VUCAの意味とは?VUCA時代に必要な「エクスポネンシャル思考」も解説!
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こんにちは、荻原です。
2010年以降、業界や業種を問わず広く「VUCA時代」と聞くようになりました。特に営業担当者であれば、より一層耳にするキーワードではないでしょうか。
しかし、聞いたことはあるものの、いまいち全体像を掴めていない…という人も少なくないはずです。
そこで、本日はVUCA時代の概要から、なぜVUCA時代がもたらしたビジネス環境の変化、VUCA時代を乗り切るのに必要なエクスポネンシャル思考に至るまで網羅的に紹介します。
VUCAとは?
VUCAとは、ビジネス環境、政治、気候、価値観など様々な事柄の変化スピードが加速度的に変化しているために未来予測が非常に困難になっている状況を意味する造語であります。
「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」という4つの英単語の頭文字から作られています。
元々はアメリカが1990年代に終了した冷戦直後の世界情勢を説明するために作られました。2010年代になるとIT革命の影響もあり、ビジネス環境でも適応できる概念であるということでビジネスでも使用されるようになったという背景があります。
Volatility(変動性)
「Volatility」は英語で変動性を意味しています。このVolatilityには、価値観、文化、政治情勢、環境、流行、IT技術などの事柄の極端なスピードで変動していくため未来予測が困難であるという意味合いが込められています。
実際、近年の変動性は凄まじい勢いです。
- 脱炭素社会の実現に向けた政治的、テクノロジー的な取り組み
- スマートフォンのカメラや処理速度の進化
- 働き方改革による残業の減少
そしてこれらは、2010年以降から数えてわずか10年足らずで起きている変化です。このようにVUCA時代において物事は信じられないスピードで変動していくのです。
Uncertainty(不確実性)
「Uncertainty」は英語で不確実性を意味しています。このUncertaintyには、政治情勢、環境問題、価値観などの事柄が短期間で変化していくため未来がとても不確実な状態であるという意味が込められています。
実際、近年は不確実な事柄多く発生しています。
- ロシア・ウクライナ問題
- 新型コロナウィルス問題
- 世界的な物価上昇問題
2020年から2022年の間だけみても予想することができなかった様々な事柄が発生しているのです。このようにVUCA時代において未来はとても不確実なものと言えるのです。
Complexity(複雑性)
「Complexity」は英語で複雑性を意味しています。このComplexityには、地球環境問題、IT技術、価値観などの事柄がとても複雑に絡み合っている関係上、未来予測がとても困難であるという意味が込められています。
実際、以前であれば世界は今と比べて複雑度は低くあったため、企業が出す広告によってどれくらいの見込み客があるのかをかなりの精度で把握できていたと言われています。
しかし現在では、口コミ制度や流行の変化速度が著しいためその限りではないとされています。
また、その他にも以下の問題なども存在しています。
- 地球温暖化や異常気象などの気候変動
- ジェンダーなど多様性の受容
- Ai技術の台頭
そのため、VUCA時代において「複雑さ」は凄まじいものであり、未来予測は難しいものと言えるのです。
Ambiguity(曖昧性)
「Ambiguity」とは英語で曖昧性を意味しています。価値観、今までの常識、様々な壁などがVUCA時代以前と比較して圧倒的に曖昧であるという意味が込められています。
実際、ここ5年以内でも下記の項目は特に変革を遂げたと思います。
- 終身雇用制度
- テレワークの普及
- 同性婚の承認運動
VUCA時代以前であれば、一つの価値観や文化が変革を遂げるのにかなりの年月を要したと思います。それは、人類全体が国ごとや地域ごとで隔たられており、つながることが少なかったからであると言えます。
しかし、インターネットが普及したことでこの限りではなくなりました。したがって、今後もこれまでに存在した常識や価値観はますます曖昧さが増大していくことが予想されます。
エクスポネンシャル思考研修概要の資料ダウンロードはこちらVUCA時代がもたらしたビジネス環境の変化
VUCA時代に突入して以降、ビジネス環境は大きく変容を遂げました。これまでの常識が通用することはなくなり、その流れについていけない企業は倒産をしてしまうようになりました。
実際、デジタルカメラが主流になり始めたのにも関わらず、フィルムカメラ販売を強化した世界最大手のフィルム会社「コダック社」は2012年に倒産をしてしまいました。
このように世界的に超大企業と呼ばれるような企業でもVUCA時代の時流に乗り遅れたり、未来予測を間違えたりしてしまうと倒産の危機に直面してしまうのです。
そして、IT技術が日進月歩な現在では、この流れはさらに加速していくと言われています。そんな先行きが不透明なVUCA時代だからこそ注目されている思考法が「エクスポシャル思考」です。
次章では、そんなエクスポネンシャル思考について紹介していきます。
なぜ、VUCA時代においてエクスポネンシャル思考が営業担当者の中で注目されているのか?
ここでは、エクスポネンシャル思考の概要から営業担当者が学ぶべき理由についてご紹介したいと思います。
エクスポネンシャル思考とは?
エクスポネンシャル思考とは、人類全体の科学技術がエクスポネンシャルに向上していくことを前提にビジネスや世界について考える思考法のことを指します。
アメリカ・カリフォルニア州にあるシリコンバレーを拠点としているシンギュラリティ大学が提唱している思考法です。
大学という名前になっていますが、独自の校舎を持っておらず、学位なども授与しておりません。
エクスポネンシャルとは、日本語で「指数関数」という意味であり、数学で用いられる用語です。特定の変数の階乗ずつ変化していくという意味の関数であります。
そのため、一般的によく知られている直線的な正比例グラフではなく、ある地点から急速に曲線を描き始めるという特徴を持つ関数であります。
人類が科学文明を発展させてから5000年以上経過しているため、一般的にはテクノロジーがエクスポネンシャルに進化していくのは想像しづらいです。
しかし、直近の歴史を振り返るだけでも、いかにテクノロジーがエクスポネンシャルな変化を遂げてきたのかを体感できます。
- 18世紀:第一次産業革命(機械の誕生/蒸気機関や綿織物など)
- 20世紀前半:第二次産業革命(重工業化/電気と石油の活用など)
- 20世紀後半:第三次産業革命(コンピューターの誕生/単純作業の自動化)
- 21世紀初頭:第四時産業革命(AI/IoTの活用)
このように18世紀以降一気に近代化が進んだことがわかると思います。
こうした背景からも、エクスポネンシャル思考を身につけることができれば、時代の変化スピードに鋭敏に反応することができ、後手の対応になることは起きづらいと言えるのです。
VUCA時代においてエクスポネンシャル思考が特に営業担当者に役に立つ理由
VUCA時代は営業担当者にとって最も恐ろしい時代であると言われています。
それは、これまで常識とされていた
- 営業職は一生食える職業
- 企業が守ってくれる
といった安全神話が完全に崩壊してしまっているからです。
そしてさらに追い打ちをかけるように、昨今AIの急速な進化に伴い営業担当者の存在意義に疑問符が置かれているのです。
実際、BtoCでは
- ロボット店員
- 店員不在の会計システム
などが広く実装され始めているため、将来的に販売現場に人がほぼいなくなることが予測されています。こうした変化はBtoBの世界でも当然起こり始めるのです。
しかし、エクスポネンシャル思考を身に着けていると、例え時代が変化したとしても完全に後手に回ることはなくなります。それだけでなく、常に新しいテクノロジーや環境の変化に敏感になるのです。
そうした変化に敏感な人材というのは、進化したテクノロジーをうまく取り入れたり、提案内容や商談内容に適合させたりできます。
そのため、通常では考えられないはいクリエイティビティな提案や商談ができるようになると言えるのです。
そうした結果が、AIよりも価値のある提案ができる営業人材になると言えるのではないでしょうか。
エクスポネンシャル思考研修概要の資料ダウンロードはこちらシンギュラリティの勉強に役に立つ書籍3選
ここでは、シンギュラリティの勉強に特に役に立つ書籍を厳選して3つご紹介します。
VUCA時代がどのようなものなのかを具体的に勉強したい営業担当者は必見です。
エクスポネンシャル思考(齋藤 和紀著 2018年 大和書房)
本書は、エクスポネンシャル思考について、本場シンギュラリティ大学にて直接学ばれた斎藤和紀氏がエクスポネンシャル思考について網羅的に解説している良書です。
エクスポネンシャル思考の概要から具体的な事例、エクスポネンシャル思考をどのように活用していけばいいのかを紹介しています。
エクスポネンシャル思考ついて学びたい方必見の1冊になります。
シンギュラリティは近い人類が生命を超越するとき(レイ・カーツワイル著 2016年 NHK出版)
本書は、アメリカの発明家であり未来学者でもあるレイ・カーツワイル氏がシンギュラリティについての全てを凝縮させた良書です。
シンギュラリティの概要から、人類を含めた知性がどのように変化していくのかを独自の世界観を元に解説しています。シンギュラリティ理論の提唱者でもあるため非常に重厚感なストーリーを楽しめます。
未来がどんなものであるのかを知りたい、将来に備えたいと思っている方必見の1冊になります。
2040年の未来予測 (成毛 眞著 2021年 日経BP)
本書は、元マイクロソフト代表取締役社長であり、元早稲田大学ビジネススクール客員教授であった成毛 眞氏によって書かれた良書です。
2040年までに人類が直面する経済や職、テクノロジー、天災などをありとあらゆる事柄を現在判明している事実を元に網羅的に未来予測しています。
2022年現在から18年後とかなり直近の未来を予測していることもあり非常に説得力のある内容となっています。2040年の未来に備えたい、2040年の世界がどんなものなのか知りたい方必見の1冊になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
少しでもVUCAがどういう時代であるのか分かっていただけましたでしょうか。
VUCA時代では先行きが非常に不透明になるからこそ、しっかりとエクスポネンシャル思考を身に付け未来に備えると、完全に安心できないまでも少し心に余裕ができると思います。
本記事が少しでもVUCA時代の実態理解に役立てば幸いです。
また、本記事で紹介した「エクスポネンシャル思考」について研修を通じて学びたい方は、資料ダウンロードください。
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荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!
最近は動画編集や執筆業務も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。
昨日の自分よりも1%でも強くなることが人生の指針です!