営業研修会社が推奨!成果の出る営業ロールプレイングとは?
目次
こんにちは。松下です。
本記事では、「成果の出る営業ロールプレイング」についてポイントを押さえて解説していきます。
弊社は、累計数千人の営業人材の育成支援をしてまいりました。ご支援させていただいた会社の多くは、営業力強化の一環としてロールプレイングを取り入れていました。
しかし、ロールプレイングを実施しているお客様の多くは、その効果を実感できていないようです。
具体的には、「ロールプレイングはしっかりと実施しているし、上司もフィードバックを欠かさない…。それなのに、なかなか効果があがっているように思えないのです…。」といったお悩みを多く耳にします。
実際に、成果の出ている営業ロールプレイングとそうでない営業ロールプレイングの違いを見ていくと、成果の出る営業ロールプレイングには必ず押さえているポイントがある事が分かりました。
弊社ではそのポイントを押さえたロールプレイングを研修に取り入れ、トライ&エラーを繰り返しながら効果的なものに仕上げました。そのノウハウを本記事に詰め込んでお出しします。
是非、皆さんの営業組織でもお役立ていただければ幸いです。
営業におけるロールプレイングとは何か?
まず、はじめに、ロールプレイングとは何でしょうか?
日本大百科全書(ニッポニカ)によると「役割演技。役割を自発的・創造的に演ずることをロールプレイングとよぶ。」と書かれています。
営業におけるロールプレイングの場合、「お客様役」と「営業担当者役」に役割を分けて、商談シーンなどを演じる事を指します。
この営業ロールプレイングはなぜ行うのでしょうか。メリットについて考えていきます。
営業ロールプレイングを行うメリット
営業ロールプレイングは多くの企業で取り入れられています。例えば、テレアポの業界などでは必ずといっていいほど行われているトレーニング手段の一つでもあります。
営業ロールプレイングを行うメリットは多数ありますが、ここでは3つのメリットについて取り上げていきます。
メリット1:営業シーンを絞ってポイントを習得できる
ロールプレイングを行う際には具体的なシーンを作成し、役割を分担し実演します。つまり、営業シーンを絞って、ありがちな現場を再現する事ができるのです。
本来お客様先に訪問し商談するとなったら1時間以上かかる工程を5分~10分程度に区切ることが可能になります。これによってその営業シーンで肝となるポイントを習得できます。
また、短時間で学べるとなれば、朝礼や忙しい営業の隙間時間を活用して効率的に習得することも可能です。
メリット2:営業としての強みや改善点が明確になる
営業ロールプレイングを行う事で、自身の営業としての強みや改善点が明確になります。何気なく行っていた営業としてのふるまいのどこが強みだったのか、課題はどこでどう改善すればいいのかということが明確になります。
実際に、お客様役を演じた上司や同僚からフィードバックをもらうことで、自分だけでは気付かなかった様々なことが発見できるのです。
もちろん、改善すべきポイントも明確になりますから、より営業としての成長が加速します。
メリット3:営業の型をトレーニングする習慣を身につけられる
営業ロールプレイングは「型」を習得することにつながります。
ありがちな営業現場を繰り返しロールプレイングすることで、「営業の型」として自身に身についてくるのです。
また、ロールプレイングは一度きりで終わりではありません。できるようになるまで、改善点を踏まえて何度も繰り返す必要があります。そのため、習慣化につながるというのも大きなメリットです。
営業ロールプレイングの主要な種類
実際に営業ロールプレイングにはどんな種類があるのでしょうか。法人営業の場合に用いられる代表的な営業ロールプレイングの種類をご紹介します。
1.アポイント獲得ロープレ
まずは、アポイント獲得ロープレです。営業担当者がお客様と接点を持つ際には、まずはアポイントメントを取るところから始まります。
お客様とのアポイントが取れなければ、その後の商談がスタートしません。その始まりとなるお客様のアポイントを獲得する為のロールプレイングです。
例えば、アポイントを取る際にお客様が言いがちなセリフを何パターンか用意し、営業担当者役は切り返しトークを用いてアポイント獲得をゴールにロープレを行うといったものがあげられます。
2.アプローチロープレ
お客様と初回の商談をする際のシーンに絞ってロールプレイングを行います。アポイントを取ったのちの初めての商談となりますので非常に重要なシーンです。
例えば、代表的なお客様を想定し、初回面談ではどのような会話をするのかをロールプレイングします。ロールプレイングのゴールは、次の商談につながることを設定するケースが多いです。
3.提案ロープレ
提案のシーンを想定したロールプレイングです。
お客様に対し実際に「提案書をお見せしながら提案をする」商談シーンを想定して実施する事が多いです。
ありがちな提案シーンにおけるお客様からの質問をお客様役は営業担当者役にぶつけます。そこで営業担当者役は回答をし、お客様役の心を動かすことができるか、というのがポイントです。
何度も繰り返し、回答の細部にわたる言葉を磨き、実践に備えます。
4.クロージングロープレ
最後に「クロージングシーン」を想定したロールプレイングです。
クロージングは営業プロセスの最後の段階で、最後にお客様が意思決定をする大事なシーンです。
「お客様の意向をしっかりと捉える事ができるか?」「最後に何を懸念されているか?」「何を求めているか?」などを把握しながら、最後に自社で決めて頂けるよう一押しを行います。
ありがちなお客様の迷い文句などを想定してロールプレイングを行うケースが多いです。
効果的な営業ロールプレイングの進め方
ただ何となく営業ロールプレイングに取り組んでいては、効果が半減してしまいます。
そこで本章では、営業ロールプレイングを効果的に行うための進め方をご紹介します。
1.Plan:事前準備
まずは、ロールプレイングの事前準備です。
どの営業シーンをテーマにするのか。お客様の設定はどのようなものか、洗い出していきます。ありがちな営業シーンが整ったら、次は環境整備です。実際の営業現場の環境に酷似するように準備をしましょう。
2.Do:実践
事前準備が整ったら、いざ実践です。
お客様役と営業担当者役それぞれになりきって実践を進めましょう。現場を意識し、それぞれの立場になりきって行うと臨場感がでて良いです。事前に準備したシーンに基づき行いましょう。
また、設定した時間が来たら、途中であってもいったん終了しましょう。
3.Check:振り返り
ロールプレイングの実施が終わったら、必ず振り返りを行いましょう。
振り返りは別日に行うのではなく、終わったらすぐに行いましょう。具体的に良かった点と改善点をセットで端的伝えると良いでしょう。
4.Action:改善
振り返りが終わったら、「改善」です。
振り返りで出た改善点を反映させてもう一度、ロールプレイングを行いましょう。せっかく頂いた改善点を机上の物とせず、すぐに反映し、実際にやってみることで、徐々に身についていきます。
また、出来るまで繰り返すことが効果を高めるコツです。
これだけは押さえたい営業ロールプレイングのポイント3つ
ロールプレイングを行う上で、最低限これだけは押さえておきたいというポイントがあります。
このポイントを外してしまうと、ロールプレイングの効果が半減すると言っても過言では無いです。厳選して3つにまとめご紹介します。
1.営業現場で無意識に実践できるまで反復する
1つめのキーポイントは「反復」です。
それも、無意識に実践が出来るまで反復をすることです。ロールプレイングは一度きりで終わりではありません。
体が勝手に動くくらいに自身に覚えさせて初めて飛躍的な効果を発揮します。ロールプレイングではうまく出来たけれど、実際の営業現場ではうまく再現できなかった。
こんな課題を感じる場合の多くは、反復の量が少ない事が原因です。「営業現場で無意識に実践できるレベルになっているか、否か」ここに着目して、反復練習をしましょう。
2.シーンを区切り時間を決めて実践する
2つめのキーポイントは「シーンと時間を区切る」という事です。
例えば、営業商談の全体を通してロールプレイングをしてみたい、そんな想いもあるでしょう。しかし、ロールプレイングにおいては、シーンをしぼり、かつ時間も短時間とすることが重要なポイントになります。
むやみに長いロールプレイングを行うと、学びのポイントがぶれてしまいます。また、フィードバックを行う側の視点もぼやけてしまい効果が半減しますから要注意です。
シーンを区切り時間を決めて実践しましょう。
3.PDCAサイクルを回すことに加え他者からフィードバックをもらう
3つめのキーポイントは「PDCA」です。
ロールプレイングを行う場合には、Plan(計画)Do(実行)Check(振り返り)Action(改善)のサイクルを回しましょう。
特にCheck(振り返り)と書かれているフェースは重要です。お客様担当役の相手や、ロールプレイングを見てくださっていた先輩や同僚など、他者からフィードバックをもらうのです。
このフィードバックをもとに次回の改善を行う。このサイクルをできるだけ期間をあけずスピーディーに繰り返すと、上達が早いのです。是非、取り入れましょう。
営業ロールプレイングを行う上での注意点
ここでは、営業ロールプレイングを行う上での注意点についてご紹介します。
上記の押さえたいポイントを押さえて、かつ、本章の注意点をおさえることで、更に効果的な営業ロールプレイングが実施可能です。4つご紹介しますので参考にしてください。
1.ありがちな営業シーンを設定する
ロールプレイングを行う上では「営業シーンを区切る」ことが大切とお伝えしました。しかし、どんな営業シーンでも良いわけではありません。
「ありがちな営業シーン」を設定しましょう。
あまりにもイレギュラーな営業シーンを設定してしまうと、実際の営業現場で転用が困難になります。
また、ありがちな営業シーンのシナリオも複雑にしすぎずシンプルさを心がけましょう。営業現場ですぐに役立つという視点でロールプレイングを作ると良いでしょう。
2.本番を想定した環境で行う
ロールプレイングを行う際の「環境」も重要です。
なるべく本番に近い環境設定で行う事が大切です。例えば、商談で利用する机、椅子、どのようにお客様と対面するかの配置、自身が持っている持ち物、ノート、ペン、PCなどに至るまで、本番に酷似した環境を作りましょう。
実際の環境とかけ離れていると、たとえ、ロールプレイングではうまく行っても、実際の営業現場ではうまく行かないケースが多いのです。
3.自身が改善したいポイントを明確にしてからロールプレイングに臨む
営業ロールプレイングを行う事で「自身が改善したいポイント」は何か、あらかじめ明確にしておきましょう。
また、このポイントをお客様役やフィードバックをもらう方に事前に伝えておくと良いでしょう。意識してロールプレイングに臨むことで、より研ぎ澄まされた時間になるでしょう。
フィードバックをする側も注目すべき部分が明確になり、より具体的にフィードバックを行う事ができ効果的です。
4.その場ですぐに振り返りをおこなう
やりっぱなしで終わってしまう、営業ロールプレイングにおいて一番もったいないパターンです。
振り返りを行わなければ、いったいどこを改善すれば良いのか、また、どの部分は強みとして伸ばせばよいのか分からないままになってしまいます。その場ですぐに振り返りを行いましょう。
ロールプレイングを営業現場で実践してみよう!
営業ロールプレイングで基本形をマスターしたら、次は営業現場で実践しましょう。
ここからが本番です。ロールプレイグで身につけた型を活用して実際にお客様対応をしてみるのです。さまざまな反応が得られると思います。
実際の営業現場は生ものなので、お客様によって返ってくる言葉は変わります。ロールプレイングではうまく行っていたことも、現場ではうまく行かないということもありえます。
リアルなお客様の反応は有益な情報です。社内に持ち帰り共有しましょう。その上で改めてロールプレイングを見直しバージョンアップさせていくと良いでしょう。
【実例】ロープレのシナリオ例
本章では、実際に弊社が研修で提供しているロールプレイングのシナリオ例を一部ご紹介いたします。
今回は、新規のお客様先へ飛び込みでアプローチする際のロールプレイングのシナリオをご紹介します。
【シーン設定】
- あなたの担当する地区で重点的にアプローチする未取顧客の一つに、F化粧品の本社があります。
- あなたは、アポイントを取ろうと何度か代表電話から電話をかけたものの、依然として総務部へ取り次いでもらえない状況が続いています。
- 上司に相談したところ、「それでは、実際に飛び込みで訪問してこようか」とアドバイスを頂きました。
- さて、あなたは、実際にF化粧品の入るビル入り口までやってきました。受付台のすぐ向こう側に人が座っています。
- それでは、実際に総務部担当者へ会えるようにアプローチをしてください。
上記のようなシーンで受付を突破するロールプレイングを行います。時間は5分と区切ります。
【ロープレの流れ】
ロープレの流れは次のようなイメージで進めます。
営業担当者 : こんにちは
お客様 : はい、何でしょうか?
営業担当者 : ○○社の○○と申します。本日は総務部の○○担当者様にご挨拶でお伺いいたしました。今、いらっしゃいますでしょうか?
お客様 : 今、総務担当者は席を外しています。
このようなやり取りをし、実際に総務担当者へ会えるようにアプローチをしていくロールプレイングです。
実際に研修で行うと90%の方が初回失敗します。しかし、繰り返し工夫を行い、突破する為の観点を講師からアドバイスもらうことで、改善していきます。
このように、ロールプレイングはありがちな営業現場を想定し、シンプルで分かりやすい設定で時間を区切って進めます。
参考になりましたでしょうか?このロープレのフィードバックの観点を知りたい方は資料ダウンロードから可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
営業ロールプレイングについて事例も交えながら解説いたしました。営業においてはロールプレイングを繰り返し行う事が重要です。
また、効果を発揮しやすい営業ロールプレイングのポイントも押さえて実施すれば、若手社員の早期活躍に繋がる事でしょう。
是非、皆さまの現場でもご活用頂ければ幸いです。
営業研修ラインナップの資料ダウンロードはこちら 資料をダウンロードする お問い合わせをする目次
松下 慶子
株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
旅と犬をこよなく愛する1児の母。