マネジメント
2022.10.19

マネジメントの種類4選!求められる4つのスキルと得られる効果も解説!

こんにちは。宮本です。

本日は、「マネジメント」について見ていきます。

「マネジメントの種類について正しく理解したい」と考えている、マネージャー職の方は多いのではないでしょうか。

現代のビジネスシーンでは、組織を正しい方向へ導き成果を出すマネージャーの存在が欠かせません。そのためにもマネジメントについて体系的に理解したうえで、マネジメント業務に取り組む必要があります。

この記事では、マネジメントを4つの種類に分けて解説します。マネジメントに必要なスキルや、適切にマネジメントすることで得られる効果についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

マネジメントとは

幅広いシーンで使われる「マネジメント」という言葉。まずは、マネジメントの定義や求められる理由、リーダーシップとの違いについて見ていきましょう。

マネジメントの定義

マネジメント(management)は直訳すれば、「経営」や「なんとか~する」という意味です。つまり、ビジネスにおけるマネジメントとは「人と組織を動かし、ビジョン実現に向かって進んでいくための大黒柱」と言えます。

一般的に知られているのが、1909年生まれのオーストリア人経営学者「ピーター・ファーデナント・ドラッカー」のマネジメント理論です。ドラッカーは、マネジメントとは「事業」「管理者」「人と仕事」の3分野から成り立つと提唱しました。

  • 事業のマネジメント:方針から戦略を決定し、経営計画に落とし込む
  • 管理者のマネジメント:人と資源を適切に配分する責任を担う
  • 人と仕事のマネジメント:仕事を設計し、人の特性に配慮して採用、配置、教育、異動する

マネジメントが求められる理由

現代のビジネスシーンにおいてマネジメントが必要な理由は、組織の持続的発展に不可欠なためです。

つまりマネジメントとは、今の組織を合理的に運営するだけではなく、未来の組織運営に向けたリーダーの育成が究極の目的といえるでしょう。

したがって、人材育成ができている組織は、マネジメントの要素を実践しているといえます。

マネジメントとリーダーシップとの違い

組織の持続的発展に向けて成果を出すという点では、マネジメントとリーダーシップは目指す方向が同じです。しかし、必要な能力は以下のように異なります。

  • マネジメント:成果を上げる手法を考え、組織を運営する能力
  • リーダーシップ:組織の目標達成のために、メンバーの先頭で引っ張る能力
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マネジメント4つの種類

組織の力を最大限発揮するためには、マネジメントの種類を理解しなければいけません。

マネジメントはさまざまなシーンで発揮できるため、分解して考える必要があるからです。マネジメントは、以下4つに分類されます。

  1. 階層別マネジメント
  2. 目的別マネジメント
  3. 人材管理に関するマネジメント
  4. メンタルヘルスに関するマネジメント

それぞれについて、掘り下げて見ていきましょう。

階層別マネジメント

階層別マネジメントは、「トップマネジメント」、「ミドルマネジメント」、「ロワーマネジメント」に分類されます。各階層別での役割について、見ていきます。

トップマネジメント

「トップマネジメント」とは、以下のような会社全体の運営に関わるマネジメントのことです。

  • 会社の運営に関する意思決定
  • 経営計画、経営戦略の立案
  • 経営理念、ビジョンを示す
  • 危機管理の徹底
  • 人材育成や組織構築

トップマネジメントを施行するのは、「代表取締役」、「取締役」、「役員」といった経営層です。組織の経営課題を分析して、達成すべき課題を明確にする「コンセプチュアル・スキル」が求められます。

ミドルマネジメント

「ミドルマネジメント」とは、トップマネジメントが立案した決定事項を、以下の通り現場で具体的に実行させるためのマネジメントのことです。

  • トップマネジメントの補佐
  • ロワーマネジメントへの指揮
  • 部門間の調整
  • プレイングマネージャー

ミドルマネジメントを施行するのは、「本部長」、「部長」、「次長」、「課長」などの管理者層です。人と関わりながら、目標達成に向けた戦略を一緒になって考えられる「ヒューマン・スキル」が求められます。

ロワーマネジメント

「ロワーマネジメント」とは、ミドルマネジメントの元で以下の通り現場で業務管理するマメジメントのことです。

  • 現場が正しく動けているかの進捗管理
  • 現場の問題点をミドルマネジメントへ進言
  • 現場業務に関してのアドバイスや助言

ロワーマネジメントを施行するのは、「係長」、「主任」などの現場リーダー層です。業務の品質の再現性が高い「テクニカル・スキル」が求められます。

目的別マネジメント

目的別マネジメントは、「チームマネジメント」、「プロジェクトマネジメント」、「ナレッジマネジメント」に分類されます。それぞれ見ていきましょう。

チームマネジメント

「チームマネジメント」は、メンバー一人ひとりの能力を最大限に発揮させたうえで、チームを成果に導くためのマネジメントのことです。

そのためには、メンバーが働きやすい環境となるように調整したり、モチベーションがUPするように働きかけたりする必要があります。

チームマネジメントの目的は、あくまでチームで結果を残すことです。メンバーは上司からの指示を待つだけではなく、それぞれが主体的に考えてアイデアを出し、実行しなければいけません。

チームマネジメントで目標達成するためには、以下3つのポイントを参考にしてください。

ポイント1:チームの目的を共有する

ポイント2:メンバーと相談して意見を尊重する

ポイント3;プロセス向上に焦点をあてたマネジメントを心がける

プロジェクトマネジメント

「プロジェクトマネジメント」とは、納期が決められたプロジェクトを推進、管理して成功させるためのマネジメントのことです。

「いつまでに」、「どの程度の品質で」完成させるかを明確にして、そこから逆算したプロセスを構築しなければいけません。

プロジェクトマネジメントは、以下3つの手順で実施します。

ステップ1:プロジェクトの目標を掲げる

ステップ2:プロジェクトでやるべきことを明確にする

ステップ3:プロジェクトの工程を示す

ナレッジマネジメント

「ナレッジマネジメント」とは、メンバーが業務を遂行するうえで得た知識を、チーム全体で共有し次に生かすためのマネジメントのことです。

ナレッジ(knowledge)とは、「知識・経験・事例・ノウハウなどの付加価値のある情報」を意味します。ナレッジマネジメントの目的は、以下の項目で属人化せずに実施するためです。

  • 育成プログラムにおける効率化
  • 生産性の向上

ナレッジマネジメントは、2種類のタイプに分類されます。

タイプ1:「形式知」・マニュルのようにだれが見ても理解できるように、言語化や数値化されたもの

タイプ2:「暗黙知」・明示化されていない属人的な技能や暗黙知のうちに作られた手法や事例

人材に関するマネジメント

人材に関するマネジメントは、「タレントマネジメント」、「モチベーションマネジメント」、「パフォーマンスマネジメント」に分類されます。

タレントマネジメント

「タレントマネジメント」とは、メンバーが持つ能力やスキル、経験などの情報を採用や育成、配置に活用し、チームの成長につなげていくための人材マネジメントのことです。

経営戦略に基づく中期的目標達成に向けた人材活用が、タレントマネジメントの基本になります。

  • 高齢化による慢性的な人手不足
  • 人材の多様化

上記の背景から、タレントマネジメントが日本で広まったと言われています。人手不足や人材の多様化を補うには、タレントマネジメントによって適材適所に人材を配置し、チームの生産性を高める必要があるからです。

モチベーションマネジメント

「モチベーションマネジメント」とは、メンバーに対して動機付けしたうえで実行する仕組みを整え、チームを成果に導くためのマネジメントのことです。

モチベーションは、一般的に以下の2種類があると言われています。

  • 内発的動機付け:興味や関心から起こる意欲で、内側から沸き立つ動機
  • 外発的動機付け:昇給や昇進などの人事評価から生まれてくる達成感、やりがい

モチベーションマネジメントは、これらの2つの動機付けに対して効果的にアプローチすることが必要です。

パフォーマンスマネジメント

「パフォーマンスマネジメント」とは、メンバーの行動を結果に結びつけるためのマネジメントのことです。

パフォーマンスマネジメントの際に心がける点は、以下の通りです。

  • メンバー間でのコミュニケーション頻度を高める
  • メンバーの結果(過去)を評価しない
  • メンバーの強みを重視する

パフォーマンスマネジメントを効果的に実施することで、メンバーはモチベーションが高まり主体的に行動するようになるでしょう。

メンタルヘルスに関するマネジメント

最後はメンタルヘルスに関するマネジメントで、「メンタルヘルスマネジメント」、「ストレスマネジメント」、「アンガーマネジメント」に分類されます。

メンタルヘルスマネジメント

「メンタルヘルスマネジメント」とは、メンバーがメンタルの不調をきたすことのないように、働く環境を整えるマネジメントのことです。

従業員におけるメンタルヘルスの問題は、どの企業でも起こる可能性があります。厚生労働省によると、精神疾患による労災請求件数は平成28年度の1,586件から、令和2年度は2,051件に増えていることがわかりました。
参考:厚生労働省:精神疾患の請求、決定及び支給決定件数の推移PDF

このような背景から、現代ではメンタルヘルスマネジメントの重要性がますます高まっているのです。

ストレスマネジメント

「ストレスマネジメント」とは、ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切に対応するマネジメントのことです。

マネージャーは、これらのことについて考えたりメンバーへ指導したりしなければいけません。ストレスマネジメントは、以下の効果をチームにもたらすからです。

  • 効果1:メンバーの休職や離職を防ぐ
  • 効果2:ストレスのない職場は、チームの雰囲気を良くする

ストレスマネジメントで有効なのが「4つのケア」です。

  1. セルフケア:働くすべての人がストレスに対して理解を深め、個人的に対処する(ストレスチェック、ストレス関連の研修参加など)
  2. ラインによるケア:管理者がメンバーに対して日常的に行うケア(勤怠管理や職場の状況把握、メンバーからの相談への対応など)
  3. 事業場内産業保健スタッフによるケア:企業に在籍する産業医や保健師から支援を受けること(メンタルヘルス対策の社内企画立案など)
  4. 事業場外支援によるケア:外部の専門機関や専門家の活用(こころの耳、産業保健総合支援センターなど)

アンガーマネジメント

「アンガーマネジメント」とは、「怒り」の感情とうまく付き合いコントロールする手法のことです。1970年代にアメリカで生まれた概念で、すでに多くの企業が取り入れていると言われています。

アンガーマネジメントは、怒るのを制御するのではなく、怒りの感情が発生したときに怒りへの向き合い方を変えていくための取り組みです。

「怒り」は、モチベーションの低下やストレス増加、行動を萎縮させるなどのマイナス要素をもたらします。アンガーマネジメントを心がけることで、メンバーの気持ちに余裕が生まれチーム内でのコミュニケーションが円滑になるでしょう。

アンガーマネジメントは、以下の方法で学べます。

  • 座学で怒りの感情をコントロールする大切さを知る
  • ロールプレイングを実施することで、実際の場面を想定し怒りをコントロールするイメージを持つ
  • アンガーマネジメント診断による「怒りの項目」をチェックすることで、自分はどのような場面で怒りの感情が発生するかを把握する
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マネジメントに求められる4つのスキル

次に、マネジメントを適切に実施するうえで、必要となる以下4つのスキルについて、掘り下げて解説します。

  • リーダーシップ力
  • コミュニケーション力
  • 課題分析力
  • 管理力

リーダーシップ力

1つめのスキルは、「リーダーシップ力」です。先述通り、マネジメントとリーダーシップは異なる能力が必要です。しかし、マネージャーは必然的にリーダーシップ力を備えている必要があります。

なぜなら、チームの目標達成に向けて明確に方向性を示し、メンバーをあるべき姿に導かなければいけないからです。

リーダーシップ力を発揮するには、以下の方法を実践してみてください。

  • 3つの視点(自分・相手・第三者)を持つ
  • 自ら行動する(自分が実践しなければ周囲はだれも行動しない)
  • 周囲の人を信頼する(自分を信じてくれない人を、人は信じない)

リーダーシップ力を養うには、周りからの援助が欠かせません。「この人についていきたい」と思わせる力が必要なのです。

コミュニケーション力

2つめのスキルは、「コミュニケーション力」です。チームをマネジメントするうえで、コミュニケーション力は欠かせません。コミュニケーション力が不足していれば、部下のモチベーション管理や情報共有に支障をきたすでしょう。

メンバーとのコミュニケーションを深めるためには、以下を心がけましょう。

  • メンバーの良い部分をほめて伸ばす
  • メンバーが受け入れやすい形で改善提案する
  • メンバーが話しやすい雰囲気をつくる
  • メンバーの意見に対して聞く耳を持つ

コミュニケーション力を高めるためには、相手の立場でものごと考えることが求められます。そのために、相手に対して興味を持つことから始めましょう。

課題分析力

3つめのスキルは、課題分析力です。マネージャーには業務上の問題を分析して課題を明確にする力が欠かせません。課題が明確でなければ、次からどのように行動すれば良いかがメンバーは分からず’、チームは混乱するでしょう。

例えば、新規開拓チームでお客様とのアポイントが取れず、業績が上がらない現状だったとします。

テレアポ時の会話時間やアポイント取得率、お客様へ訪問してからの案件獲得率など、これらの数値化できるデータを元に、何が課題なのか分析しなければいけません。

  • アポイントが取れない⇒トークスプリクトに問題があるのか?⇒お客様が「会いたい」と思わせるようなトークスプリクトに変更する
  • 初回訪問以降、次の訪問につながらない⇒商談の進め方に問題があるのか?⇒お客様のニーズを引き出すためのヒアリングについて学習する
  • お客様が自社の商品やサービスに興味を示さない⇒そもそもターゲットがずれているのか?⇒マーケティングを一からやり直して、自社に合うターゲットリストを作成する

分析から課題が明確になれば、対処法を考え行動するのみです。このように課題を分析して解決に導く方法を指し示すことが、チームを適切にマネジメントするうえで重要になります。

管理力

4つめのスキルは「管理力」です。

ビジネスにはあらゆる管理項目が存在しますが、管理が不十分であればムダな業務を発生させてしまい生産性は高まりません。当然、管理が不十分な組織は結果もでないでしょう。

マネージャーは日々の業務において、以下の項目を管理しなければいけません。

  • 経営管理(経営全般に関する管理。売上や利益などの数字管理も含む)
  • お客様管理(自社と取引のあるお客様についての情報など)
  • 時間管理(業務に関わる時間やプロジェクトの納期など)
  • タスク管理(各個人が抱える案件など)

ビジネス上、管理が甘いため自社の利益を損なうケースも少なくありません。マネジメントにおける管理力とは、企業存続のための重要なスキルだといえるでしょう。

正しいマネジメントで得られる2つの効果

マネジメントには、4つのスキルが求められるとお伝えしました。では、4つのスキルを生かして適切にマネジメントすれば、どのような効果が得られるのでしょうか。

最後に、正しいマネジメントで得られる2つの効果について見ていきましょう。

効果1:生産性向上

1つめの効果が「生産性向上」です。同じ業界でも、企業の業績に差が出るのはなぜでしょうか?それはズバリ「生産性」の差だといえます。

生産性とは投入と算出の差で、組織の付加価値を測るものさしです。生産性を高める要素として「人的資源」、「物的資源」、「時間」が挙げられます。これらの要素について、小さい投入量でいかに大きな算出量を得られるかがポイントになります。

これらの「ヒト・モノ・カネ」を正しくマネジメントすることで投入量と算出量の差を大きくし、結果として企業の業績を向上させます。

効果2:優秀な人材の流出防止

2つめの効果が「優秀な人材の流出防止」です。マネジメントが適切に機能している組織では、メンバーは働く目的を明確にして、やりがいを感じています。

働く人のエンゲージメントが高まれば、離職の可能性も格段に下がるはずです。

人材の離職防止と個々の能力が発揮できる環境づくりの施策を、「リテンションマネジメント」と呼びます。リテンションマネジメントを重視する企業では、以下の取り組みが実施されています。

  • 社員アンケートやヒアリング
  • 研修などによるキャリアアップへのサポート
  • ツールやシステムの見直しや導入で、社内コミュニケーションを活性化させる
  • メンター制度
  • 1on1ミーティング

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本日は、マネジメントの種類についてお伝えしました。4種類のマネジメントについて正しく理解し、チームを適切にマネジメントしていきましょう。

人手不足や人材の多様化が顕著な現代のビジネスシーンでは、組織を適切な方向へ導き成果を出すマネージャーの育成が急務です。本記事を参考にして、今後のマネージャー育成へぜひ役立ててください。

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