第一回:Withコロナ時代、私たちがやるべき手法とは?いま、生き残るための営業術(輸送経済新聞 2021年1月19日掲載記事)
目次
こんにちは。高橋です。
本日から全12回にわたり、輸送経済新聞の「まなびカフェ」に連載された「いま、生き残るための営業術」に加筆修正を加えた特別版を公開します。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、営業の多くが対面営業からオンライン営業へと切り替わりました。営業はこれまでも時代と共に変化をしてきましたが、この1年で起きた「変化」は、私の想像をはるかに超える速さで訪れました。
このように変化が激しい時代だからこそ、私たち営業は改めて「営業」を見つめなおし、そして進化していかなければなりません。
・コロナウイルスのパンデミックが、私たち営業に問いかけたことは何か?
・そして、私たちはその問いに対してどのような解を導き出すのか?
ぜひ、全12回を通して、「生き残る営業」についてとことん向き合い、考え抜くヒントになれば嬉しく思います。
営業の現状把握
コロナウイルスのパンデミックにより、私たち営業の多くは、対面営業からオンライン営業へと営業の手段を切り替えました。
オンライン商談機会のデータ
2020年9月に、ベルフェイス株式会社が行った「コロナ下でオンライン商談の機会が増えたか」について、「増えた」とする回答が9割を超えました。データからもわかる通り、私たち営業の多くはオンライン営業を実施しています。
(出典: ベルフェイス社調査より作成)
埋められない物理的距離
上記の調査データより、オンライン営業が増えたということを認識した上で、私たち営業が考えなければならないことは、お客様との信頼関係を築くための「物理的距離」です。
オンライン営業が主流になったことで、お客様と営業のコンタクト回数や時間を、以前の対面営業のときに比べ確保しやすくなったと考えられます。なぜならば、対面営業のときには、移動時間が必要であったためです。
しかし、オンライン営業が主流となった今、お客様と物理的な距離が離れたことで、信頼関係を構築することが難しくなったとも言えます。
鍵は信頼関係の構築
これからを生き残る営業にとって鍵になるのは、「物理的な距離」が離れているお客様と、いかにオンライン営業を通して、信頼関係を構築するかです。これまでは、お客様も「この人なら大丈夫そうだな…。」という肌感覚で営業を判断していましたが、それが一切通用しなくなります。
裏を返せば、営業は対面で会ったときにアピールできる「人となり」を感じさせることが難しくなりました。私たち営業は、オンラインでお客様から信頼を獲得しなければならないのです。
信頼獲得のための3箇条
オンライン営業で、お客様から信頼を獲得するためには、3つのことを意識しましょう。
その1:徹底したお客様理解
私たち営業にとっては、お客様の真の課題をどのように理解するかがポイントになります。特に、オンライン営業では、「お客様を深く理解する」というよりも、「商談の流れを悪くしないようにスムーズに進行しよう」という意識が働く傾向にあります。言い換えれば、「要点だけ話をする」という商談になってしまうのです。
今までは1時間かかっていた商談が、オンラインになると30分もかからないという話もよく聞きます。このようにオンライン営業では、お客様を深く理解するということが軽視されがちなのです。
しかし、私たち営業にとっては、お客様の深い理解は必須です。「徹底したお客様理解」ということを、肝に銘じましょう。
その2:鮮度の良い情報提供
私たち営業は、お客様に情報提供を行っています。当たり前の話ですが、この情報自体に価値を感じない場合、お客様はその情報を持ってくる営業と会いたいとは思いません。私たちは、価値のある情報をお客様に届けなければならないのです。
それに加え、鮮度というものも意識したいです。これだけ目まぐるしく世の中が変化しているため、情報には鮮度があります。整った資料で情報提供するということも大切ですが、「先ほど、入手した情報なのですが…」と言って、最新の事象や体験を抽象化して、お客様に届けることにも価値があります。
その3:ツールを使った演出
これだけオンライン商談が普及しているので、私たち営業はオンラインツールを当たり前のように使えるようにならなければなりません。オンラインツールの活用は、営業にとってもはや「基本技能」と言えます。
少し厳しい言い方になりますが、オンライン営業が主流な今、「オンラインツールを使えない」というのは、通用しない言い訳です。ZOOMやTeamsなど、基本的なオンラインツールは十分に使えるようにしましょう。
また、カメラの映り具合やマイクの音質にも気をつけましょう。オンライン商談では、映像(視覚)と音声(聴覚)のみで、お客様とコミュニケーションをすることになります。これは、お客様の立場になれば、映像と音声のみで「営業のことを信頼できるかどうか」を判断しているとも言えます。
この他にもオンライン商談で気を付けたいポイントをまとめた資料「オンライン商談のコツ」がございます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、コロナウイルスのパンデミックにより、私たち営業がどのような立場に置かれているのかという環境を整理し、オンライン営業について考えてみました。
対面営業とオンライン営業の大きな違いは、お客様との「物理的な距離」にあります。お客様と営業の間で物理的な距離が離れていることを前提に、私たち営業は「どのようにお客様と信頼関係を構築するか」を模索していかなければならないのです。
オンライン営業においては、「徹底したお客様理解」「鮮度の良い情報提供」「ツールを使った演出」を徹底するようにしましょう。
次回は、「海外では既に当たり前の 「非対面」いま、生き残るための営業術」と題して、非対面営業について深堀していきます。
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高橋 研
株式会社アルヴァスデザイン 代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。