的にメンバーへ示す必要があります。単に「訪問件数を上げろ」というのでは、営業担当者はどう動いて良いかが分かりません。「3か月後に2件の商談を成立させるために今月は20社訪問する。
そのうち商談成立の可能性がある案件を5件獲得しよう。」営業マネージャーには、このような具体的な指示が求められます。
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その2:営業のプロフェッショナルを目指す
別のキャリアプランとしては、営業のプロフェッショナル=スペシャリストを目指す方法があります。スペシャリストとは、「特定の分野に関して高い専門性を持つ人材」です。
営業職の場合、成績が優秀で一定の経験値を積んだ場合、マネージャーに昇進するのが一般的です。したがってスペシャリストを目指すなら、トップセールスマンもしくはそれと同等の成績をあげる必要があります。
マネージャーに昇進した際に、個人の営業力が発揮できないのは、会社にとって損失だと思われるぐらいでなければいけないからです。
そのためには業界や商品・サービスなど、特定の領域についての知識を深めることが大切です。また、最新の市場動向は常に把握しておく必要があるでしょう。
営業のスペシャリストには、以下の特徴が見受けられます。
- 特徴1:自分の課題や反省すべき点を素直に受け入れる
- 特徴2:ヒアリング力に長けている(自分を主張しすぎない)
営業のスペシャリストにはトーク力に長けているイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。自分を素直に受け入れて他人の話に耳を傾けられる営業担当者が、最後にはお客様から絶大な信頼を得られるのです。
その3:マーケティングで貢献する
営業職での経験をいかして、マーケティング部門で活躍する方法もあります。
近年は、企業内でマーケティングの必要性が高まっています。WEBメディアやウェビナーなどを介してお客様の情報収集力が高まるなか、営業担当者に求めるレベルも高まっているためです。さほど有益ではない情報を伝えるだけの営業担当者は、もはや不要になりました。
このことからも1人の営業担当者で完結させるのではなく、営業の役割を切り離す企業が増えています。お客様と関係を深め商品・サービスを購入していただくのが営業担当者の役割なら、マーケティングの役割はその前工程である「集客」です。
そのため、従来よりも業務目的が以下のように変わってきます。
- 業務目的1:商品・サービスを販売する市場を決める
- 業務目的2:ターゲットとなるお客様を決める
- 業務目的3:お客様のニーズを把握して、商品やサービスと結びつける
- 業務目的4:商品・サービスを普及させるためにプロモーションする。
マーケティング担当者が身につけるスキルは、営業担当者とは変わってきます。ITツールを使い業界動向や売上データを分析したり、WEBメディアやSNSだけではなくお客様や社員から生の声を集めたりすることが求められます。
見込みのあるお客様を探し出し実際に購入していただくお客様に引き上げることが、マーケティング担当者には求められるためです。
その4:独立を目指す
営業活動で培ったスキルや経験、人脈などは大きな財産になり得ます。これらを使って、営業として独立するのも1つの方法です。頑張り次第では、高収入が得られるでしょう。
営業職が独立する場合、以下のパターンが考えられえます。
- パターン1:法人を立ち上げお客様を獲得して、商品・サービスを販売する
- パターン2:営業代行業(クライアント企業に代わって営業する)
- パターン3:営業コンサルティング(クライアント企業の売上をのばすためにアドバイスをする)
営業マネージャーやスペシャリストの起業は、今後増えてくる可能性が高まっています。スキル習得に時間とコストがかかる営業職を、アウトソーシングの対象に考える経営者が増えているためです。
また一旦退職した会社と業務委託契約を締結して、営業活動する個人事業主も現れ始めました。慣れ親しんだ仕事をする、また慣れ親しんだ人に仕事を依頼するのは双方にメリットがある働き方だといえるでしょう。
営業職のキャリアプランを描く4つの手順
ここまでは、営業のキャリアプランの選択肢について解説しました。しかし、漠然と考えてもキャリアプランは浮かんできません。以下4つの手順をふむことで描きやすくなります。
- Step1:ありたい姿を描く
- Step2:目標を設定する
- Step3:現状を分析する
- Step4:アクションプランを明確にする
それぞれの手順について、解説します。
Step1:ありたい姿を描く
1つめの手順は、「ありたい姿」を描くことです。自分が営業職としてどうなっていたいか、5年後や10年後の姿をイメージすると良いでしょう。
マネージャーなら、チームを率いる課長かもしれません。中には、部門全体を統括する部長をイメージする人もいるでしょう。新規事業を立ち上げる際、事業部長に名乗りを上げることも可能です。
スペシャリストなら、新規開拓やインサイドセールス、カスタマーサポートのプロなどの道が考えられます。
描く際は、イメージを今の延長線上に限定しないこと。現時点の自分の環境は一旦度外視して、理想の姿をイメージしてみましょう。「WANT~したい」の視点で、ワクワクしたものが良いでしょう。
Step2:目標を設定する
ありたい姿がイメージできたら、次に具体的な目標を設定します。営業としてキャリアアップする「目的」がありたい姿なら、目的に到達するための道標が「目標」です。
もし目標を設定しなければ、やるべきことが不明確で余計な時間やコストがかかってしまいます。
この時点では、細かすぎる目標を立てる必要はありません。ただ、以下のように「〇〇歳までに」などの時間軸は決めておきましょう。
- 目標例1:30歳の時点では主任になり、35歳までには営業課長に昇進する
- 目標例2:20代で営業に関するスキルを高め、30歳の時点で営業成績トップになる
- 目標例3:40歳で会社を円満退社して起業する
Step3:現状を分析する
目標を設定したら、現在の立ち位置を正しく理解しましょう。その上で、「現在の姿」と「あるべき姿に到達した自分」の差(ギャップ)を明確にします。
そのギャップこそが、あなたの「課題」です。課題が明確であれば、あとは行動するしかありません。
たとえば「40歳で営業部長になる」という目標を掲げた場合、以下の能力は持ち合わせている必要があります。
- 能力1:決断力
- 能力2:課題解決力
- 能力3:コミュニケーション力
- 能力4:長期的にみる力
- 能力5:戦略立案力
現状のレベルを5段階で書き出すと、視覚的にわかりやすくなります。たとえば「課題解決能力」がレベル2であれば、あと3つレベルを引き上げるための施策を考えるようになるでしょう。
Step4:アクションプランを明確にする
現状分析を終えたら、課題解決のためのアクションプランを明確にします。アクションプランとは、目標到達までのプロセスを具体的なタスクに切り分けたもの。つまり、誰が見ても今すぐ行動に移せる計画書です。
抽象的なアクションプランでは、「いつまでに」「なにをすべきか」がわからず、行動できないままになってしまいます。
アクションプランを立てる際、参考になるフレームワークが「SMARTの法則」です。
- Specific(具体的である)
- Measurable(成果を測定できる)
- Attainable(現実的である)
- Relevant(目標として妥当である)
- Time-based(達成期限がある)
基本的な構成に沿うことで、内容がわかりやすく明確で実際に行動できるプランになります。
上記を描く上ではキャリアの棚卸を始めに行う事も大切です。キャリアの棚卸の基本ガイドはこちらからダウンロード頂けます。
これだけは押さえたい!キャリアの棚卸し 基本ガイドなぜ営業面接でキャリアプランを聞かれるのか?
営業面接でキャリアプランを聞かれる理由は、主に2つあります。
1つは自社とのマッチ度を確認するため。つまり、自社の事業の方向性や内容と合致しているかを確かめるためです。
面接担当者は、入社後できるだけ長く活躍して欲しいと考えるものです。本人の努力次第で実現できるキャリアプランなら、応援やサポートをしやすいと考えます。
もう1つは、面接者の入社意欲を知るためです。キャリアプランは想いだけでは語れません。企業のビジョンや方向性、取り巻く環境などのリサーチが欠かせません。
キャリアプランを聞くことで、「その企業で活躍したい」気持ちと自社を研究しているかの熱量を知る材料にします。
営業面接でキャリアプランを答える際の3つのポイント
営業面接でキャリアプランについて質問された際、注意すべき3つのポイントについてお伝えします。
ポイント1:将来性を感じさせるようにする
1つめのポイントは、面接官に将来性を感じさせる内容にすることです。
人材を採用するために、企業は多大な時間とコストを費やしています。仮に採用してもすぐに退職されれば、それまでの労力がムダになりかねません。
あくまでも、長期的に活躍することを念頭におきましょう。そのためにも、キャリアプランは目先よりも5年先や10年先のビジョンを語るのがベストです。
「5年間は営業の現場でお客様への貢献について学び、10年後には成功事例を共有し成果を出せる組織づくりがしたい。」このように将来性のあるプランを語ると、企業は安心して採用に踏み切れます。
ポイント2:企業のプランとずれていないか確認する
2つめのポイントは、企業のプランとずれていないかの確認です。
いくら理想の姿があっても、企業の方向性と一致しなければそのビジョンが実現することはありません。
「入社後はトップセールスマンになり売上の急拡大に貢献します」といった場合。もしその企業のビジョンがCS(顧客満足)を徹底し、地域から愛される会社を目指していたとすればどうでしょうか?
方向性の違いから認識のズレが生じてしまい、活躍できずに終わってしまうことが想像されます。キャリアプランは、あくまでも企業ビジョンに沿ってはじめて実現できるものです。
ポイント3:実現のための具体的な取り組みを伝える
3つめのポイントは、実現に向けた具体的な取り組みを伝えること。仮に現在取り組んでいなくても、今後取り組んでいく意思を伝えます。
キャリアプランは「計画」ですので、あくまでも具体性のあるものにしましょう。抽象的なプランでは、面接官にあなたの活躍をイメージさせられません。イメージさせるには、プラン実現に向けて具体的取り組んでいることを伝えるのが効果的です。
「前職では営業会議やミーティングで率先して進行役を務めたことで、合意形成や意思決定の仕方を学びました。」仮に営業マネージャーを目指すなら、このような取り組みもアピールになります。
また、企業へ向けてこちらから逆質問をすることも可能です。この逆質問を通して、企業が求めている人材ととのギャップが無いか確認をしたり、想いを伝えたりすることも可能です。逆質問例は以下からダウンロード可能です。合わせてご覧ください。
転職への第一歩はここから!1・2次面接で使える逆質問例営業面接でのキャリアプラン回答例
最後に、営業職の面接でキャリアプランを質問された際の回答例を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
回答例1:管理職を目指す場合
「私のキャリアプランは、10年後営業部長に就任することです。入社後の5年間はお客様や業界、商品についての基礎を身につけプレイヤーとして胸を張れる成績を残します。
そして5年後には課長になり、プレイングマネージャーとしてチームを率いながらチームの目標達成のために取り組みます。課長就任中はチームのことはもちろん、経営に関する知識を深めながら視座を高くして10年後には部門を統括するような人材になりたいと考えています。」
回答例2:スペシャリストを目指す場合
「私のキャリアプランは新規市場を開拓して、御社の新たな収益づくりに貢献することです。既存のお客様との関係構築を懸命に取り組みつつも、常にアンテナを張って新規市場の情報取集をすることは怠りません。7年後には新たな市場のお客様の開拓に励み、10年後には新規市場の売上で10億円を生み出すような営業担当者になりたいと考えています。」
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、「営業のキャリアプラン」について解説しました。
キャリアプランは、順序立てて考えることで頭が整理され、より具体性が増してきます。そうなればモチベーションも高まり、仕事へ前向きな気持ちが面接官にも伝わるでしょう。
新しいキャリアに向けて、ぜひ当記事を役立ててください。
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宮本 聡介
営業経験は25年あり、その中で時代と共に営業スタイルを変えてきた。 豊富な営業経験を活かしつつも、時代を先取りした営業系の記事を制作。 特に、卸系の営業には長く従事し、経験や知識は極めて潤沢。