営業
2023.03.01

営業組織を変革する方法!3年後に強いチームになるために今やるべき3つの心得とは?

こんにちは、石井です。

営業として数年活動すると、営業担当者それぞれに個性が生まれ、結果としてさまざまな営業スタイルが生まれます。

また、営業手法の観点としても、新規開拓営業とルート営業、ソリューション営業とインサイト営業など、さまざまな種類があります。

このように営業担当者を個人の視点で見ると、その営業スタイルは十人十色と言えるほどバラエティーに富んでいます。

組織においても、個人と同様にさまざまな営業組織の形があります。

しかし、どの組織であっても「強い組織を作りたい」「安定した営業成績を出す組織を作りたい」という想いを持って組織マネジメントをしている会社が多いはずです。

これらの想いを持ちつつも、営業組織は売上の数値目標を持っているため、短期的な活動に力を入れざるを得ないことがあります。

特に、月末やクォーターの締めが近づくと、いかに数値を作るかということに視点が集中しがちです。

しかし、本当に強い営業組織を作るための変革は中長期的な視点を持ち、日々積み重ねていくべきものです。本記事では、3年後に強いチームとなるように、今日から営業できる組織変革を解説していきます。

強いチームとなるための3つの心得とは、どのようなものでしょうか。

営業の組織変革が必要な理由

日本の労働生産性は、OECD(経済協力開発機構)38ヶ国中28位と低水準であることは広く知られています。

経済産業省の外局である中小企業庁が発表した【2022年度版 中小企業白書】によると、従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)が2003年からほぼ横ばいであることがわかります。

これが意味するところは、日本は長く続く経済の停滞を招いているということです。

また、グローバル経済の拡大や企業コンプライアンス、労働環境の変化など営業を取り巻く環境は激変しています。加えて、経済が右肩上がりだった時代の営業手法は、通用しなくなっています。

つまり、日本が経済的な側面で成長が鈍化していることに加えて、営業に関連する環境変化が激しいこともあり、営業組織は変革を求められており、日本経済を立て直す使命を背負っているとも言えるのです。

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営業組織変革の心得3つ

マネージャーとして「営業組織を変革しよう!」と思ったら、まずはありたい姿を明確に描きましょう。はじめは、解像度の低いイメージでも構いません。

しかし、営業組織の理想像を描くことは、変革を進めていく上で非常に重要な指針になります。その上で、ゴールまでのロードマップを作りましょう。これを達成するために、効果的な施策を実行し強い営業組織に育てていくのです。

営業組織を変革するためには、ありたい姿を描くことだけでは足りません。必要なことの1つは、現状を整理し課題を正しく認識することです。現在の状況を丁寧に観察し、正しく捉え、適切な改善点を洗い出しましょう。

それでは、3年後に強いチームとなる3つの心得を解説していきます。

心得1:ありたい姿を明確にせよ

最初に取り組むべきことは、営業組織の全員が共通認識として同じゴールを思い描けるようにすることです。つまりは、変革後のありたい姿を明確にすることです。

ありたい姿とはイメージです。そのため、「ベスト4に入る」や、「○○賞を獲得する」といったことは正しいイメージの設定ではありません。

正しくは、変革後自分たちはこういう状態であるということを徹底的にイメージすることです。大切なことは、この時点ですぐに定量的な数値に落とし込まないことです。

例えば、売上を○○円獲得するといったことをありたい姿に置き換えた瞬間に、日常的な営業行動への意識に戻されてしまいます。そのため、あくまで定性的なイメージを強く持つようにしましょう。その上で、マイルストーンを設定することをオススメします。

心得2:メンバーの強みと課題を把握せよ

強い組織を作る上では、メンバーの強みを活かすことが重要であることは、マネジメントの父であるピーター・F・ドラッカーも強調しています。

言い換えると、組織とは互いの弱みを打ち消し合うために存在するのではなく、互いの強みを活かし合うことで、さらなる高みに到達するために存在するのです。

■強みを伸ばすマネジメント

日本では昔から「出る杭は打たれる」ということわざがあります。

言い換えると、従来の営業組織では、強みを伸ばすよりも、弱みを改善し自身の持つスキルを平均化することが求められてきました。

確かに、高度経済成長期以降、日本のマーケットの多くは商品やサービスが差別化されており、営業担当者のケーパビリティを均一化することで、一定の業績を会社が達成することができました。

しかし、現代のマーケットでは商品やサービスのコモディティ化が進んでいます。つまり、営業担当者一人ひとりが、他社の営業担当者よりも秀でることで競争優位性を獲得し、業績に好影響を与えることができるのです。

このような意味で、営業組織内のメンバー一人ひとりの強みを見出し、それを伸ばすマネジメントが求められます。

マネージャーとして、メンバーの強みを引き出すことも重要です。

その際には、メンバーが何を大切にしているのかを理解しましょう。これは、つまり価値観の理解そのものです。

■課題の発見とその対処

メンバー一人ひとりの強みを把握した上で、ありたい姿と現状を比較して課題を引き出しましょう。この際に、マネージャーが意識すべきことは、メンバーの弱みの捉え方です。

ありたい姿を達成するために、改善しなければならない課題に関してはフォーカスすべきですが、それとは関係のない弱みに関しては無視して構いません。

つまり、ありたい姿の達成を阻害し、致命傷となり得る弱みは大いに改善すべきですが、それ以外の弱みを打ち消すことは避けるべきです。

なぜならば、メンバーの弱みを打ち消すことで生産性に直結しないばかりか、メンバーの自信を損なってしまう可能性もあるからです。また、弱みを消す行為が、強みまで消し去ってしまうことも珍しくないのです。

心得3:仕組み化を推進せよ

営業改革の仕上げは、仕組み化です。

組織変革における代表的な心理学者クルト・レヴィンによる三段階の変革プロセスの最後も「凍結」です。つまり、変革後の良い状態をいかに保ち続けるかという視点が大切なのです。

SFAや人事評価制度の刷新

営業組織が継続的に変革後の状態を保持し続けるためには、制度面の構築が欠かせません。

例えば、変革後の営業組織の状態をキープするためには、現状を正しく把握するためのSFAの導入が必要かもしれません。

また、優れた成績をおさめたメンバーに対する評価を正しく実行することで、メンバーのリテンションにもつなげることができます。

オペレーションを効率化する

営業組織を改革することは、営業全体のやり方を変えることに他なりません。つまり、営業のオペレーションの全体が変わるのです。

その中で、営業担当者がやるべきことと、バックオフィスが担うべきことを選別しなおす必要が出てくるかもしれません。

営業組織を改革する上で、どのような仕事の分担が最も効果的であると言えるのかを見極めましょう。

営業組織変革に向けたアクションチェックリストは下記からダウンロード頂けます。

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まとめ

営業の組織変革を実行する上で、重要視すべきことはメンバー一人ひとりです。

個々の価値観や強みを、マネージャーが把握することは変革のための出発点と言えます。また、メンバーが主体的に営業活動をするためには、それぞれのメンバーが自身の仕事に対してやりがいやモチベーションを感じることが重要です。

そのためには、ありたい姿を共有して、未来に向けて一緒に突き進むチームとしてのダイナミックな力を生み出す必要があるのです。

組織変革の成果をすぐ創出することは不可能でしょう。しかし、3年という期間を設定することで中長期的な施策を試すことができます。トライアンドエラーを繰り返し、自組織においてどんな施策が有効か判断してください。

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この記事を書いた人

石井 健博

ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。3歳息子のパパ。

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