最適な営業職の転職理由とは?整理する手順や注意点も解説【回答例付】
目次
こんにちは、宮本です。
「面接で転職理由を述べる際、何と言えば良いのだろうか?」
このように思う営業職の方は、少なくないのではないでしょうか?
大切なのは、転職先の会社でなにを実現させたいのか熱意をもって伝えることです。そうすれば、入社後あなたが活躍する姿がイメージされるでしょう。
この記事では、面接で転職理由を聞かれる理由や、転職理由を整理するための4つのステップについて解説します。伝える際の注意点や回答例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
営業職が転職を考える理由【ランキング】
昨今、営業職が転職を考えるのはどのような理由が多いのでしょうか?日本最大級の総合採用支援サービスdodaが実施した「転職理由ランキング」によると、以下が営業職で上位にランキングされた理由と全体の構成比です。
- 会社の将来が不安(6%)
- ほかにやりたい仕事がある(4%)
- 業界の先行きが不安(1%)
- 給与に不満がある(8%)
- 残業が多い/休日が少ない(9%)
営業職は会社の業績に直結する職務のため、自社の業績に対しては敏感です。上記のデータからも、「今の会社は将来大丈夫だろうか?」と不安に感じる人が一定数いることがわかります。
また社外を見る機会も多く、成長著しい業界や他社に目移りすることも少なくありません。
面接で転職理由を聞かれる4つの理由
なぜ、面接では転職理由を聞かれるのでしょうか?理由は、以下の4つです。
- 理由1:仕事に対して前向きかが知りたい
- 理由2:入社後長く働いてくれるかが知りたい
- 理由3:働く上で何に重きをおくか?が知りたい
- 理由4:自社とのマッチ度合いを知りたい
それぞれについて、解説します。
理由1:仕事に対して前向きかが知りたい
1つめの理由は、「仕事に対して前向きか?」を判断するためです。
与えられた仕事をこなすだけではなく、能動的で当事者意識を持ち仕事に取り組む人材を企業は求めています。
仕事に対して前向きな人は、向上心の高い人が少なくありません。キャリアに関係なく社内外でスキルアップにはげみ、目標が明確で組織の成長に貢献する傾向にあります。
したがって、仕事に対する姿勢は企業が最も知りたいことだといえるでしょう。
理由2:入社後長く働いてくれるかが知りたい
2つめの理由は、「入社後できるだけ長く働いてくれるか?」を探るためです。
入退職者が多い状態では、人件費や採用費が増えたり若手社員が育たなかったりするデメリットが発生します。
ポテンシャルが高い人材でも、すぐに辞められると損失しか残りません。そのため、企業は面接者の転職理由から志望度の高さや熱意を推しはかろうとします。
転職理由が「待遇面の条件が合わなかった」なら、たとえ入社してもより良い条件の会社に転職する可能性があると判断されます。一方、ビジョンや目標が明確なら、長く活躍してくれると期待されるでしょう。
理由3:働く上で何に重きをおくか?が知りたい
3つめの理由は、「働く上で重要視すること」を探るため。つまり、仕事に対する価値観が知りたいのです。
会社で働くにあたっては、周囲との良好な関係や社会へ貢献する努力は欠かせません。どちらかが欠けてしまうと、たちまち会社の価値観とは合わなくなるでしょう。
採用側の企業は、自社の価値観とのズレは修正か効かないため取り返しがつかなくなると考えます。例えば面接者が、「目標はどんな手段を用いてでも達成させる」とアピールした場合。属人化をなくし組織営業を重視する企業からは、チームの和を乱しかねないと警戒されてしまうでしょう。
手遅れにならないためにも、面接官は面接者が持つ仕事の価値観を探ろうとします。
理由4:自社とのマッチ度合いを知りたい
4つめの理由は、「自社とのマッチ度」を確認したいためです。
例えば、方針転換で新規市場開拓を強化している企業に対して、面接者が既存市場での活躍をイメージしていればどうでしょうか?仮に入社しても、うまくいかないことが容易に考えられます。
また「個人の自由な発想をチームに取り入れて働きたい」が転職理由である場合、データにもとづき確率を優先させる組織とは考えが合いません。
採用後のミスマッチを起こさないためにも、面接官は転職理由から自社との相性を確認しようとします。
営業職が転職理由を整理する4つのステップ
これまで見てきた通り、営業職の転職理由は採用側の企業にとって重要です。転職理由を適切に伝えるためには、以下の手順で整理することをおすすめします。
- ステップ1:前職での状況と自身の行動を整理する
- ステップ2:転職したい理由を掘り下げる
- ステップ3:ポジティブな理由に置き換える
- ステップ4:転職理由と志望動機が一貫しているかを確認する
それぞれの手順について、解説します。
ステップ1:前職での状況と自身の行動を整理する
1つめのステップでは、前職の状況や退職を決断するに至った心理を冷静に振り返ります。
退職するということは、負の感情が多いのが大半です。そうしたなかで自分に非はなかったか?もっとやれたことはなかったか?など改めて考えてみましょう。
なぜなら前職での振り返りが不十分な状態は、たとえ転職してもまた同じことを繰り返してしまう恐れがあるからです。
特に他責思考が強い人は、注意が必要になります。「会社が評価してくれない」「商品力が弱くて販売できない」などの不満解消だけが目的では、転職活動はうまくいきません。そうならないためにも、最初のステップで前職の状況を振り返りましょう。
ステップ2: 転職したい理由を掘り下げる
それでも転職の決意がゆるぎないのであれば、次のステップでは決断した理由について掘り下げて考えます。
ここで勘違いしやすいのが、「退職理由」と「転職理由」を混同してしまうこと。2つの言葉の定義は、以下の通りになります。
- 「退職理由」:(過去のこと)退職を決断した理由
- 「転職理由」:(未来のこと)転職先で実現したいこと
退職を決断するということは、ネガティブな理由が大半です。ここから、「次の職場でなにを実現したいのか」と前向きな内容につなげていく必要があります。
ステップ3:ポジティブな理由に置き換える
3つめのステップでは、転職に至ったマイナスの感情をポジティブな内容に置き換えます。
そのためには負の感情に至った背景について考え、それらの不満が解消した状態を想像するといいでしょう。
たとえば、「一生懸命働いても給与が増えない」という不満は、「斜陽業界のため、自社の業績が伸びない」ことが要因かもしれません。
不満解消のために、「成長業界で働き、モチベーションを高めながら結果を出す」と考えるのは自然な流れだといえます。つまり、この考えが「転職して実現したいこと」になるのです。
ステップ4:転職理由と志望動機が一貫しているかを確認する
最後のステップでは、転職理由と志望動機を一本化させます。ぶれずに明確に伝えることで、あなたが入社後に活躍する姿を面接官はイメージしやすくなるでしょう。
転職理由が、「お客様の課題解決が実感できる営業がしたい」である場合。志望動機が、「御社が開発するソフトなら、さまざまなお客様の課題により沿って提案できると考えました」だと、一貫性があるように受け取れます。
一方、転職理由が「結婚を機に、腰を据えて仕事したいので環境を変えたい」の場合。志望動機が、「『何事にもチャレンジする』という御社の経営理念に共感したからです」だとするとどうでしょうか?
転職理由と志望動機の整合性が取れていないため、面接官からすると何が本当なのかが分からなくなってしまう可能性があります。
理解や共感を得るためにも、転職理由が志望動機と一貫しているかを確認するようにしましょう。
これだけは押さえたい!キャリアの棚卸し 基本ガイド営業職が面接で転職理由を伝える際の注意点3つ
面接で転職理由を伝える際には、いくつかのNGポイントがあります。それらを避けるためにも、以下3つについて注意しましょう。
- 注意点1:前向きな理由に置き換える
- 注意点2:前職に対するネガティブな内容は避ける
- 注意点3:面接官がわかりやすい内容にする
それぞれの注意点について、解説します。
注意点1:前向きな理由に置き換える
転職するということは、前職に対してなんらかの不満があるケースが少なくありません。しかし、面接でストレートに理由を伝えると自分の印象を下げてしまう恐れがあります。どこの企業も、同じような課題を抱えている可能性があるためです。
大切なのは、以下のように転職理由を前向きなものに置き換えて話すことです。
- 理由1:ノルマがきつい⇒「お客様にもっと寄り添って営業したい」
- 理由2:仕事がつまらない⇒「新しい可能性にチャレンジするために、仕事の幅を広げたい」
- 理由3:休日が少ない⇒「メリハリのある働き方で、仕事の生産性を高めたい」
ポイントは、不満を掘り下げたうえで「不満が解消された姿」をイメージすること。すると自然に、前向きな理由へとつながっていきます。
注意点2:前職に対するネガティブな内容は避ける
面接では、前職に対する愚痴や不満に言及するのは避けましょう。会社への不満のタネは、どこの企業も少なからず抱えているものです。
特に以下の内容は、ありのまま伝えるとマイナスに受け取られてしまいます。
- ネガティブな理由1:上司や先輩と合わない(職場が変わったからといって必ず解決できる問題ではないため言及を避けましょう。)
- ネガティブな理由2:企業理念と合わない(企業理念はホームページに掲載されていることが多い。そのため、事前に知ろうとせずに入社したと思われてしまいます。)
- ネガティブな理由3:仕事に対してやりがいが見られない(自助努力で改善する意思がないと判断されてしまいます。)
このように、前職の不満や愚痴はNGです。必ず、前向きな言葉に置き換えて伝えましょう。
注意点3:面接官がわかりやすい内容にする
転職理由を述べる際は、相手の立場でわかりやすいと思える内容にする必要があります。例えば、以下のように抽象的な理由だと、面接官は評価が難しくなります。
- 抽象的な内容1:「キャリアアップがしたかった」
- 抽象的な内容2:「自分がやりたいことと違った」
- 抽象的な内容3:「モチベーションが高まらなかった」
「なるほど。だから我が社に入社したいんだな。」と面接官に思わせるためにも、理由と合わせて具体的な内容で話すことを心がけましょう。わかりやすく伝えるコツは、以下を参考にしてください。
- わかりやすく伝えるコツ1:伝えたいことを明確にする
- わかりやすく伝えるコツ2:情報量は増やしすぎない(シンプルに伝える)
- わかりやすく伝えるコツ3:誰もが知る言葉で話す
- わかりやすく伝えるコツ4:5W1Hを意識して論理的に伝える
- わかりやすく伝えるコツ5:具体例を織り交ぜる
営業職の転職理由回答例3選【ケース別】
最後に、営業職の転職理由の回答例を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
ケース1:「給与アップを目指していきたい」
「前職は年功序列の賃金体系だったため、成果を出しても給与に反映されませんでした。成果主義を取り入れ結果に対して正しく評価している御社では、前職での営業経験を存分に発揮し業績アップに貢献できると考えています。」
あくまでも、「給与アップ=業績向上への貢献」が大前提です。ギブアンドテイクを忘れないようにしましょう。
ケース2:「将来的に昇進・キャリアアップしていきたい」
「5年間営業を経験しました。個人の目標達成はもちろんですが、チームで目標達成した時の充実感は何ものにも代えられません。メンバーが存分に力を発揮し、相乗効果をもたらせるチームをつくるのが私の目標です。その為にも、社内外から信頼される人物になり将来的に昇進・キャリアアップできるよう日々努力いたします。」
単に「管理職になる」「昇進する」ではなく、どのような目標を達成するためにキャリアアップしたいかを伝えると、より信憑性が得られます。
ケース3:「成長業界でスキルアップしていきたい」
「前職では個人向けの営業だったため、個々の能力に任せがちな面がありました。その点、成長が期待できる業界の中でも、御社は属人化せず営業プロセスを分担しながら組織営業を実践されています。その一員として貢献することで、多くの学びを得てスキルアップしていきたいと考えています。前職でつちかった訪問営業のスキルを活かし、チームにノウハウを共有しながら、組織全体の業績向上を目指します。御社の更なる成長に貢献しながら自身の成長にもつなげていきます。」
自分自身のスキルアップだけではなく、会社の成長のためにどのように貢献できるのかを具体的に伝えることで、面接官はあなたの活躍がイメージしやすくなります。
これだけは押さえたい!キャリアの棚卸し 基本ガイドまとめ
いかがでしたでしょうか?本日は、営業職の転職理由について解説しました。
転職理由を考える際に大切なのは、「退職理由」と混同しないことです。つまり、前向きな内容で伝える事です。
その上で、「転職する会社でなにを実現したいのか」を具体的に伝えましょう。入社後あなたが活躍する姿をイメージしてもらうことが、転職活動ではもっとも重要になります。
新しいキャリアに向けて、ぜひ本記事を役立ててください。
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宮本 聡介
営業経験は25年あり、その中で時代と共に営業スタイルを変えてきた。 豊富な営業経験を活かしつつも、時代を先取りした営業系の記事を制作。 特に、卸系の営業には長く従事し、経験や知識は極めて潤沢。