営業
2023.08.16

目標達成を続けるために必要な営業心得6ヶ条

こんにちは。島谷です。

営業に求められるのは「成果を上げ続けること」です。通期の達成率が100%以上であることはもちろんのこと、次年度以降の案件のパイプラインの充足も大切です。

安定した実績を上げ続けるためにはスキルや知識も重要ですが、営業マインドも欠かせない要素です。そのためには、「営業心得」が大切なポイントとなります。

この記事では、営業目標を達成するために必要な心得を中心に、営業がすぐに身につけるべきポイントを詳しく解説します。

営業心得を元に優秀な営業実績を上げている企業事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

営業心得6ヶ条|トップ営業に共通するポイント

目標を達成し続ける営業担当者は、共通して6つの営業心得」を持っています。

いくら商品が素晴らしくても、たとえ営業トークが上手でも、営業活動の根本となる心得が足りていないと日々の達成は難しいかもしれません。ましてや、その成果を継続させることは心得がないと不可能と言えるでしょう。

営業担当者は、下記6つの営業心得を持ちながらお客様対応を心がけましょう。

【トップ営業に共通する6つの営業心得】

  1. 「三方よし」の精神で営業に取り組む
  2. 「人は見た目が90%」メラビアンの法則に注意する
  3. 「主導権を握る」選択肢を与え検討は期限を設ける
  4. 「売るより課題解決を優先する」ヒアリングを徹底する
  5. 「信頼貯金を積み立てる」お客様の期待を超える責任感を持つ
  6. 「継続は力なり」商品知識の習得やロープレを日常化する

心得1:「三方よし」の精神で営業に取り組む

「三方よし」とは近江商人の経営哲学のひとつです。現在の営業現場でも「三方よし」の考え方はとても重要となります。三方よしの“三方”とは「売り手」「買い手」「社会全体」のことです。

安定した営業実績を出し続けるには、「自社都合だけではなくお客様のことも最優先に考え、最終的には社会全体に貢献することも考えよ」という三方よしの心得が必要なのです。

例えば、人材紹介の営業担当者であれば、優秀な人材を紹介すればお客様の企業実績が向上し、自社の紹介手数料もアップする。同時に日本全体の労働力向上や女性活躍、高齢者雇用などの社会課題にも貢献できるかもしれません。

自社の利益ばかり考えていては長期的な達成はできません。三方よしの考え方をもとに営業をすれば、営業担当者自身のモチベーションアップにもつながりますし、将来的にはお客様からの紹介も増えるでしょう。

優秀な営業担当者は、自社の売上や利益だけを追求するだけでなく、常にお客様と社会全体の幸福を考え全体最適を目指す姿勢を持ち続けています。

心得2:「人は見た目が90%」メラビアンの法則に注意する

「メラビアンの法則」とは、営業現場では常識ともいえる心得のひとつです。

メラビアンの法則では、人は第一印象が重要で「言葉(7%)」「声のトーンやイントネーション(38%)」「ボディランゲージや見た目(55%)」の合計90%がコミュニケーションの結果を左右すると言われています。

いくら優秀な営業担当者でも、声が聞き取りにくかったり不潔感があったりすると、お客様はネガティブな情報に注意をそがれ受注を逃してしまうかもしれません。

しかし、「見た目重視」ばかりを気にしすぎるのも注意が必要です。「人の見た目は内面から」ともいわれます。日頃の考え方や交友関係、また私生活の悩みなどがあると顔の表情にも表れてしまいます。

お客様の信頼を勝ち取るには、見た目も重視すべきですが内面にも注意を払うようにしましょう。また、営業として信頼されるには「第一印象」のほかに「第二印象」と「第三印象」も重要です。

第二印象とは、ある程度時間が経ってから相手に与える印象のことで、第三印象とは継続的な行動や結果をもとに与える印象のことです。

「第一印象は悪かったけど、少し会話してみるとイメージと違った」「はじめは良い印象だったのに対応が悪く信用できない」といったケースはどこの企業でもあるでしょう。

営業目標を達成し続けるには、初対面はもちろん、常に緊張感を持ちながらお客様と対応する心構えが必要なのです。

心得3:「主導権を握る」選択肢を与え検討してもらうときは期限を設ける

トップ営業に共通す心得の一つに「主導権を握る」があります。主導権を握るといっても、決して強引な営業を推奨するわけではありません。

営業現場でお客様側に主導権を握られると、安定した営業実績を出すのは難しくなります。特にBtoB営業の場面では即決してもらえるケースは少なく、高額提案になればなるほど検討時間も長くなるでしょう。

このような局面において、お客様とのやり取りを常にリードし、次の手を考えながら営業活動をすることはとても大切なのです。

優秀な営業担当は、お客様が決定しやすいように選択肢を与えます。

例えば、お客様の「検討します」という発言に対して、営業担当者が「ではぜひ前向きに検討してください」と伝えるというシーンを想像してみてください。

この結果を一概に述べることは難しいと言えますが、このやり取りの後に商談の主導権は営業側からお客様側に移行しつつあることは想像できます。

異なる例を参考にして、考えてみましょう。お客様が悩んでいるときに次のAパターンBパターンでクロージングをかけたとします。どちらが効果的か考えてみてください。

Aパターン……「そうですね。悩んでしまいますよね。安価なタイプもありますがどうされますか?」

Bパターン……「悩んでおられるのは価格でしょうか?機能でしょうか?価格なら●●、機能なら▲▲。どちらになさいますか?」

営業提案の際には、お客様に複数の選択肢を提供し、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを説明します。そして、検討期限を設けて結論を出すように求めます。

明確な回答期限を設けておけば、受注見込みのないお客様に時間を費やす必要もなくなり、新規開拓により多くの時間を使えるでしょう。

心得4:「売るより課題解決を優先する」ヒアリングを徹底する

売れる営業は自社の商材を売ることより、お客様の課題解決を優先します。

例えばクルマを購入するとき、店員から特にヒアリングもされず、押し売りされるほど嫌なものはありません。店員から「いま乗っているクルマへの不満は?」「どんな利用シーンが多いのか?」など細かいヒアリングをされると、理想のクルマに出会える確率も高まります。

営業の目的は、製品やサービスを売ることだけではありません。むしろ重要なことは、お客様課題を解決するという心構えです。

お客様課題の解決を優先すれば、それほど営業に労力を使わなくても売れるケースは多いでしょう。また、満足したお客様が別のお客様を紹介してくれるケースも少なくありません。

お客様ヒアリングの徹底は、「売るより課題解決を優先する」という心得の具体化です。ヒアリングを通じてお客様の課題を明らかにし、その解決に向けた適切な提案をすれば、おのずと営業成果はついてきます。

心得5:「信頼貯金を積み立てる」お客様の期待を超える責任感を持つ

「信頼貯金を積み立てる」ことも営業心得では重要なポイントです。「信頼貯金」とは、相手が得る信頼感や安心感の強弱を銀行口座の残高に例えたものです。

信頼貯金の積み立ては一朝一夕で成し得るものではありませんが、普段の何気ない行動でも信頼を積み上げると大きな成果につながります。

メラビアンの法則でもあった通り、お客様は第一印象だけではなく、その後の第二印象や第三印象もよく見ています。営業現場で人として信頼を損なう場面が度重なると、お客様は一瞬にして離れてしまいます。

日頃の細かな連絡を忘れず、お客様から頂いた要望についてもきめ細やかなフォローを続ければ、信頼貯金の積み立てにつながります。

信頼貯金は、お客様からの信頼を深め長期的な関係を築くための投資のようなものです。

営業で成果を出すには、最低限次のようなポイントはおさえておきましょう。

  • 期限は絶対に守る(お客様の期待を超えるには期限より前に終わらせるのが理想)
  • お客様からの要望には必ず応える(対応できない場合も理由を報告しそのままにしない)
  • 定期的なヒアリングとフォローを徹底する(お客様の課題は日々変わる。定期的なフォローで時期に応じた解決提案ができる)
  • 紹介を頂いたり営業目標を達成したりしたときは感謝の言葉を忘れない

お客様の期待を超える責任感を持ち信頼貯金の積み立てに成功すれば、必ずや営業実績の向上につながります。

心得6:「継続は力なり」商品知識の習得やロープレを日常化する

日常的な商品知識の習得や営業ロープレによるスキルの向上は、成長するためには欠かせない要素です。

自社商品の特性・機能・価値を深く理解することで、お客様の課題やニーズに対して最適な解決策を提供できるようになります。

また実際の営業シーンを想定したロープレも、営業実績向上には欠かせない要素です。お客様課題を想定し臨機応変に対応する能力を養えば、きっと営業現場でも結果を出せるでしょう。

ただし、商品知識の習得やロープレは目的を持って実施することが大切です。特にロープレについては「ロープレをすること自体」が目的になりがちです。ロープレは発声練習ではありません。

「今日はお客様課題Aを解決するロープレをやろう」「最近チームで課題になっている〇〇の弱点を克服しよう」など、ロープレのゴールを設定するようにしましょう。

商品知識習得やロープレは、やりはじめの頃は面倒と思うかもしれません。しかし継続することで初めてその効果を発揮します。「継続は力なり」の心得をもとに、日々の営業活動の中で商品知識の習得やロープレを日常化し、自己改善に努めてみてはいかがでしょうか。

営業心得を継続して成功するための「7つの習慣🄬」活用法

「7つの習慣🄬」は、高いパフォーマンスを持続するための習慣を体系化したもので、営業活動にも応用可能です。

7つの習慣🄬の第一の習慣「主体的である®を意識すれば、自身の製品やサービスに対する深い理解を元にお客様への説明責任も果たせます。そして、主体性は結果として高い営業実績にもつながります。

また「最優先事項を優先する®についても同様です。時間とエネルギーを最も重要なタスクに集中しなければ安定した営業実績は出せないでしょう。

「7つの習慣🄬」は営業活動の効果を高めるための鍵となります。それぞれの習慣がどのように活用できるか、具体的な方法と例を紹介していきます。

営業担当者向けの7つの習慣@研修に興味のある方は以下から資料をダウンロード頂けます。

7つの習慣🄬forセールスパーソン研修の資料はこちら

「主体的である®

営業活動において、商品やサービスに対して主体性を持つことは、営業成果を左右する重要な要素となります。営業活動において主体的であれば「会社の代表者としてサービス提供価値を伝える責任を担う意識」を持てるようになります。

特に、主体性は大企業に勤務する営業担当者にとって、とても重要な心得です。会社が大きくなればなるほど縦割りの業務が増え、お客様から担当外の課題を相談されることもあるでしょう。

例えば、営業担当者が「商品設計が悪い」「コールセンターがつながらない」など、他部門の苦情を受けることもあります。担当外の相談があったときに「それは自分の担当ではありませんので別の担当から連絡させます」となると、お客様の信頼も失われてしまいます。

自らが会社の代表であることを忘れず、主体性をもってお客様対応にあたるようにしましょう。

引用:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社公式「7つの習慣🄬」

第1の習慣「主体的である®」

自分がコントロールできないことよりも、コントロールできること、影響を与えられることにフォーカスし、行動する。

「最優先事項を優先する®

営業活動は時間とエネルギーが限られています。限られた時間の中で目標を達成し続けるためには、お客様の規模やビジネス課題、さらには自社の状況を瞬時に理解し、営業活動の優先順位を見極める能力が求められます。

例えば、お客様の新規開拓は重要な営業活動の一部ですが、それが常に最優先事項とは限りません。既存のお客様との関係を深め、リピートビジネスを確保することが、より大きなビジネスの成長につながるケースもあるでしょう。

営業の現場では、さまざまな課題やタスクが同時に発生します。それぞれの優先順位を的確に見極め、限られたリソースを効果的な方向に投資すれば、営業成果の最大化が可能となります。

引用:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社公式「7つの習慣🄬」

第3の習慣「最優先事項を優先する®」

緊急事項から取り掛かるのではなく、重要目標に優先順位をつけて達成する。

「シナジーを創り出す®

シナジー(synergy)の創造とは、複数の部署や人などのリソースを有効活用し、新しい価値を生み出すことを意味します。

営業目標の達成は一人の力だけでは成し得ません。昨今の市場環境やお客様課題は複層化しており、一人の経験や知識だけでは対応できないケースも多いでしょう。

また営業に費やせる時間も限られていますから、はじめから最後まで一人の営業担当者が業務を遂行するのも難しくなってきています。

これまでフィールドセールスだけで売上目標を達成できていた企業も、WEBサイトの構築やウェビナーの開催など、他部門との協力で営業実績をさらに伸ばすことが可能になります。

また個々の営業メンバーが持つ情報や視点を共有すれば新たな視点や解決策が生まれ、それぞれのメンバーが持つ能力を最大限に活用できるでしょう。

一人ひとりが持つ力を活用しつつチーム全体で一緒に課題解決を行い、新たな価値を創り出すこと。これが「シナジーを創造する」ことの真髄であり、成功する営業には欠かせない要素となります。

引用:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社公式「7つの習慣🄬」

第6の習慣「シナジーを創り出す®」

違いを活かして、利害関係者全員が満足する革新的なソリューションを生み出す。

Win-Winを考える®

営業はWin-Winの関係を築くことが重要となります。お客様の利益を追求することで、同時に自社の利益も追求する。これがWin-Winの営業です。

例えば、提供する製品やサービスが「お客様の業務効率を向上させコスト削減につながる」といった場合、製品やサービスの購入はお客様にとっても明らかなメリットがあるため、Win-Winの関係が生まれます。

自社製品やサービスがお客様の課題を解決し、その結果お客様が成功すれば、自社もまた成功を収めることができます。

自社の利益だけを追求するのではなく、お客様の成功を追求する視点を持つことが、Win-Winの営業を実現するために必要となります。このような視点を持つことで、お客様との長期的な信頼関係を築けますし持続可能なビジネス成長につながります。

引用:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社公式「7つの習慣🄬」

第4の習慣「Win-Winを考える®」

高い信頼関係の構築を通して、より効果的なコラボレーションを行う。

営業担当者に向けた「7つの習慣@研修」について知りたい方はこちらから資料をダウンロード頂けます。

7つの習慣🄬forセールスパーソン研修の資料はこちら

参考事例|営業心得で毎月目標達成を続けるコツ

成功している営業担当者に共通する心得や、実際に成果を出している企業の事例なども見ていきましょう。

K社では毎朝のロープレを日常活動の一部にし、知識の確認とモチベーションの維持を継続しています。

また、J社では身だしなみチェックを営業担当者同士で行い、営業担当者として好印象を保てるように努力しています。

「毎朝のロープレは目的をもって継続する」K社の事例

工業用センサーを扱うK社では、毎朝10分の営業ロープレを日課にしています。毎朝の歯磨きのように潜在意識に刷り込むイメージでロープレを日常化し、営業成果につなげています。

K社が毎朝のロープレで重視しているのは「商品知識の習得」と「お客様の課題解決」です。ロープレではお客様ごとの課題を想定し、目的をもったトーク練習を積みます。K社では「量をこなさないと質は生まれない」をモットーに、とにかく毎日のロープレを継続しています。

一般的なロープレでは部下が上司に対しプレゼンするケースがほとんどですが、K社では上司が部下にプレゼンするケースもあります。

これまでの概念にとらわれず新しい視点を取り入れることで、これまで見いだせなかった営業のヒントが見つかることも少なくないようです。

「営業担当者同士で身だしなみのチェックを励行」J社の事例

J社では、営業に出る前の身だしなみチェックを営業担当者全員で実施しています。もちろん、最低限の服装チェックは担当者自身に任されています。

しかし、他人のチェックを受けることで、自分では気づいていない意外な印象に気づけることも少なくありません。

特に女性の営業担当者の服装チェックは厳しいものがあるようです。女性が多いお客様を対応することが多い企業では参考になるでしょう。

また、J社では営業終了後の「お客様へのフォローコール」を徹底しています。

「対応に不備はなかったか?」「説明はわかりやすかったか?」など基本的なヒアリングを徹底し、見た目の不快感などもそれとなく聞くようにしています。

J社ではお客様からのお褒めの言葉をもとに年間の優秀営業表彰も開催しており、実績だけではなく対応品質が評価されるのも営業担当者のモチベーションアップにつながっているようです。

外見や対応品質を同僚やお客様・上司から常にチェックされることは、営業担当者にとっては厳しいものがあります。しかし、安定した営業実績につなげられるのであれば有効な手段といえるでしょう。

「課題を深堀り|お客様が気づかない問題解決を提案」T社の事例

工場部品を販売するT社では、お客様が気づいていない問題解決能力の向上に努めています。

ビジネスにおける問題は、見えている問題だけではありません。問題の根本を見つけるためには、一歩引いて全体像を理解することが重要です。

T社では、自社商品だけではなく業界全体の豊富な知識を身につけることで、総合的な問題解決ができるスキルを磨いています。

例えば「〇〇工程の部品がよく故障する」などの問題提起を受けた際、一般的な企業なら指摘された工程部分だけの解決に終わるケースがほとんどです。

T社では、提示された課題を深堀し「工場ライン全体に問題はないのか?」「不具合を即時発見できない体制に問題があるのではないか?」など全体的な課題にも目を向けます。広い視野と課題解決能力があれば、お客様満足度向上にもつながります。

また、結果的には部分的な販売では終わらず、総合的なシステム刷新のオーダーを受けるなど、想定以上の売上成果に結びつくケースも多々あります。

お客様が気づかない問題を解決することでお客様満足度を一層高め、信頼関係を深めることができるのです。これがT社の営業力の一部を形成する重要な要素となっています。

まとめ

営業で安定した実績を出し続けるには、単に営業スキルやトークを磨くだけではなく、「7つの習慣🄬」などを参考にした一連の営業心得がとても大切です。

お客様への誠実さ・優先順位の明確化・シナジーの創造、そしてWin-Winの視点からの行動は、ビジネスの成果を大きく左右します。

営業心得を当たり前のように意識できれば、個人やチームの成長、そして組織全体の成功へとつながっていくのです。

7つの習慣🄬forセールスパーソン研修の資料はこちら 資料をダウンロードする お問い合わせをする
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