営業
2021.07.13

第三回:「非対面」 にはこのツールを ~ いま、生き残るための営業術(輸送経済新聞 2021年2月2日掲載記事)

こんにちは。高橋です。

全12回にわたり、輸送経済新聞の「まなびカフェ」に連載された「いま、生き残るための営業術」について加筆修正を加えた特別版を公開しており、本日は第3回目です。

前回は、米国では当たり前とされている「非対面営業」について知り、私たちがこれからどのような営業手法をとっていけばよいのかを考えてみました。今回は、非対面営業における「ツール」に絞ってお話をします。

早速ですが、非対面営業が主流になりつつあるいま、私は一つの疑問を呈したいと思います。それは、「対面営業では、あれだけ気にしていた『外見』を、なぜこれだけ多くの営業担当者が気にしなくなってしまったのか…」ということです。

対面営業では、お客様を訪問する前に、必ず身だしなみのチェックをしたはずです。しかし、非対面営業では、チェックをどのくらいできているでしょうか。

「ツール」も踏まえ、非対面営業について深堀りしましょう。

ホームランよりも無失点

営業が商談をするときには、お客様に気にいられるための「ホームラン」を狙うよりも、まずは嫌われないために「無失点」を狙う方が得策と言えます。

商談の種類

まず、商談にはどのような種類があるかを考えてみましょう。私は、大きく分けて3つあると思います。

・確実に勝てる商談
・確実に負ける商談
・営業次第で結果が決まる商談

この中で、多くの商談は3つ目である「営業次第で結果が決まる商談」と言えます。つまり、私たち営業は、勝敗が決まっていない商談を、どのくらいの確率で受注できるかにかかっているのです。

無失点ピッチャーを目指せ

営業においてスキルを高めることはもちろん大切です。しかし、もっと大切なことは基本にあります。それは、お客様から「この営業からは、買いたくない。」と思われないことです。つまりそれは、不買要因の徹底的な排除にあります。

なぜ、不買要因を排除すべきなのでしょうか。それは、お客様が営業のことをたった1回の商談で心底信頼することはあり得ないが、その逆にたった1回の商談で「信頼できない」と決定するのは簡単だからです。基本的に、お客様からの信頼はコップに一滴ずつ水を垂らすように、溜めていくものです。しかし、信頼を失うときは、コップを倒したときのように水が一気にあふれ出ます。

つまり、商談で好感を持たれようと高得点を狙うホームランよりも、まずは、「この営業は嫌だ」という失点をなくすことに徹底すべきなのです。

オンラインツール活用方法

私たち営業は、不買要因を排除することが大切であると述べました。では、不買要因を排除するためには、オンラインツールをどのように活用すれば良いのでしょうか。大切な3つのポイントをご紹介します。

メラビアンの法則を意識する

まずは、科学的な法則から考えてみましょう。
皆さまもご存知の「メラビアンの法則」です。
人は、情報を取得する際には、「視覚」から55%の情報を取っています。続いて二位は、「聴覚」で38%です。これからもわかる通り、「視覚」からかなり多くの情報を受け取っているのです。
私たち営業がスキルを磨くことはもちろん大切ですが、「視覚情報に勝るものはない」と認識をしておきましょう。

通信環境を整備する

安定した通信環境は、もはや必須条件です。通信環境が悪いと、「視覚」と「聴覚」の両方の印象を阻害します。通信速度を計測することも容易にできるため、ご自身でチェックしてみましょう。

視覚情報に留意する

PC内臓のカメラではなく、可能であれば外付けカメラを用意しましょう。また、ライトも重要です。外見を整えることで受注に直接つながることはありませんが、まずはお客様の不安要素を取り除く意味でも、カメラとライトをセットしましょう。

それに加えて、PCスタンドを設置してカメラに自身がどのように映っているかにも気を配りましょう。非対面では対面営業のときと比較して、大げさなくらい身振り手振りをすることもオススメします。

その他、オンライン商談におけるコツを知りたい方はこちらから資料ダウンロード頂けます。

オンライン商談の基本ポイント8の資料ダウンロードはこちら

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、非対面営業における「身だしなみ」から、オンラインで活用したいツールについて考えてみました。お客様から信頼をしてもらうことは容易ではありません。しかし、信頼を失うことは容易にできます。まずは、営業としての失点をなくし、お客様から「この営業とは取引したくないな…」と思われないようにすることが先決と言えます。

また、メラビアンの法則からもわかる通り、人間は多くの情報を「視覚」からとっています。そのため、非対面のオンライン商談においても、まずは視覚情報を的確にお客様にお届けすることを考えたいです。

次回は、「オンライン商談」 の3つの注意点~」と題して、オンライン商談における具体的な注意点ついて考えてみます。

資料をダウンロードする お問い合わせをする
この記事を書いた人

高橋 研

株式会社アルヴァスデザイン 代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

お役立ち情報一覧に戻る